オートマチック車の基本操作
オートマチック車の基本操作
普通免許をマニュアル車で取る人も、必ず乗ることになるのがオートマチック車です。走らせること自体はそれほど難しくありませんが、エンジンのかけ方やチェンジレバーの役割などはいまいちよく分からないという方も多いと思います。
今回は「オートマチック車の基本操作」について説明していきますので、技能教習の参考にしてください。ちなみに運転姿勢の作り方やミラーの調節については、こちらの記事を参考にしてください。
【チェンジレバーの役割】
まずはオートマチック車のチェンジレバーの役割を見ていきましょう。チェンジレバーにはそれぞれ、P(パーキングレンジ)、R(リバースレンジ)、N(ニュートラルレンジ)、D(ドライブレンジ)、S・2(スポーツレンジ・セカンドレンジ)、B・L(ブレーキレンジ・ローレンジ)があります。レンジというのは日本語で「範囲」という意味になります。
〔Pレンジ〕
パーキングレンジはエンジンをかけるときに使う位置というのと、駐車したいときに使います。パーキングレンジにすると全く車が動かなくなるのが特徴で、アクセルペダルを踏み込んでもエンジンが空ぶかしになるだけで全く動きません。パーキングレンジは少しブレーキもかかるのですが、かなり弱いため急な坂では動いてしまうのが弱点です。そのため、駐車するときはパーキングレンジだけでなく駐車ブレーキ(ハンドブレーキやパーキングブレーキ)もかけておくようにしましょう。
〔Rレンジ〕
リバースレンジはバック(後退)させたいときに使います。リバースレンジはこの位置に変えた瞬間に車がゆっくり動き出すのが特徴です。これを「クリープ現象」と言います。また、大抵のオートマチック車は、リバースレンジに変えると「ピー、ピー、ピー」と電子音がなるようになっているのも特徴です。
〔Nレンジ〕
ニュートラルレンジは、エンジンからの動力が全くタイヤに伝わらない状態になります。アクセルペダルを踏んでもブレーキペダルを離しても車は動かないです。パーキングレンジとよく似ていますが、違う点はブレーキがかからないことです。したがって、少しでも坂になっている場所でニュートラルレンジにしてしまうと、車は転がって動き出してしまうので使い方には注意が必要です。それから、ニュートラルレンジは技能教習でも使う場面がありませんが、車が故障したりして動かなくなった時などにニュートラルレンジで車を押して動かす場合があります。
〔Dレンジ〕ドライブレンジは前に走らせたい時に使います。リバースレンジと同じく、この位置に変えた瞬間に車がゆっくり動き出すのが特徴です。ブレーキペダルを離してアクセルペダルを踏み込んでいくとどんどん加速していきます。
〔Sレンジ・2レンジ〕
スポーツレンジとセカンドレンジは同じものですが、車のメーカーによって名前が違ってきます。Sレンジ・2レンジはゆるやかな下り坂などで使いますが、エンジンブレーキがかかってスピードが出にくくなるのが特徴です。エンジンブレーキというのは走行中に踏んでいたアクセルペダルをゆるめると、エンジンの回転が遅くなりそれにつられてスピードも落ちることを言います。
〔Bレンジ・Lレンジ〕
ブレーキレンジとローレンジも同じものですが、車のメーカーによって名前が違ってきます。Bレンジ・Lレンジは急な下り坂などで使いますが、Sレンジ・2レンジよりも強くエンジンブレーキがかかりスピードがかなり出にくくなるのが特徴です。急な下り坂だと重力でどんどんスピードが出てしまいますが、Bレンジ・Lレンジにするとスピードが抑えられて楽に運転することが出来ます。
【駐車ブレーキの役割】
駐車ブレーキは、坂の場所などで車が動きださないように車にブレーキをかける役割があります。駐車ブレーキには手でかける「ハンドブレーキ」というタイプと、左足でかける「パーキングブレーキ」というタイプの2種類があります。
車を運転し始めの頃は、この駐車ブレーキの役割がいまいち分からなくてその存在自体を忘れてしまいがちです。身近なもので例えると、駐車ブレーキというのは自転車のスタンドと同じ役割がありますね。みなさんも自転車を駐輪場に停める時には、自転車が倒れてしまわないようにスタンドを立てますよね。そのスタンドが車でいうところの駐車ブレーキに当たるんですね。
それから、駐車ブレーキがかかっているのか、かかっていないのかも分かりにくいです。ハンドブレーキの場合だとレバーを真上に引き上げている状態がハンドブレーキがかかっている状態。反対にハンドブレーキを下に降ろしている状態がハンドブレーキがかかっていない状態になります。
