ある統合失調症患者の1日の記録
ある統合失調症患者の1日の記録

ある統合失調症患者の1日の記録

この画像を大きなサイズで見る Advertisement

 統合失調症は国を問わずおよそ100人に1人弱がかかる頻度の高い精神病の1つである。特徴的な症状としては、幻覚や妄想などで、それに伴って、人々と交流しながら社会生活を営むことが困難となってくる。

 また、病気のために、感覚・思考・行動がゆがんでいるということを自覚できず、「自分が病気である」という意識が欠如している場合が多いのも特徴だ。

記事をシェア みんなのポスト コメント コメントを書く ナビ 上に戻る

ある統合失調症患者の1日の記録

 統合失調症は古代文明の時代から文献に記載されており、人間の歴史とともに歩んできた古くて新しい病気だ。にもかかわらず、いまだ詳しい原因が分かっていない。また、この病気がどのようなものなのかを理解するのも難しい。

 海外サイトにて統合失調症患者である学生が、ある1日を時系列で記録した日記が公開されていた。とは言えどんな病気でも人により症状は様々である。これが一般的な症状ではなく、こういった症例もあるという一例として見てほしい。

午前7時:

 目が覚めてもしばらくベッドの上に横たわっている。独り暮らしのはずなのに、自分のアパートのいたる所で足音が聞こえる。夜の間に誰かが押し入ったのかと思い、起き上がって鍵を確かめにいく。安全錠もかかっているし、チェーンも切られていない。でもまだキッチンで足音がする。自分以外誰もいないことを確認するのに、ドアやアパート全体を少なくとも三回はチェックしなくてはならなかった。

午前7時半:

 温かく気持ちのいいお風呂に入る。が、お湯を出しているときに、ドアの向こうで誰かが会話している声が聞こえる。さっきチェックしたから、家の中には誰もいないのはわかっているのに、車のシートを革にするか、布にするかについて意見をたたかわせている数人の声にどうしても耳をすませてしまう。お湯の中に頭を沈め、そこにあるはずのないものを無視しようとする。

午前8時:

 なにかが足を這い回っているみたいだが、見てみてもなにもいない。一日のうち、少なくとも30分に一回はこういうことが起こるので、いちいち言い続けるわけにもいかない。

午前9時:

 朝食。トーストを食べると金属の味がする。あまりにひどいので、全部食べることができない。

午前10時:

 大学のキャンパスに歩いて向かうが、足元から強烈な重力に引っ張られ、バランスを崩して体がわずかに右に傾き、転びそうになる。腰を下ろし、めまいと吐き気とたたかいながら、平衡感覚がちゃんと戻るまで頭を抱えて待たなくてはならない。

午前10時半:

 女の子のグループが前をゆっくり歩いている。ネロという頭の中の声が命令してくる。女の子たちのひとりの腹を裂いてはらわたを抜き出し、その腸で二番目の女の子の首を締め上げ、友だちが死ぬを見て金切り声をあげる三番目の女の子を蹴り倒して踏みつけろと言うのだ。懸命にネロの声を無視しようとするが、女の子のグループを追い抜かしてもなお、その声はますます大きく響いている。

午前11時15分:

 トイレの便器に座っていると、床のタイルが大きくなったり、小さくなったりして、気分が悪くなる。

午後12時:

 数週間前に約束をすっぽかされた友人と話していると、ネロが出てきて、そいつはひどい友だちだから、その顔がパンケーキみたいにぺちゃんこになるまでボコボコにしてやれと、ひたすらふきこもうとする。

午後1時15分:

 授業に出るが、先生の言葉が英語ではなく、さっぱりわからない言語のように聞こえ始める。集中できないし、なにを学んでいるかもわからない。

午後2時:

 金属の味のするトースト以来、やっと食欲が戻ってきた。だが、カウンターの向こうにいる人たちが、アレルギーで食べられないものを料理に入れているのではないかとどうしても思えてしまう。入れないでくれとしつこいくらいに言ったせいかもしれない。料理を細かくぐちゃぐちゃにしてじっくり調べ、その残骸をさて食べようとするときにはもう冷めてしまっている。

