大の里が背後取られながら逆転で勝ち越し 絶体絶命も「コマ送りに見えた」と語った白鵬の領域へ
大の里が背後取られながら逆転で勝ち越し 絶体絶命も「コマ送りに見えた」と語った白鵬の領域へ

大の里が背後取られながら逆転で勝ち越し 絶体絶命も「コマ送りに見えた」と語った白鵬の領域へ

若元春(右)を攻める大の里(撮影・鈴木正人)
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<大相撲秋場所>◇9日目◇22日◇東京・両国国技館

横綱大の里(25=二所ノ関)が、歴代最多45度優勝の元横綱白鵬をほうふつとさせる白星で、1敗を守って勝ち越しを決めた。前頭若元春に、もろ手突きの立ち合いの直後、二の矢で伸ばした左を、相手に横からいなされた。バランスを崩して前のめりになると、すかさず相手に背後を取られた。ところが、すぐに向き直り、けんか四つの相手にスパッと右を差す抜群のセンスを見せた。こうなると、圧力に勝る大の里の形。重機のように、根こそぎ相手を寄り立て、土俵際で苦し紛れの相手のうっちゃりにも、体を預けて寄り倒した。

取組後は「下半身が伸びていなかったのでよかった。背を向けた瞬間は『危ない』と思ったけど、どっしりと構えられていた。土俵際も、うっちゃりにこらえられた。立ち合い以外はよかった」と、落ち着いた口調で振り返った。瞬時の対応、修正力に、自ら合格点をつけていた。

絶体絶命の体勢からの逆転は、すでに白鵬の境地に達したかのようだった。白鵬はかつて、全勝優勝した平成最後の場所、19年春場所の8日目栃煌山戦、10日目玉鷲戦で、土俵際で背後を取られる、絶体絶命の状況から奇跡的な逆転を果たした。その取組を振り返り「人間は危ない時、集中している時に走馬灯のように感じる。映像で見返すと動きは速いけど、コマ送りのようにゆっくり見えた」と語っていたことがあった。この日、大の里が見せた危機からの回避、その後、攻勢に転じる流れるような動きは、大横綱と重なって見えるほどだった。

攻勢に転じて寄り立てた場面も、大の里は「ここ数日、挟みつけるのが、さえている。腰を割って寄りました」と、納得の様子だった。四股、すり足などの基礎を重視し、基本に忠実な隙のない攻めも、大横綱の風格が漂う。

4日目に前頭伯桜鵬に敗れたが「前半戦の負けから、うまく立て直せている。(全勝の横綱豊昇龍を)追う展開なので、考え過ぎず、転がってくるものだと思っている。チャンスは。目の前の一番に集中したい」と、焦る様子をまるで見せずに話した。大ピンチから一転、終わって見れば盤石の白星。また1歩、大の里が大横綱への階段を上った。【高田文太】

▽八角理事長(元横綱北勝海) 豊昇龍はぎりぎりだった。引かずにおっつけて、押し返そうとしたから調子がいいのだろう。大の里は右が入ってよかった。ああなったら前へ出ることが大事。(1敗の)正代は動きがいい。

全取組結果

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