左足でかけるパーキングブレーキの場合は、見た感じだと分かりにくいのですが、ペダルを軽く踏み込んだ時にペダルが硬くて踏み込めない状態がパーキングブレーキがかかっている状態。反対にペダルを軽く踏み込んだ時にペダルが軽くて柔らかい状態がパーキングブレーキがかかっていない状態になります。
駐車ブレーキがかかっているかどうかも運転席の手元の警告灯でも分かるようになっています。(!)や(P)の赤いランプが付いていると駐車ブレーキはかかっています。ちなみにこの駐車ブレーキの赤いランプは、エンジンがかかっている時じゃないと点灯しないようになっています。
【エンジンのかけ方】
今度はエンジンのかけ方を見ていきましょう。エンジンをかける時のポイントはエンジンを動かした時に車が動きだしてしまわないような準備をするのがコツです。ちなみにエンジンのかける手順は、この通りじゃないと絶対ダメという訳では全然ありません。順番が違っていても検定では減点にはなりません。
① 駐車ブレーキがかかっているか確認
エンジンをかけた時に、車が動きださないように駐車ブレーキをかけた状態にします。ハンドブレーキの場合は真上に引き上げて確認して、パーキングブレーキの場合は左足でペダルを軽く踏んで確認しましょう。
② Pレンジを確認
DレンジやRレンジなどはエンジンをかけた時に動き出してしまいますので、Pレンジでかけます。ちなみにNレンジでもエンジンをかけることも出来ますが、Pレンジでエンジンをかけるようにしてください。また、チェンジレバーがPレンジやNレンジ以外の位置になっていると、エンジンがかからないような安全装置が付いている車がほとんどです。
③ ブレーキペダルを踏んでおく
エンジンをかけた時に、車が動きださないようにブレーキペダルを踏んだ状態にします。最近の車は、ブレーキペダルを踏み込んだ状態じゃないとエンジンがかからないような安全装置が付いている車が多いです。
④ エンジンキーを回す
教習車の場合だとキーを回してエンジンをかけるタイプが多いですが、最近はボタンを押してエンジンをかけるタイプも増えてきています。
【発進の手順】
次は発進の手順になります。発進の手順もエンジンのかけ方と同じく、順番が違っても減点にはなりません。特に忘れやすいのが駐車ブレーキになります。
① チェンジレバーをDレンジに入れる
チェンジレバーをPレンジからDレンジに変えます。この時、Dレンジに変えた瞬間にクリープ現象で動き出してしまうので、動かないようにブレーキペダルを踏んだ状態でDレンジにするのがポイントです。ちなみにPレンジから動かす時に、ブレーキペダルを踏み込まないとチェンジレバーが動かないような安全装置が付いています。
② 駐車ブレーキを戻す
これを忘れてしまう教習生がかなり多いです。また、駐車ブレーキの戻し方があまくて、駐車ブレーキが少しかかった状態で走り出してしまう教習生も多いので注意してください。
③ ブレーキペダルを離す
ブレーキペダルを離すとクリープ現象でゆっくり動き出していきます。そこから、アクセルペダルに足を移して発進しましょう。
【駐車の手順】
最後は駐車の手順になります。駐車の手順もエンジンのかけ方と同じく、順番が違っても減点にはなりません。修了検定や卒業検定は、車を停めて車から降りる所までが検定の採点範囲となっています。受検者でよくあるのがエンジンの切り忘れです。
① 駐車ブレーキペダルをかける
駐車ブレーキはかけ過ぎにも注意してください。あまりにも強くかけてしまうと、次に駐車ブレーキを戻す時に自力で戻せなくなる場合があります。
② チェンジレバーをPレンジに入れる
ちゃんとPレンジにしてからエンジンを止めるようにしましょう。DレンジやRレンジのままエンジンを止めてしまうと、次にエンジンをかける時にかからなくなってしまいます。
③ エンジンを止める
エンジンを止めるところまでが採点範囲なので、最後まで気を抜かないようにしましょう。
今回はオートマチック車の基本操作を見ていきましたが、簡単なようでなかなか分かりにくい部分もありますよね。特に普段マニュアル車の練習をしている人は、技能教習でオートマチック車を練習する機会もかなり少ないので、よく復習しておくことをおすすめします。
免許を取って車に乗るようになると、大抵の人はオートマチック車を運転することになると思います。オートマチック車は運転自体はとても簡単ですが、アクセルとブレーキの踏み間違いの事故も多く起きていますので取り扱いには十分注意してください。
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