飲食店で『品切れ商品』が続出→客「一体、何ならあるんだ!」と激怒しはじめ…その後、店頭が取った“プロの行動”とは?
飲食店で『品切れ商品』が続出→客「一体、何ならあるんだ!」と激怒しはじめ…その後、店頭が取った“プロの行動”とは?- 2026.1.27
飲食店を経営していると、予期せぬトラブルやミスは付きものです。しかし、その「ミス」が起きた瞬間の対応次第で、お店の評価が180度変わることをご存知でしょうか。
今回は、当店(飲食店)が入っているパチンコ店の「新台入れ替え日」という「戦場」のような現場で起きた、あるクレーム対応のエピソードをご紹介します。
お客様の怒りを笑顔に変えるために、店長として何を考え、どう動いたのか。現場のリアルな空気感と共にお届けします。
開店数時間で品切れ続出…招いてしまった「異常事態」
その日は、当店(飲食店)が入っているパチンコ店の「新台入れ替え日」でした。朝からホールは満員御礼。当店も開店と同時にお客様が押し寄せ、厨房はまさに戦場と化していました。
パチンコを楽しまれているお客様には、ある共通点があります。それは「一分一秒でも早く食べて、自分の台に戻りたい」ということ。そのため、提供スピードの早い麺類やカレーに注文が殺到します。想定以上の客数に、ピークを過ぎた14時頃には食材の補充が追いつかず、主要メニューのほとんどが「品切れ」という異常事態に陥っていました。
そんな中、ある男性のお客様が来店されました。休憩時間の終わりが迫っている様子です。
「これ。……あ、これもダメか。じゃあ、これならあるの?」
対応したスタッフが申し訳なさそうに「すみません、そちらも売り切れで……」と繰り返した瞬間、ついに男性の堪忍袋の緒が切れました。
「一体、何ならあるんだ!やる気があるのか!」店内に響き渡る怒鳴り声。レジ担当のパートスタッフは恐怖で体が固まり、現場には一瞬で凍り付くような緊張感が走りました。
しかし、これは理不尽なクレームではありません。貴重な休憩時間を使い、食事を求めて来てくださったお客様に対して、飲食店としてのあるまじき失態です。
「在庫」ではなく「技術」で売る
私はすぐに厨房を飛び出し、お客様と対峙しました。
この時、私が瞬時に判断したのは「単なる謝罪では、お客様の失われた時間は戻らない」ということです。お客様は「お腹が空いている」上に、「店の不手際で時間を浪費させられた」のです。ここで必要なのは、「すみません」の連呼ではなく、プロとして提供できる「解決策(食事)」です。
私は男性の目を見て、誠心誠意お伝えしました。
「お客様、大変申し訳ございません。当店の見込みの甘さで、すぐに出せるメニューを切らしてしまいました。ですが……少しお時間をいただけるのであれば、今ある食材を使って私が責任を持って『特製ちゃんぽん』か『焼きそば』を全力でお作りいたします」
これにより、お客様の意識は「品切れへの怒り」から「店長が作る料理への期待」へとシフトしました。男性は「……おう、じゃあちゃんぽんで頼むわ」と、矛を収めてくれました。
お詫びの気持ちを「行動」で示す
さらに、提供時にもう一工夫を加えました。通常はセルフサービスのお店ですが、あえて私がテーブルまで料理を運び、体を少し寄せて小声でお伝えしました。
「お待たせしたお詫びに、具材を少し多めにしておきました。」
これは単なる「サービス」ではなく、「こちらのミスで不快な思いをさせてしまったことへの、精一杯の償い」でした。
これは「あなたを大切に思っています」というメッセージを可視化するための、プロとしての仕掛けでした。
食事を終えたお客様は、食器を返却口に持ってきた際、私を見つけて声をかけてくださいました。「店長、ありがとう。美味かったよ」 その言葉に救われた思いがしましたが、同時にプロとして冷や汗が止まらない瞬間でもありました。
クレーム対応の本質は「責任を取る姿勢」
現場ではどうしても防げないトラブルも起きます。
その時、マニュアル通りに「ありません」と切り捨てるのか、それとも「今の自分にできる最大限の代案」を提示して責任を全うするのか。 その覚悟の差が、トラブルを「致命傷」にするか、「信頼」に変えるかの分かれ道になるかもしれません。
もしもの時は、ぜひ「マニュアルの一歩先」にある、あなたのプロとしての誠意を提案してみてください。
※本記事は、筆者が過去に勤務していた店舗での実体験です。
ライター:Komimi 現場を知り尽くした「飲食のプロ」
私はこれまで、現場の最前線で数々の店舗運営・プロデュースに携わってきました。パチンコ店併設カフェの店舗開発では、年間3~5店舗の新規立ち上げを日本各地で展開。その後、70席規模の焼き鳥チェーン店にて店長や地域リーダーを歴任し、FC店長への技術指導も担当しました。さらに、150席(宴会最大100名)を誇るホテル内大型和食居酒屋の店長として、大規模運営の舵取りを行ってきた経歴を持ちます。現在はこれらの豊富な実体験を活かし、現場の熱量やリアルな課題解決を言語化するライターとして活動中です。経営者・店長・スタッフ、それぞれの視点に立った「本当に役立つ情報」をお届けします。
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