【食い違う証言】漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤 なぜ神経近くなってもスチールドリルを使い続けたのか 執刀医と助手の証言が一致せず“泥沼裁判”へ
国内 2026.03.07 15:58 NEWSポストセブン 【食い違う証言】漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤 なぜ神経近くなってもスチールドリルを使い続けたのか 執刀医と助手の証言が一致せず“泥沼裁判”へ タレコミする赤穂市民病院の医療事故に関する漫画を巡る訴訟で、モデルの医師を提訴し記者会見した漫画の作者の代理人弁護士(2025年3月11日、時事通信フォト)
写真一覧兵庫県の赤穂市民病院で手術中に患者の神経を誤って切断し、重い障害を負わせたとして業務上過失傷害に問われた赤穂市民病院の元医師・松井宏樹被告(47)の刑事裁判が神戸地裁姫路支部で続いている。2月18日は論告弁論が行なわれ、検察官は松井被告に禁錮1年6月を求刑した。この医療過誤については、インターネットにアップされた漫画『脳外科医 竹田くん』に詳しい。作者は被害患者の親族である。
罪状認否で「基本的に認めます」と、公訴事実をおおむね認めた松井被告は、最終意見陳述でも「心より謝罪申し上げます」と被害患者に対して謝罪の意志を示していたが、被告人質問では「ひとりだけ悪いとなるのはおかしいと思う」とも証言していた。【前後編の前編】
起訴状によれば松井被告は、赤穂市民病院の脳神経外科医だった2020年1月22日、当時74歳だった女性患者の執刀医として腰椎の一部を切削する手術をしたが、このときに止血を十分行なわず、目視が困難な状態でドリルを作動させ、神経を覆う硬膜をドリルに接触させて損傷し、さらにドリルで神経を巻き込んで切断。患者に膀胱直腸障害を伴う全治不明の神経損傷障害を負わせたとされる。
公判では手術時の動画が法廷壁面に設置された大型モニターに映し出された。患者は腰の骨が変形することで神経を圧迫する腰部脊柱管狭窄症を患っており、腰の骨の一部をドリルで削る手術を行なうこととなった。
執刀医は松井被告で、助手は脳神経外科長のA医師が務めることとなったが、A医師は「神経近くの骨を切削する模範を示すため」(検察側冒頭陳述より)に一部の模範手技を提案し、被告はこれに応じた。
A医師による切削では、スチールドリルのほか、神経に近くなるとダイヤモンドドリルという細かな作業に適したドリルを用い、都度レーザーメスで止血を行なうことで問題なく完遂した。被告に交代し、ドリルを使い分けながら切削するなか、ドリルの先が神経近くに及んでもスチールドリルを用いていた。A医師は、目視での把握のため止血を促すが、被告は止血を行なわずに切削を続けたことから、ドリルが硬膜に接触し事故に至ったという。