カタカナ怖い!書家が現代詩を避ける理由
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書家は山頭火が大好き

公募展の調和体の書作品には、種田山頭火 氏(1882年/明治15年- 1940年/昭和15年)の詩がたくさん採用されています。 「調和体の1割、山頭火なんじゃないの?」と思うくらいです。

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徒弟制度→強固な前例主義

日展(≒文化庁)をトップとした書道業界の書家のゴールは、公募展という名の”書道の審査員試験”の通化です。 ここに徒弟制度が加わり、美大にない書道は、閉ざされた世界で強い前例主義が生まれます。 昭和時代ごろに山頭火の詩で受賞した先生が審査員になり、「山頭火は受賞しやすい」と人気になったようなシンプルな話と予想します。

歌人「カタカナは困る」書家「同意」

公募書展は書道業界内部の昇進試験の機能がメインです。 そのため、公募書展は受賞前例のある作風(審査員がそれで受賞)に人気が集まります。 もっと言えば、これに違和感を感じない人が書道業界に残ります。 (「書道は金がかかる」の原因で、日展など目指すなら50-100万円/年は仕方ない世界) 一方、現代アートの場合、新規性が必須なので、美大生の段階でアートと書道は別の道を歩んでいます。 例えば、以下の対談記事(墨スペシャル15 1993年)塚本邦雄氏(歌人、近畿大学教授)/黒野清宇氏(書家、愛知教育大学教授)の対談が興味深いことを書いています。

歌人 塚本氏「現代短歌は明朝体の活字で浮かぶんだけど、漢字、平仮名は書けるけど、カタカナは筆記体がないから、それっぽく手書きできないから、手書きを避けたい。」 書家 黒野氏「それ、まだ未解決のテーマ。私もわからんから、カタカナのある詩は、漢字、平仮名の崩しを減らしてごまかしてる。」

と言う風なことを書いています(相当な意訳ですが…)。

筆記体がないカタカナは避けたい

言葉で説明してきましたが、多くの方は「どういうこと?」と思うでしょうから作例を探しました。

引用 東京書道教育会コラム『手書きのすすめ』西原寛子氏「快活に見舞ひて帰るエレベーターのしまる瞬時の夫の顔かな」

一般人からしたら「左右の漢字も平仮名もすごい達筆なのに、”エレベーター”どうした?」と思うでしょう。 書家 黒野氏も「漢字、平仮名の崩しを減らす」回避行動を取らないと(実は、西原様も意識している)、この作例のようにするしかないのです。 だから、塚本氏は「避けたい」、黒野氏は「書道業界の未解決課題」と指摘したのです。

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現代文の手書き表現の停滞

1993年の段階で日本の仮名書のトップが「カタカナの表現方法がない」と言っているのですが、誰も解決できないとわかると、出世目的の公募書展でこんな難題に取り組む人はいません。 難しそうな漢文や仮名を高い技術で表現できるのに、「実は、カタカナ交じりはあきません」なんて言えない。 そうなると、この問題を解決できるのは、現在の日展ー新聞社系列での寡占構造を打破してくるような人か、外部の”黒船”に期待するしか方法はないかもしれません。

【余談】話題のAIチャット「ChatGPT」にも質問してみた

今、話題のAIチャット「ChatGPT」に、今回の疑問をぶつけてみました。 すると「短い詩歌」という、それっぽい回答が含まれていました。 (それ以外は、あんまり参考になりません(笑))

俳句でカタカナの季語は明治29年「クリスマス」

種田 山頭火の生涯は、です。 つまり、明治~大正を生きた自由詩の有名人ってことです。

 

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