【基礎工事】山留工事の施工計画作成手順を解説!
今回は山留工事の基本的な知識と、工事を行うための施工計画の手順を確認していきます。
山留はその名のとおり山を留めるために行う工事です、山(地山)や土は自然によってつくられたもので、場所毎にバラつきが大きいといった特徴があります。
工事を行う敷地に適した計画を行い、安全に施工管理をしていきましょう!
この記事で分かること
1.山留め工事の目的
2.山留め工事計画の作成までの手順
3.山留工事の施工管理の計画
順番に確認していきましょう!
スポンサーリンク 目次- 山留工事の施工時期は?
- 山留め工事の目的
- 山留め工事計画の作成までの手順
- 調査
- 工事条件の設定
- 根切り・山留め工法の選定
- 根切り底の安定を検討
- 山留め壁および支保工の応力・変形の計算
- 工事周辺への影響を検討
- 工事の施工計画を作成
- 山留工事の施工管理の計画
- 山留め計画の確認
- 施工計画書の作成
- 山留工事の工事計画手順を確認:まとめ
山留工事の施工時期は?
山留工事の施工時期は、準備工事後で杭などの地業工事を前に行われることが多いです。
工程表上ではオレンジ色の部分です↓
山留め工事の目的
山留工事の目的は、地下構造物を構築するための空間を地中に確保することです。
山留めに求める性能は- 工事中の安全が確保されること
- 周辺地盤や構造物に障害をおよぼさないこと
- 施工がしやすく、費用をおさえること
山留め壁や支保工は(一部をのぞき)地下工事を行うために設置する仮設物です。
必要な性能を適切なコストで施工するための準備をしてきましょう!
山留め工事計画の作成までの手順
フローを確認- 調査
- 工事条件の設定
- 根切・山留め工法の選定
- 根切り底の安定を検討
- 山留め壁および支保工の応力・変形の計算
- 工事周辺への影響を検討
- 工事の施工計画を作成
4~6でNGとなる場合には工法の選定に戻り、再度各項目の検討を行います。
調査設計図書や現地を確認し、調査を行います。
根切り・山留めの目的は地下工事のための空間を確保することです、地下構造物の配置や寸法を設計図書から読み取り、根切りの平面形状や深さを確認しましょう。
設計図上では地盤の情報は土質柱状図に記載されています。
事前の調査が不十分なまま計画した場合のリスク山留め壁の崩壊・倒壊する工事上の災害や、公共の道路や電力・上下水道・ガスなどの構造物との距離や沈下量について破損させる恐れがあります。
工事敷地周囲で井戸をされている方がいる場合には、工事によって地下水の変動による地盤沈下や井戸枯れを起こすことがあります、十分に検討して計画を作成しましょう。
対策としては、工事を行うために汲み上げた地下水を戻してあげることです。工事エリアから少し離れた場所に孔をあけて、そこへ戻してあげることで周囲の地下水位低下を防止することが出来ます。
工事条件の設定調査で得た情報をもとに工事条件を設定します。
- 敷地条件
- 障害物
- 近接構造物
- 周辺道路
- 地盤状況
山留め壁の仕様は地盤条件によって選定されます。
土質・地下水位・敷地に対しての必要な掘削範囲(境界までの距離)が大きく影響します。
山留め壁にかかる力は地盤によって変形の仕方が異なるので、計画→計算→OKかNGかを繰り返して設計時に十分信頼できる結果が得られることが選定の条件となります。
深さがこれくらい、広さがこれくらいだから、この工法を使用しましょうとはならないのですね。
また、地下水位が高い場合には、山留め工法選定時に排水や排出方法も一緒に検討する必要があります。
泥水を工事敷地から直接側溝などに流すことはNGです!ノッチタンクや沈砂池を設置して、砂などを取り除いてから排出するように計画しましょう。
根切り底の安定を検討ここで、掘削したことで根切り底で起こる不具合がどんな現象なのか確認しましょう。
よく聞く現象を紹介します、これらは資格試験でも常連ですね。
- ヒービング
- ボイリング
- 盤ぶくれ
ヒービングは軟弱な粘性土で発生します。
山留の根入れが不足していた場合に、山留の裏側の土が下から回り込んでしまい根切り底が盛り上がる現象です。
ヒービング対策- 山留め壁の根入れを深くする
- 根切り底から更に深い部分を地盤改良によって強固にする
- 山留め周囲をすき取り、山留の内外の重量差を小さくする
ボイリングは地下水のある砂地盤で発生することがあります。
山留の根入れが不足していた場合に、山留の裏側からの水圧が下から回り込んでしまい、水と砂が値切り底から噴き出てくる現象です。
