繁の野球子屋
科学する野球 11
―村上 豊 講習会―
*1994年5月、講習会の全ての文言を掲載
【上半身と下半身のケンカ】
「腰を切る」とは?
下半身(足)を内捻した時には上半身は外捻させる。下半身(足)は内捻させて内側へ回す。
要するに上半身はこっちの方向にいこうとするけれど、下半身は回させまいとしてこっちの方(上半身と逆の方向)にいくわけで、こうして上半身と下半身を「ケンカ」させるわけです。
ここで上半身と下半身が反対の動きをするからジョイントがガチンと止まります。このガチンと止まったところが「腰」なんです。腰のところで足と上体が切れたから、この状態で初めて「腰を切る」という状態ができるわけです。
「腰を切る」とは足と上体との捻りの向きを反対にして、ケンカさせてそこで止まったところ、これを「腰を切った状態」といいます。そういう言葉を覚えて下さい。
「腰を切りなさい」とか「腰の切れが悪い」とか、テレビの解説者が言っていますが、彼らは何も分かってないんです。「腰を切る」と言うことはどういうことかというと、ケンカさせて上体と足がガッチリと止まった(ユニバーサル・ジョイントという)この状態を「腰が切れた」というわけです。
先程、ツマ先の方向に膝が折れ曲がるようになると良くないんだと言うことを言いましたが、これだと要するに「捻る」ことができなくなる、ということなんです。分かりますか。
【所 感】
上半身と下半身は常に反対の動きをしなければいけない。つまりは「ケンカ状態」を作ることです。これが投げる動作、打つ動作において力を生むための大原則である。
野球動作で力を生むというのは、つまりは速いボールを投げる、遠くに飛ばすことである。そのカギを握っているのは「腰」である。腰を中心として上半身と下半身が同じ方 向を向いたのでは、大きな力は発揮されない。
「腰を切る」これをきちんと説明できる指導者でありたい。
2025.12.5
By 佐藤 繁信
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