午後3時:

 友だちと会うが、頭の中の声がヒステリックに彼らを侮辱し続ける。友人に話しかけられても、なにを言っているかもわからず、会話についていけない。気まずい思いでその場を辞退するが、わたしが立ち去るとまた話に花が咲く声が聞こえてくる。頭の中の声は、わたしは役立たずで、友だちはわたしのことが好きなふりをしているだけだとずっと言い続けている。

午後4時半:

 帰宅すると、こちらの注意を引こうとするように、家の窓をほとほととたたく音が聞こえる。だが、わたしが住んでいるのは二階だ。誰かいるのか、少なくとも四度チェックしなくてはならない。

午後6時:

 火の上を歩いているような気がする。明日のために読んでおかなくてはならない宿題があるというのに、それどころではない。

午後7時半:

 宿題に取りかかろうとすると、ページのあらゆる言葉が流れ溶けて、真っ黒な塊になってしまい、まったく集中できない。

午後8時:

 キッチンでなにかが燃えているにおいがするが、今、なにか料理をしようかと思い始めたばかりだ。

午後9時:

 ちっとも宿題に集中できず、だんだん疲れてきた。ちゃんと眠ることもできない。頭の中の声がわたしを叱り続け、わたしは人間のクズだと何度も言う。いっそのこと、自殺しようかとふと思う。ネロがそれに気づき、わたしができそうな、あらゆる自殺の方法を並べ立て始める。

午後10時半:

 なんとかかんとか宿題を終えたが、できは最悪。静かに一日を終わりにしようとするが、誰かがベッドの脇に立って上からのぞきこみ、わたしをじっと見ている気がする。見回しても誰もそこにいない。またドアにちゃんと鍵がかかっているかどうか、チェックしないといけない。

午後11時半:

 眠りに落ちたが、意識が途切れる直前に、アパートのドアがノックされる音が聞こえた。誰かいるのか調べようと身を起こす。だが、玄関のセンサーライトさえついていないのが、不安を煽る。

午前12時45分:

 今度こそ眠りに落ちたはずなのに、頭の中の声が、さっきのわたしの思考を確信させるようにそうだそうだとはやし立てる。それは、わたしを本当に愛してくれている人たちから、わたしを引き離そうとするものだ。眠りに落ちる直前、わたしが真に幸せになるには、殺すか、殺されるかしかないとネロが言ったのだ。

 わたしは統合失調症だから、こういったことが毎日現実に起こる。目の前に手が現われたり、頭の中で声が聞こえたりといった、視覚や聴覚の幻覚がわたしの生活を支配しているのだ。

この画像を大きなサイズで見るphoto by Pixabay

 厚生労働省による調査では、ある1日に統合失調症あるいはそれに近い診断名で日本の医療機関を受診している患者数が25.3万人(入院18.7万人、外来6.6万人)、そこから推計した受診中の患者数は79.5万人とされている(2008年調査)。

 受診していない人も含めて、統合失調症がどのくらいの数に上るかについては、とくに日本では十分な調査がないそうだ。

 発症は、思春期から青年期という10歳代後半から30歳代が最も多く、中学生以下の発症は少ない。40歳以降にも減っていき、10歳代後半から20歳代にピークがある。

 発症の頻度に大きな男女差はないとされてきたが、最近の報告では、男:女=1.4:1で男性に多いとされている。早期治療、早期受診により症状を抑えたり、寛解できるそうだ。自覚のある人は医師に相談を、そうでないひとは周りの人が力になってあげる必要があるだろう。

追記:2014/08/04

 この記事の大本はRedditが出典元であり、そこでは上の日記を書いた投稿者への質問と回答が記載されているそうだ。

 それによるとこの投稿者は当初は医師の治療を受けていたが、治療費が高額の為、また投薬により、うまく頭が回らないなどの悪影響があると自ら判断し治療をやめてしまったそうである。その為に余計症状を悪化させた可能性があるそうだ。

References: Cavemancircus / Cavemancircus

コメントを見る(166件)

みんなの反応は?

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中
📎📎📎📎📎📎📎📎📎📎
BOT