「関税で脅すなら、報復する!」欧州がトランプに激怒 グリーンランド派兵国への“制裁恫喝”に“米欧同盟揺らぐ
「関税で脅すなら、報復する!」欧州がトランプに激怒 グリーンランド派兵国への“制裁恫喝”に“米欧同盟揺らぐ梶原圭介 2026.01.19 アクセス 217
グリーンランド派兵国への関税示唆に欧州が強く反発、緊急会合で武器輸入停止など対抗策を協議
デンマーク・グリーンランドで数万人規模のデモ、米総領事館前で批判の声
引用:Jazeeraドナルド・トランプ大統領は米国によるグリーンランド(デンマーク自治領)併合に反対する欧州諸国を対象に来月1日からすべての商品に10%の関税を、6月1日からは25%の関税を課す方針を明らかにした。欧州側は強く反発しており報復措置を検討する動きが出ている。デンマークとグリーンランドではトランプ大統領に抗議するデモも行われた。
トランプ大統領は17日(現地時間)、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに「デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、英国、オランダ、フィンランドが、目的も明確でないままグリーンランドに向かった」と投稿し、グリーンランドの購入を巡る合意が成立するまで関税を課す考えを示した。こうした発言はトランプ大統領がグリーンランド編入を巡り軍事行動の可能性にまで言及する中、欧州主要国が同地に兵力を派遣した直後に出た。
欧州連合(EU)と英国はすでに昨年、それぞれ米国と貿易協定を締結している。
欧州の指導者らは「ギャング」といった強い表現も用いながら反発を強め、対応策の検討に入った。エマニュエル・マクロン・フランス大統領はSNSのXに「関税による威圧は容認できず、現状にも合致しない」と投稿し「欧州は結束し、調整された形で対応する」と述べた。キア・スターマー英国首相も「北大西洋条約機構(NATO)加盟国が集団安全保障を追求していることを理由に、同盟国に関税を課すのは完全に誤っている」と指摘し、米国政府と協議する考えを示した。
デンマーク首相を務め、NATO事務総長も歴任したアナス・フォー・ラスムセン氏は英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、米国を中国やロシアと同列の「ギャング」と表現し「ロシアはグリーンランドがNATOを沈没させる氷山になることを望んでいる。西側の分裂は世界秩序の終焉を意味する」と強く批判した。
18日にはEU各国の大使がベルギー・ブリュッセルで緊急会合を開くなど、欧州はトランプ大統領の領土を巡る圧力への対応を本格化させた。欧州議会では、米国との貿易協定を停止する形で対応する可能性が取り沙汰されている。最大会派である欧州人民党(EPP)のマンフレート・ウェーバー代表は「現段階で米国との貿易協定を履行することは不可能だ」と述べ、批准手続きを中断する考えを示した。欧州議会は当初26、27日に米国との貿易協定を採決にかける予定だった。
米政治専門メディア・ポリティコ欧州版などによると、欧州各国はトランプ大統領によるグリーンランド編入の示唆に対し、米国製兵器の購入停止や欧州駐留米軍への支援停止、米軍基地の管理権回収など、米軍資産を圧力手段として用いる選択肢も念頭に置いているとされる。
ベルント・ランゲ欧州議会貿易委員長は、トランプ大統領の関税方針が貿易協定に違反するとして、EU執行委員会に対し、通商威圧対抗措置(ACI)の発動を求めた。いわゆる「通商バズーカ」とも呼ばれるこの制度はEUや加盟国を経済的に威圧する第三国に対し、サービス、外国直接投資、金融市場、公共調達、知的財産権などの分野で制限措置を講じることを可能にする。
一方、17日にはデンマークとグリーンランドで反トランプの抗議行動が相次いだ。ロイター通信によると、グリーンランドの首都ヌークでは、イェンス・フレデリック・ニールセン首相が率いる数千人のデモ隊が旗や横断幕を掲げて米国総領事館に向かい、グリーンランド語で島の名称である「カラリット・ヌナート(Kalaallit Nunaat)」を叫んだ。
デンマークの首都コペンハーゲンでは、主催者発表で約2万人がデモに参加した。デモ参加者は「グリーンランドは売り物ではない」と書かれたプラカードを掲げ、米国大使館まで行進した。一部のデモ参加者はトランプ大統領を象徴する赤い帽子を着用していたが、そこには「米国をなくせ」との文言が記されていた。