香淳皇后実録、激動の生涯を叙述 皇族の事跡記す貴重な歴史的史料 「ご聖断」の経緯も
香淳皇后実録、激動の生涯を叙述 皇族の事跡記す貴重な歴史的史料 「ご聖断」の経緯も2025/9/19 21:28- ライフ
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昭和天皇の后(きさき)、香淳皇后の生涯を記した「香淳皇后実録」を編纂(へんさん)していた宮内庁は19日、実録が完成したと発表した。実録は、天皇や皇族の事跡を後世に伝える重要な記録とされる。平成26年に完成した「昭和天皇実録」では、事実として確認された言動や側近らの謁見日時が時系列で示され諸説あった終戦の「ご聖断」の経緯が明らかにされた。香淳皇后実録も昭和天皇の后として国民に寄り添い、「国母」と慕われた生涯を記した貴重な歴史的史料となる。
インターネットでも公開へ
宮内庁は20年度に香淳皇后実録の編纂に着手した。誕生から昭和天皇との結婚、上皇さまの出産などの歩みをたどった。基礎資料収集から校閲、製本を終えるまで約17年を要し、費用は人件費を除き約5590万円だった。
基となる資料の総数は未公開のものを含め約1500件に及んだ。元側近の日記や官公庁の公文書、新聞記事、関係先の内部記録など膨大な資料を調べ、近くで仕えた職員ら30人から聞き取りも行った。
過去の実録では、大正天皇実録が平成14年以降に順次公開されたが、個人情報などを理由に黒塗りの部分もあった。香淳皇后実録は黒塗りをしなかった昭和天皇実録にならい、初めてインターネットでも公開する。宮内庁幹部は「多くの国民が実像に触れる機会になるように取り組んだ」と話す。
皇后実録として最多の分量
実録の原型は奈良時代から平安時代に、天皇の動静を中心に編纂された「日本書紀」などの「国史」にあるとされる。
明治時代以降に編纂は活発化し、明治維新直前に在位した孝明天皇の事跡が「孝明天皇紀」として編纂され、「明治天皇紀」が続いた。さらに大正天皇実録、昭和天皇実録が完成した。「実録」と「紀」に本質的違いはなく、各時代の編纂方針や事情などによるという。
歴代天皇に加え、これまで明治天皇の后だった昭憲皇太后、大正天皇の后だった貞明皇后の実録も編纂されている。香淳皇后実録は、既に編纂された2つの皇后実録に比べ時代が新しいことから資料も多く、皇后実録としては過去最多の約264万字の分量となった。
実録は基本的に、出来事を時系列に並べた「編年体」で記される。香淳皇后実録は、文体が初めて口語体で記された昭和天皇実録にならい、引用など一部を除いて口語体でつづられている。(中村昌史)
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