日本代表ロコ・ソラーレを救った手作り料理 藤沢五月「パワーになっている」2大会連続出場の原動力に
日本代表ロコ・ソラーレを救った手作り料理 藤沢五月「パワーになっている」2大会連続出場の原動力に 2022年2月17日 6時0分スポーツ報知カーリング女子の日本代表「ロコ・ソラーレ」を支えてきた人たちがいる。五輪への第一歩となった昨年9月の日本代表決定戦では、北海道・稚内市で宿泊施設「モシリパ」を経営する武重美亜さん(36)の手作り料理が、2大会連続出場へのエネルギーになった。(取材・構成=小林 玲花)
あの勝利がなければ、北京で戦うロコの姿はなかった。昨年9月の日本代表決定戦で、0勝2敗の崖っぷちにいたロコ・ソラーレを救ったのは、武重さんが作る心温かい手料理だった。武重さんは、知人を通じてロコと出会い、稚内市で行われる大会では食事サポートを担い、同決定戦でも提供した。
ロコの食事にはルールがある。「試合の3時間前に食べる」「野菜多め」など様々だが、メンバーたちが最も重要とするのが「楽しい食事」。武重さんは「カーリングは1試合3時間、多い日には2試合と長時間に及ぶので、精神的な戦いになってくる。『毎回のご飯が楽しくなるようにしてほしい』という依頼がありました」という。武重さんの料理は実に、彩り鮮やかで栄養豊富。世界一周の経験や、都内の和食料理店で磨いた腕を振るい「マスタードソースがけラム肉」「そばの実サラダ」など、見ても、食べてもワクワクする料理が連日、ロコのメンバーに手渡された。
しかし、いざ始まった代表決定戦では2連敗スタート。敗れると選手たちも食べ物がうまくのどを通らなくなった。そこで、武重さんは脂質が少ないながら甘みもあり、餅米でエネルギーが持続する「おはぎ」を思いつく。崖っぷちとなった大会2日目から投入し、そこから驚異の3連勝。1人の選手からは「おはぎで食事の意欲が湧いた」との声も挙がった。武重さんのアイディアがある選手にとっては、食欲を取り戻すための手助けになった。事前合宿から含め、武重さんは12日間に渡り、料理を提供。厳しい戦いの中、愛のこもった料理が選手たちを癒やし、そして五輪切符をつかむための活力になったことは間違いない。
近くでメンバーを見てきた武重さんは、ロコを「1本の樹」と表現し、「5人でひとつ。それがロコ・ソラーレらしさだと思います」と語った。食事中も選手間のコミュニケーションは絶えず、明るい。また、武重さんが作る鶏肉のグリルの焼き加減が少し硬くなった際も「全然大丈夫です!」と、相手に罪悪感を抱かせない、自然なフォロー力にチームの強さが垣間見えたという。藤沢も武重さんの料理が「本当に選手のパワーになっている」と感謝していた。五輪への扉を開いた「あの時」の栄養が、今のロコの原動力となっている。(小林 玲花)
◆21年9月の日本代表決定戦 21年日本選手権優勝の北海道銀行と、20年覇者のロコ・ソラーレが3戦先勝方式で、日本代表と五輪最終予選への出場権をかけて争った。初戦と第2戦は北海道銀行が7―6、8―7で制して王手。ロコは負けたら終わりの第3戦に9―3で勝ち、踏みとどまった。勝負は最終日までもつれ込み、第4戦はロコが8―6で2勝2敗に。第5戦は3時間を超える大激闘の末、ロコが8―6で勝ち、日本代表の座をつかみ取った。
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