探査機パーサヴィランスの新たな挑戦。火星の地をAIと走る
探査機パーサヴィランスの新たな挑戦。火星の地をAIと走る- 2026.02.05 21:30
- GAYOUNG LEE - Gizmodo US
- [原文]
- ( そうこ )
2020年打ち上げ、2021年に火星の地に降り立ったNASAの探査機パーサヴィアランス。火星をあっちにこっちにと走り、人類のためにいろいろなデータを収集しています。5周年を迎えたパーサヴィアランスが新たなミッションに挑戦。AIとタッグを組んでみました。
2度のテストに成功
パーサヴィアランスの火星走行のバディを務めたのは、Anthropicが開発する生成AIモデルClaude。運転の相棒として、パーサヴィアランスが通る道の計画、通るべき「点」を設定しました。計画には、人間のエンジニアが使用するのと同じデータセットを使用。
実際の走行テストはすでに2回実施済み。火星ミッションの1707日目に210m、1709日目に246mを走りました。
NASAのJared Isaacman氏は、NASAジェット推進研究所(JPL)のプレスリリースにて「慎重かつ責任をもって、チームが新たな技術を実際の運用に取り入れている素晴らしい例になった」と、技術的進化と今後の惑星探査の可能性の広がりを語りました。
Video: JPLraw / YouTubeAI活用で計画にかかる時間が大幅短縮
火星でパーサヴィアランスを走らせるのと、地球で車を運転する最大の違いは…、コミュニケーションのラグ。
火星は地球からはるか遠いところ(2億2500万キロ先)にあるので、その物理的距離で地球からの運転操作指示と火星のパーサヴィアランスの間にコミュニケーションの遅れが生じるのは当然のこと。障害物・危険箇所検知の連絡が間に合わず、パーサヴィアランスが避けられない状況が発生する可能性があります。
現に、火星探査気の先輩であるスピリットは、車輪が砂に埋まり、身動きがとれなくなて活動を終了しました。
これを避けるため、チームは火星表面の撮影画像を可能な限り研究し、砂地や大きな岩場をなるべく避けた通行計画を作ります。当然、多くの時間と労力を要する作業となります。そこで白羽の矢が立ったのが、昨今盛り上がりまくっているAI。解析はAIの解く作業の1つですからね。
JPLのエンジニアは、Claudeにパーサヴィアランスの運用方法データを提供。これを使ってコマンドを生成。次にこのコマンドを、50万を超える変数検証を行なうシミュレーションで精度チェック。結果、JPLエンジニアも驚くほど、Claudeのコマンドには問題が見当たりませんでした。多少の調整は必要だったものの、あくまでも多少の調整レベル。その後、AIが作った計画をパーサヴィアランスに送り、12月に実験走行を実施。見事成功!
Anthropicいわく、ルート計画に要する時間がAIを活用することで半分に短縮できるといいます。今回は短距離走行だったものの、近い将来長距離走行プランをClaudeが担当することもあるかもしれません。
Source: NASA, Anthropic