骨折から驚異の回復「どんなに苦しくても逃げない」6大会ぶり日本一へ東九州龍谷・忠願寺莉桜が「絶対エース」の誓い【春高バレー】:「おっ!」でつながる地元密着のスポーツ応援メディア 西スポWEB OTTO!
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2025.12.29 18:35(Updated:2026.01.03 10:45)
西口 憲一 / 論説委員
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年明けに東京体育館で行われるバレーボールの全日本高校選手権(春高バレー)の女子で、大分県代表の「東龍(とうりゅう)」こと東九州龍谷が2019年度大会以来の頂点を狙う。スローガンに「絶対全国制覇」を掲げる現チームは、夏の全国高校総体(インターハイ)で8強、秋の国民スポーツ大会(国スポ)は3位に終わった。一戦必勝を誓う今大会は来年1月5日の開幕日、1回戦で日本航空(山梨)と対戦する。
8強入りした前回大会でオポジット(セッター対角)の忠願寺莉桜(ちゅうがんじ・りおん)=2年=は1年生エースとしてコートに立った。左利きの特性を生かしたライト側からの攻撃を担う182センチの長身アタッカー。大分・稙田南中時代から年代別日本代表に選ばれるなど世代のトップを走り、脚光を浴びてきた。今夏の「2025女子U19(19歳以下)世界選手権大会」でも得点源となった。その一方で東龍では全国大会の決勝に進めず、心身ともに自らと向き合う日が増えた。
「自分は今まで『大舞台に強いんだ』と思い込んでいました。でも…」。忠願寺は一瞬考え込んだ後、明かした。「インターハイでは思い通りのプレーができず、これが『私の力なのかな』と(気持ちも)落ちてしまって…」。富士見(静岡)との準々決勝は0―2(18―25、22―25)でストレート負け。両サイドの位置取りを含めたブロックとレシーブの連係にほころびが生じ、立て直せないまま敗れた。
チーム全体で露呈したディフェンスの甘さが敗因の一つながら、結果的に勝利へ導けなかったことに責任感を感じていた忠願寺をアクシデントが襲った。国スポ後の10月末に右腰の疲労骨折が判明。「けがは…腹筋や体幹に弱いところがあったからで、スパイクの打ち方も良くなかったと思います」。春高の大分県予選は、テーピングを施して大分商との決勝(11月2日)のみ強行出場した。その後は治療に専念したため、1カ月間はボール練習が全くできなかった。
初めての長期離脱で不安を抱える中、骨折発覚から1カ月後のCT検査で春高への光が差し込んだ。「完治まで3カ月と言われていた骨がくっついていたんです。上半身中心のトレーニングをずっとやってきたので、今では100%近くまで(状態が)戻りました」。12月に入り、全体練習への復帰を果たした。
チームから一時離れたことで、忠願寺はあらためて己の心技体を見つめ直したという。
「試合でどう切り替えるのかが課題でした。でも、気付きもありました。私がやるべきことをやれば勝てる。できなかったら負ける。あらためて、チームの勝ち負けに関わっているんだと。だからこそ、どんなに苦しくても逃げずに、周りを信じてやりきらないと」
キャプテンでアウトサイドヒッターの藤﨑愛梨(3年)は、頼もしさを増した忠願寺に信頼を寄せる。
「(監督の)竹内(誠二)先生にもよく言われるんですが、片方がレシーブで狙われたら、もう片方が打って決めようと。大事なのはお互いを補い、助け合う気持ちです。りおん(忠願寺)は中学時代から国際大会でプレーしていますし、誰よりも勝ちにこだわっている。国スポでの3位決定戦の前も『最後まで全力で力を出し切って、勝って(大会を)終わろう』とお互いに口にして、勝ちきりました」
春高に向けて意気込む忠願寺莉桜(右)と吉村はぐみ 東九州龍谷高を引っ張るキャプテンの藤﨑愛梨(2)と2年生エースの忠願寺莉桜(1)1点の差が「勝者」と「敗者」を分ける。その1点の重みを、新チームを立ち上げてからずっと口にし続けてきた藤﨑の姿を、忠願寺は忘れない。身長166センチの決して大きくない体でアタック、レシーブ、サーブのあらゆるプレーで引っ張るオールラウンダーは部員24人をコート内外で束ねる大黒柱だからだ。
春高へ向けての追い込みに入った12月末。対戦相手をイメージした実戦練習で、忠願寺は藤﨑とともに随所で決定力を発揮していた。ストレート、クロス、ブロックアウト、フェイント、バックアタック…セッターの吉村はぐみ(2年)が上げるトスを、あうんの呼吸で高い打点から何度も打ち抜いていた。
「昨年までとは違う私、成長した私の姿を全国の人たちに見てもらいたい。それが今の目指しているところです。変わったな、と思っていただけるように」
緊張と興奮がない交ぜになった大会前独特の高揚感に17歳の胸は占められている。最高の喜びを勝ち取る初春のコートが「絶対エース」を待っている。(西口憲一)
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西口 憲一
論説委員
立命館大学パンサーズでアメリカンフットボールと出会い、「人の心を動かし、心に残るような記事を書きたい」とスポーツ記者を志しました。 1993年西日本新聞社入社。 運動部からスタートし、以来、福岡→大分→福岡→東京→福岡→東京→福岡。 主にプロ野球(ダイエー、ソフトバンク、西武)やソフトボールを取材。1999年ダイエー初優勝、2008年北京と2021年東京の両五輪でのソフトボール金メダル獲得に心が震えました。 現在はバレーボールSVリーグ女子のSAGA久光スプリングスの記事も書いています。福岡市出身。
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