狭窄性腱鞘炎
きょうさくせいけんしょうえん狭窄性腱鞘炎別名ドケルバン病- トップ
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概要
狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)とは、手首から親指の付け根の周辺に生じる炎症のことを指します。
手首から親指の付け根には、複数の腱が通っています。このうち、短母指伸筋腱(たんぼししんきんけん)、長母指外転筋腱(ちょうぼしがいてんきんけん)と呼ばれる2つの腱は、手首の甲側・親指側に位置する腱鞘(けんしょう)を通っています。広げた手を甲側からみたとき、手首から親指の付け根にかけて浮かび上がる2本の筋が、この2つの腱です。
- 短母指伸筋腱:親指の第二関節を伸ばすために働く腱です。
- 長母指外転筋:親指を広げるために働く腱です。
- 腱鞘:腱鞘とは、鞘(さや)のような形をした組織です。腱を通すトンネルの役割を果たしています。短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が通っている腱鞘のことを、手背第一(しゅはいだいいち)コンパートメントと呼びます。
狭窄性腱鞘炎の原因は、親指の使いすぎにより、腱や腱鞘に負荷がかかることであるといわれています。特に妊娠・出産後の女性、更年期の女性に多い腱鞘炎として知られています。またPC作業など、指をよく使う仕事に就いている方や、スポーツ選手に多くみられます。
狭窄性腱鞘炎は、1985年に狭窄性腱鞘炎を報告したスイスの医師、フリッツ・ド・ケルヴァンの名前をとり、ドケルバン病、あるいはド・ケルヴァン腱鞘炎と呼ばれることもあります。
原因
親指の使いすぎにより、ストレスを受けた腱鞘が分厚くなり、腱の表面は傷みます。このような退行性変性により腱が通る腱鞘の口径(内径)は狭くなり、さらなる刺激を起こすという悪循環が生じます。
また手背第一コンパートメントの内部には、2つの腱を分けて通すための壁(隔壁)が存在しています。この隔壁があるために、狭窄(狭くなること)しやすいといわれています。
スポーツ活動が原因となる狭窄性腱鞘炎は、特に手首をよく使う競技(テニスなど)を行っている方に起こりやすいといわれています。また手首を使う楽器の演奏も原因のひとつとして挙げられます。
症状
狭窄性腱鞘炎の主な症状は以下のとおりです。
- 腱が走っている部分の痛み
- 腫れ
- 押したときの痛み(圧痛)
- 物を握ったとき、掴んだときなどに痛みが強くなる など
このほか、手指が開きにくくなり、ひっかかりを感じることもあります。
検査・診断
フィンケルシュタインテスト変法(岩原・野末テスト)ご自身でもできるテストです。 (1)親指を内に入れて握りこぶしをつくります。 (2)腱鞘の部分を伸ばすようなイメージで、手首を小指側へ90度倒します。 このテストにより痛みが増す場合、狭窄性腱鞘炎の可能性が疑われます。
フィンケルシュタインテスト医療機関では、医師が手を使って患者さんの手首を尺屈(小指方向へ曲げること)させ、痛みの有無を確認します。
治療
基本的には、保存的治療により症状の緩和を目指します。
保存的治療- 安静:患部を安静にします。このとき、手首の動きを制限するために装具を使用することがあります。また、湿布が処方される例もあります。
- 投薬:炎症を抑える目的で非ステロイド性抗炎症薬が処方されることがあります。
- 腱鞘内ステロイド注射:痛みや炎症が強い場合は、局所麻酔薬とステロイド薬の混合液を腱鞘内に注射します。
保存的治療では改善がみられないときや、再発を繰り返すときには手術を検討します。狭窄性腱鞘炎の手術では、鞘状になっている腱鞘を切離し、隔壁を切除することで腱を開放することが一般的です。これを腱鞘切除術といいます。通常、手術は局所麻酔下で行われます。
- 腱鞘炎の概要と治療法-ばね指とドケルバン病JR東京総合病院 整形外科 部長三浦 俊樹 先生
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