強盗被害に遭ったイチロー氏が8月に帰国を取りやめて日本滞在を続けた理由
球界ここだけの話(3904)強盗被害に遭ったイチロー氏が8月に帰国を取りやめて日本滞在を続けた理由2025/9/18 12:00元の記事を見る- スポーツ
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高校野球は来春から、プロ野球セ・リーグでは2027年シーズンから指名打者(DH)制が採用される。そんな時代の潮流に乗る気配がないのが、日米通算4367安打を記録したイチロー氏(51)=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=だ。
「この試合において、彼女たちは僕と対戦するモチベーションが大きいと思うので、マウンドから絶対に降りられない。僕は(打撃も含め)全部やる、と決めている。女子野球のレベルがどれだけ上がってきているのか、はたまた停滞しているのか、計る大事な要素でもある」
今年で5回目を終えたイチロー氏率いる「KOBE CHIBEN」と「高校野球女子選抜」との対戦。同氏は2021年の初対戦から147球、131球、116球、141球、111球で全て完投勝利。計646球を一人で投げ抜いてきた。
ただ、今年は本番約2週間前の8月14日の練習試合で右肩痛が〝再発〟した。21年の高校野球女子選抜との試合後に右肩を痛め、当時は携帯を手に取るだけでも痛みが走り、「米国で精密検査を受けると、『手術だね』と言われると思いました」。今回も同様で「今年は〝マウンドに立てないかも〟と絶望した」と振り返った。その中、自宅のある米国シアトルに戻る予定を取りやめ、日本滞在で治療を続けて、何とか間に合った。2月にシアトル宅が強盗被害に遭い、愛妻のいる留守宅の心配が尽きない中でも治療を最優先。まさに矜持(きょうじ)、そして女子高生に対する〝敬意〟の選択だった。
今年8月2日に甲子園球場で行われた全国高校女子硬式野球選手権大会決勝・福知山成美(京都)-岐阜第一の観衆は4300人超。イチロー選抜との試合は今年も2万1000人超で、この試合に出るために野球を続けている、そして始めた女子高生は多い。
イチロー氏と女子高生の熱に背中を押されるかのように、今年出場した松井秀喜氏はニューヨークの自宅のガレージで打撃練習、松坂大輔氏は知人がオーナーを務める中学生のシニアチームに入部して左翼の守備練習、松井稼頭央氏は6月の「KOBE CHIBEN」の練習に参加した。
イチロー氏は「おじさんたちはもうボロボロです」と言いながらも、「いずれできなくなる日が来るんですけど、気持ち的には一生続けたい」-。おじさんが必死になる姿は悪くない。(東山貴実)