エリオット波動の「波の個性」【優先的なカウントが見つかる!】
エリオット波動のガイドラインのひとつに「波の個性(Wave Personality)」というものがあります。 エリオット波動サイクルの各波動には、トレーダーの群集心理が反映される個別の特徴があるというものです。 推進波の1波動目~5波動目、そして修正波のA~C波動目の「波の個性」は、いつもそのような動きになるというものではありませんが、相対的には見るとガイドラインが指し示すような動きによくなります。 エリオット波動を使って相場を分析していると、「波動のカウントに迷った!」、「いくつかのカウント候補の中で優先順位を付けたいなぁ」などというときがあると思います。 「波の個性」は、このようなときに特にその威力を発揮してくれます。 また、「波の個性」を理解することは、実際のトレードでのエントリーや利益確定を適切なタイミングで行うことにも繋がっていきます。 これからエリオット波動を始めてみようと思われている方は、「波の個性」を意識しながら相場の波を数えられてみてはいかがでしょうか。 きっと、より正確にエリオット波動の波が数えられるようになると思いますよ。「波の個性」とその使い方
市場心理が反映された自然の法則 相場の分析手法で世界的に高い評価を受けているエリオット波動。しかし、日本では、「そんなの信じられないよ」という人も多いようです。 たしかに、為替市場では、そのときに市場をリードしている通貨の影響を受けてしまうため、エリオット波動理論の動きが見え難くなることはあります。 しかし、相場は紛れもなくエリオット波動サイクルを繰り返しながらトレンド方向に進んでいます(たとえば、ドル円為替相場2011年からの上昇衝撃波も驚くほど正確に波動の行く先を教えてくれました)。 それでは、なぜ相場はエリオット波動理論に基づいた動きとなるのでしょうか? 「エリオット波動がトレーダーに意識されているから」と考える人もいるようです。 たしかに、世界的には「エリオット波動を使う人=波動使い」が増え、なかり意識されてきているということもあるかとは思いますが、そのことが大きな理由ではないようです。 なぜなら、エリオット波動の生みの親のR.N.エリオット(1871~1948)が「波動原理 The Wave Principle」を発表したのは1938年で、彼はそれ以前の米国株式市場75年間のデーターからその法則を見つけ出しているからです。 現在では、一般的に「エリオット波動の動きは市場心理が反映された自然の法則である」と考えられています。 もしそうであるならば、エリオット波動は「フィボナッチ」と同じく、いつの時代でも、またどんな相場でも使える普遍的なものであると言えそうです。 段階を問わず表れる波の個性 エリオット波動理論では、5波+3波=8波が1つのサイクルです。※5つの波は推進波 (Motive Waves)、3つの波又はその変形を修正波(Corrective Waves)といいます そして、このサイクルが繰り返されることにより、ひと回り大きな段階のエリオット波動サイクルが作り出されます。 このサイクルは無限に続きます。その結果、どれだけ上にいっても、また、どれだけ下にいっても同じような8波1サイクルが現れてくることになります(これをフラクタル構造という)。 つまり、相場には段階があり、各段階の波はそれぞれエリオット波動サイクルを刻みながら同時並行で進んでいるというわけです。 ここでポイントとなるのは、エリオット波動のガイドラインである波の個性は、ある特定の段階だけというわけではなく、どの段階のエリオット波動サイクルにも同じように表れてくるというところです。 言い換えれば、月足チャートであれ、日足チャートであれ、そして分足チャートであれ、その段階のサイクルには同じような波の個性が表れるということです。 では、この波の個性はどのように使えばいいのでしょうか。 ※エリオット波動のサイクルについては「エリオット波動サイクルで読み解く相場の現在地とトレンド」をご覧ください 波の個性で見つける優先なカウント 「カウントのコツは何ですか?」というご質問を頂くことがあります。 そのような場合、「優先順位を付けながら、可能性のある展開をできるだけイメージしておく」ということをお勧めしています。 このようにイメージすることにより、「あれ?」というようなときでも、うまく対応できるようになってきます。 では、どうやって優先順位を付けるか? このようなときに使うのがガイドラインです。チャネリング、オルターネーション、波の均等性、比率などは、優先的なカウント(Preferred Count)を見つける手助けをしてくれます。 波の個性もそのひとつです。 