ボイリング対策- 山留め壁の根入れ長さを深くする
- 地下水位を排水して下げる
盤ぶくれは、根切り底付近が難透水層で、値切り底より深くに被圧帯水層がある場合発生することがあります。
難透水層の重量より下からの水圧が強い場合に、底面が押し上げられる現象です。
盤ぶくれ対策- 地下水位を下げることで予防
- 値切り底周辺を地盤改良して地下水を遮断
- 側圧(土圧・水圧)の算定
- 設計条件の設定
- 土圧
- 水圧
- 上載荷重
- 近接建物による荷重
- 切梁の温度収縮による応力
山留め壁に作用する力を確認し、「建築基礎構造設計指針・同解説」による側圧計算式や、ランキン・レザール式による側圧計算式などで算出します。
設計条件の設定山留を設計するときに求められる性能と、必要な条件を確認します。
山留め壁の安全性- 応力(曲げ、せん断力、軸力)
- 変形(許容変形量)
- 支持力、沈下
- 応力(曲げ、せん断力、軸力)
- 変形(許容変形量)
- 引き抜けないか(地盤の摩擦抵抗)
- 引張材(許容引張応力度、注入剤の付着強度)
- 変形(許容変形量)
- 根切り底面の安定(ヒービング、ボイリング、盤ぶくれ)
- 周辺地盤・構造物の安定(滑り、沈下、移動)
計画した内容で工事敷地周辺に影響が及ばないことを確認します。
地下水位を下げる計画をした場合には、周辺の井戸枯れが起きないか確認を行います。
工事の施工計画を作成設定した工法で工事計画を作成します。
施工機械の作業範囲に障害がないか、親杭の根固め方法は適切か、設定した山留壁や支保工などが後工程に影響はないことがポイントとなります。
スポンサーリンク山留工事の施工管理の計画
山留工事の施工管理方法や準備の仕方を確認していきます。
山留め計画の確認作業所で山留めを計画する場合や、協力業者さんに依頼して計算する場合などさまざまですが、まずは設計図・山留め壁の構造と計算書の確認を行います。
特に注意するポイントは山留め壁の変位量です、山留壁の変位量は地盤の沈下量と関係します。
山留め位置が敷地境界からどの程度離れているのか、移動式の重機を使用する場合にはどの程度変位が起こるのかしっかり確認しておきましょう。
施工計画書の作成施工計画や管理計画は、施工計画書にまとめます。
施工計画書に記載する内容- 総則
- 工事概要
- 品質管理工程
- 検査記録書
- 施工要領書
施工計画書のテンプレートは、自社で設定されたものを使用してください。
山留のテンプレートがかなり古い場合や、さまざまに改造されて基本の形が分からなくってしまっている場合には。
一般社団法人日本建設業連合会のHPにひな形が掲載されています、公共建築工事標準仕様書(平成28年度版)に準じた内容に改定されています、山留工事以外の工事のひな形もあるので利用してみて下さい。
総則- この計画書がどの物件の何の工事に適用するか
- どんな仕様書・設計図に基づいて施工するか
- 質疑や変更方法
- 施工要領書の作成や周知についての記載
- 工事名称
- 場所
- 発注者・設計者・監理者・施工者
- 工期
- 敷地の情報(用途地域や敷地面積、その他の指定)
- 建屋の情報(用途や面積、規模、高さなど)
- 工事期間
- 山留の壁の仕様
- 山留支保工の仕様
- (使用する場合には構台の仕様)
- 排水方法
- 各種の計測方法(山留め壁の変位・切梁の軸力・周辺の沈下・地下水位)
- 土質柱状図(山留め壁の情報を追記しておく)
- 施工管理体制
- 作業所の体制
- 会社側のバックアップ体制
- 土工事業者
- 山留め工事業者
- 排水工事業者
- クレーン業者
- それぞれの会社名・現場代理人や作業主任者・必要な資格等を記載します
- 工事工程表
- 管理する項目
- 管理基準
- 検査の内容・使用する機器
- 作業分担
施工要領書は、各協力業者にて作成する
- 使用材料
- 使用重機
- 運搬方法
- 採用した工法
- 施工フロー
- 自主検査
- 安全管理体制
- 火気使用基準・チェックシート
- 資格証の写し
- カタログ類
山留工事の工事計画手順を確認:まとめ
今回は山留工事の工事計画手順を確認しました。
山留工事の目的は、地下構造物を構築するための空間を地中に確保することです。
山留め壁は仮設物であることから、安全性と経済性を考えて計画する必要があります。
掘削する地盤の特性を事前に調査し、きちんとした山留構造でしっかりとした管理体制のもと施工してください!
今回は以上です、ではまた!