伊勢ケ浜部屋でまた暴力 弟弟子の背中に煮立ったちゃんこの湯、角材で頭殴打…親方2度目の理事辞任
伊勢ケ浜部屋でまた暴力 弟弟子の背中に煮立ったちゃんこの湯、角材で頭殴打…親方2度目の理事辞任 2022年12月27日 5時0分スポーツ報知日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、複数の弟子による暴力行為が発覚した伊勢ケ浜親方(62)=元横綱・旭富士=が理事を辞任したと発表した。同日の理事会前に八角理事長(元横綱・北勝海)へ辞任届を提出した。同親方は2017年にも弟子の元横綱・日馬富士の暴行事件で監督責任を問われており、今回が2度目の辞任。現在は横綱・照ノ富士の師匠で、番付や取組編成の責任者である審判部長の要職を務めていた。
暴力根絶に向けて取り組んできた角界で、またも不祥事が起きた。暴行は11月7日、被害者の親族からの電話相談により発覚。コンプライアンス委員会が調査を行い、最多4人の幕内力士が所属する伊勢ケ浜部屋で、幕下以下力士2人による弟弟子への暴力行為があったと認定された。監督責任を取る形で師匠・伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)はこの日、理事辞任届を提出し、受理された。
暴力の内容は極めて悪質だった。力士Aが今月4月下旬頃から約5か月の間に、幕下以下の弟弟子Bに対して、態度が反抗的だとして3度の暴行を働いた。4月下旬頃に稽古場で腕立て伏せ用の補助具(角材)を使って頭部を1回殴打、7月上旬頃の名古屋場所宿舎では腹部を4~5回げんこつで殴打し、うずくまるBの腹部を踏みつけた。この時、Aとは別の幕下以下力士Cも殴打に加わった。
さらにAは8月上旬、部屋で煮立ったちゃんこ鍋の湯をBの背中にかけ、やけどを負わせた。師匠はこの事実を把握しながらも協会に報告せず、コンプラ委は報告義務違反を指摘。以前には弟子の横綱・日馬富士(当時)の暴行事件を防げなかったことを教訓にできていないとし、協会の理事職としては不適当と判断。降格の懲戒処分(評議委員会に対する理事解任決議の上申)が相当と答申した。
この日、同親方は臨時理事会前に理事辞任届を提出。同理事会では降格処分相当とした上で届けを受理し、処分はなしと決定。辞任で事実上の降格処分を受けたと判断した。また、Aは引退届を受理して処分なし、Cは兄弟子Aに触発されて偶発的に暴行に及んだ側面や将来性なども考慮され、初場所から2場所出場停止の懲戒処分となった。
協会は12月27日に行われる年寄総会で、厳しく弟子の行動を指導・監督すること、万が一暴力が発覚した場合の報告徹底を通知するとした。来年2月に実施する協会員研修でも暴力問題撲滅への啓発を行うという。理事会後の取材に応じた芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「未然に防ぐのが一番いい。起きてしまったら、すみやかに協会に報告することが一番大事。一丸となって暴力を根絶、撲滅していくことに努めていきたい」と、神妙な面持ちで信頼回復を誓った。
◆伊勢ケ浜部屋での暴行の経過
▽4月下旬 幕下以下力士Aが、稽古場で腕立て伏せ用の補助具(角材)で被害者Bの頭部を1回殴打。
▽7月上旬 名古屋場所宿舎のちゃんこ場で、腹部を4~5回げんこつで殴打。別の幕下以下力士Cも、Aと同程度の暴行に及んだ。Aは、うずくまったBの腹部を2回ほど踏みつける。
▽8月上旬 部屋のちゃんこ場で、AがBの背中にちゃんこ鍋の湯をかけ、やけどを負わせる。師匠・伊勢ケ浜親方は、その事実を把握したが相撲協会に報告せず。
▽11月7日 協会に親族から電話でいじめを受けているとの相談が寄せられる。翌日には、Bからも同様に相談を受ける。協会はBについて九州場所を休場させ、実家に帰省させるように要請。
▽12月1日 八角理事長(元横綱・北勝海)がコンプライアンス委員会に事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱。
▽同26日 伊勢ケ浜親方が、理事辞任届を臨時理事会前に提出して受理される。Aは師匠を通じて引退届を提出。Cは2場所の出場停止処分。
◆伊勢ケ浜 正也(いせがはま・せいや)本名・杉野森正也。1960年7月6日、青森・木造町(現つがる市)生まれ。62歳。近大を中退して80年に大島部屋に入門。81年初場所初土俵。87年秋場所後に大関昇進し、88年初場所で初優勝。90年名古屋場所後に横綱昇進。92年初場所で引退。93年4月に年寄「安治川」を襲名し、部屋を継承。07年11月に年寄「伊勢ケ浜」を襲名し、安治川部屋から伊勢ケ浜部屋に変更。これまでに日馬富士と照ノ富士の横綱2人を育てている。
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