エリオット波動サイクルの道のりはひとつではないので、その途中では、波動理論のルールに照らしたとしても、可能性のある展開が複数イメージできてしまうようなケースも出てきます。 たとえば、衝撃波の5波動目が終了したのかどうか迷ってしまう局面があります。 そのような時に波の個性を使えば、「ここで5波動目が終わったとしてもおかしくないけど、3波動目がそれほど大きくないなぁ 5波動目がエクステンションしてくる可能性が高いぞ!」などと描いているイメージに優先順位を付けることができるようになります。 この他にも、同じような値幅の波が続く衝撃波(推進波)が現れた場合、どこがエクステンションしてきているのか判断に迷ってしまいます。 このような時も「ここは横這いのトライアングルが現れているから修正4波動目だ! ということは、3波動目がエクステンションしてきている可能性が高いぞ!」というように、波の個性を使えば優先的なカウントを見つけられることがよくあります。 描いているイメージに優先順位を付けたい時、また、カウントに迷ってしまったような時は、エリオット波動のガイドラインを使ってみてください。相場の現在地を知る手掛かりとなると思います。推進波における「波の個性」
エリオット波動理論の8波1サイクルにおいて、5つの波の推進波と3つの波(又はその変形)の修正波では、波の個性は異なります。 まずは、推進波の波の個性から。 推進波には2つの種類がありますが、相場ではその多くが衝撃波(Impulse Waves)のフォーメーションで現れてきます(もうひつとはダイアゴナルトライアングル)。 そして、この衝撃波も、延長波を内包(エクステンション)する波動の違いによって、さらに3つの種類に分けられます。 推進波の「波の個性」は、これらの種類の違いによって異なりますが、ここからは推進波の主役である衝撃波をもとにして話を進めていきたいと思います(相場で一番よく現れる3波延長型を中心に)。 ※推進波の種類については、「エリオット波動の推進波 その種類と特徴のまとめ」をご覧ください 足掛かりとなる1波動目 まずは、推進波トレンドである衝撃波の1波動目。 波の個性として、以下のようなものがあります。- 新しいトレンドの足掛かりとなる波動である
- 1波動目のフォーメーションは推進波で展開され建設的である
- しかし、ほとんどの投資家はトレンド転換していることに気付いていない
- トレンドが変わる付近ではRSIのダイバージェンスが現れていることがある
- 1波動目の推進波にはダイアゴナルトライアングルが現れることがある
- 1波動目はエクステンションして大きな波動となることがある
- 2波動目の多くは疑心暗鬼から深いリトレイスになる
- 1波動目のFR50.0、FR61.8付近となることが多い
- 修正波はジグザグ系のフォーメーションになることが多い
- 稀に横這いの展開になることもある(その場合4波動目は急勾配)
- 3波動目は出来高を伴いながら大きく力強い動きとなる
- 1波動目と同様に5つの波の衝撃波(推進波)で展開される
- 3波動目が延長波(エクステンション)となる可能性が一番高い
- 延長波とならない場合でも力強い動きになることが多い
- 4波動目は売り買いが交錯し横這いの浅いリトレイスによくなる
- 3波動目のFR38.2や0→3波動目のFR38.2がよく目標になる
- 修正波は横這いのフラット系やトライアングル系が現れ易い
- 為替相場では4波動目が深くなることもある
- 3波動目の値幅が1波動目の値幅とあまり変わらない
- 修正4波動目で大きくリトレイスしてきた
- 通常の3波延長型衝撃波では上位の段階の目標に到達できない
修正波における「波の個性」
次は、3つの波(又はその変形)の修正波における波の個性です。 修正波は、4つの調整パターンに分かれています。- ジグザグ修正波(単純な3つの波で展開)
- フラット修正波(単純な3つの波で展開)
- トライアングル修正波(基本5つの波で展開される)
- 複合型修正波(上記の修正波が複合して展開される)
エリオット波動「波の個性」のまとめ
- エリオット波動の動きは市場心理が反映された普遍的なものである
- エリオット波動の波の個性は段階を問わず同じように表れる
- 波の個性を使うと優先的なカウントを見つけることができる
- 衝撃波の1波動目は新しいトレンドの足掛かりとなる波動である
- 2波動目は急こう配の修正パターンで深いリトレイスになり易い
- 3波動目は出来高を伴いながら大きく力強い動きとなる
- 4波動目は横這いの修正パターンで浅いリトレイスになり易い
- 5波動目は延長波となることがある、またその値幅をイメージし易い
- 修正波のA波はその後の展開を暗示していることがよくある
- B波はA波の始点を越えてくることもあるがそれはダマシである
- C波はいつも大きく力強い波動となる
BOT