【初心者向け】仮面舞踏会|簡単なあらすじと相関図
【初心者向け】仮面舞踏会|簡単なあらすじと相関図

【初心者向け】仮面舞踏会|簡単なあらすじと相関図

【初心者向け】仮面舞踏会|簡単なあらすじと相関図 2024 6/14 オペラ 2021-05-112024-06-14

「仮面舞踏会」は、実際の暗殺事件を題材にしたオペラです。最初にオペラの制作を依頼したのは、ナポリのサン・カルロ劇場でしたが、ナポリの検閲官が「国王の暗殺」がテーマのオペラは上演できないと拒否。(当時、イタリアはフランスの影響下に。)上演の要望が多く集まり、ローマのアポロ劇場で、初演が行われました。上演に当たり、もともと、スウェーデン国王のグスタフ3世暗殺事件を題材としていたところを、検閲対策で、17世紀、アメリカ・ボストンに置き換えて、上演が実現しました。

目次

仮面舞踏会、オペラ:人物相関図

仮面舞踏会、オペラ:人物相関図

仮面舞踏会、オペラ:登場人物

 リッカルド ボストン総督 テノール レナート リッカルドの秘書 バリトン アメーリア レナートの妻 ソプラノウルリカ占い女アルトオスカルリッカルドの小姓ソプラノ仮面舞踏会、オペラ:登場人物
  • 原題:Un ballo in maschera
  • 言語:イタリア語
  • 作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
  • 台本:アントニオ・ソンマ
  • 原作:ウージェーヌ・スクリーヴ「グスタフ3世、または仮面舞踏会」
  • 初演:1859年2月17日 ローマ アポロ劇場
  • 上演時間:2時間20分(第1幕55分 第2幕30分 第3幕55分)

仮面舞踏会、オペラ:簡単なあらすじ

総督リッカルドは、部下のレナートの妻アメーリアに密かに恋をしている。アメーリアもまた、リッカルドに想いを寄せている。

占い師はリッカルドの死を予言する。

リッカルドとアメーリアは互いの気持ちを知り、夫のレナートもまたその気持ちに気づく。レナートはリッカルドを殺そうと考える。彼は仮面舞踏会でリッカルド殺しを実行に移す。

仮面舞踏会、オペラ:第1幕のあらすじ

「仮面舞踏会」前奏曲

リッカルド、アメーリア、反逆者たち、それぞれの思いが表現されている。

第1場

ボストンにある、イギリスの駐米総督邸

朝。総督邸の広間に人々が集まっている。リッカルドを讃える者もいれば、リッカルドに恨みがある者もいる。

人々安らかに眠り、美しい夢を見てください。リッカルド様。この邸宅は、あなたの崇高な心を守っています。「合唱」Posa in pace

反逆者たち(サミュエル、トム)そして、お前によって落ちぶれた者たちを思い、罰を与えたいほどの憎しみがあるぞ。

小姓のオスカルが広間に来る。

小姓(オスカル)リッカルド様がこちらに来ます。

総督、リッカルドが部屋に入ってくる。

リッカルド

民衆を大切に思っているぞ。要求があれば、適切に判断しよう。

小姓(オスカル)舞踏会の招待客のリストができました。

リッカルド

(リストを見ながらひとりごと)アメーリア。再び彼女に会えるのか…彼女は、僕の心を奪ってしまった。

小姓(オスカル)と人々惜しみない愛情をこめて、我々のために考えてくれている。

反逆者たち(サミュエル、トム)その時はまだ来ていない。

リッカルド

(オスカルに)私の合図があるまで、人々と外で待つように。

オスカルや人々と入れ替わりに、腹心の部下、レナートが部屋に入る。

小姓(オスカル)(レナートに)あなたは自由に入ってよいでしょう。

レナート

(彼はどうして悲しげなのか?)

リッカルド

(アメーリア…)

レナート

…総督。何か心配でも?

リッカルド

(だめだ、彼はアメーリアの夫じゃないか。)なんでもない。

レナート

不安の種を存じておりますよ。この屋敷でさえ安全とは言えません。あなたを暗殺しようと企んでいる者がいるのです。

リッカルド

なんだ、そんなことか。何も問題ない。神がお護りくださる。

レナート

あなたの人生が希望と喜びに満ちていることで、何千何万の命の運命が連鎖しているのですよ。総督がいなくなっては、この国はこの先どうなるのです。

小姓が入ってくる。

小姓(オスカル)判事です。

リッカルド

前に通せ。女への判決か。

判事ウルリカと呼ばれ、黒人の血を引く女です。預言をし、人々の心を惑わします。女を追放します。判断を変えるつもりはありません。

リッカルド

(オスカルに)何か言うことはないか?

小姓(オスカル)僕は彼女を弁護したいですね。黒い顔で空を仰ぎ、未来を予言する女です。恋する者、海の男、兵士と、皆が自分の未来を聞きたがる。

リッカルド

今夜、占い女に皆で会いに行こうではないか。私は変装していくぞ。漁師の変装の準備をしてくれ。皆も変装してくるといい。

レナート

私が総督をお守りしよう。

人々私たちも行きましょう。夜中の3時に。占いの巣窟へ。

反逆者たち(サミュエル、トム)目的のためにお前を見ている。いざという時に迷うことはない。

リッカルド、レナート、その場にいた人、リッカルドの暗殺を狙う者たちなど、全員が夜に占い女の家に向かうことになった。

第2場

占い女の家

占い女が儀式をしている。人々が彼女の話に耳を傾けている。

占い女(ウルリカ)地獄の王よ、急げ。大気を通り、雷を鳴らさずに、屋根を突き抜けてここに降りてこい。「地獄の王よ」Re dell’abisso

漁師の変装をしたリッカルドが占い女の家に、こっそり入ってくる。

リッカルド

私が先に来たようだ。

占い女に群がる人々をかきわけて、ひとりの水夫が占いを頼む。

水夫(シルヴァーノ) 私の運命を知りたい。

占い女(ウルリカ) まもなく、金と地位が手に入るだろう 。

リッカルドは機転を利かせて、紙に「報奨と地位を約束する」と書いて、水兵のポケットに入れる。水兵が気づき、占いが当たったと盛り上がる。

アメーリアが占いに来る。占い女に人払いをしてもらうが、リッカルドは部屋の影に隠れる。

アメーリア

秘めた恋があるのです。

占い女(ウルリカ)何を求めるのか?

アメーリア

心の平和です。胸の苦しみを取り去りたい。すべてを裁くために神が遣わされたお方なのです。

リッカルド

(私のことだ!)

占い女(ウルリカ)忘却の薬草がある。真夜中に、死者を葬る場所に行き、自らの手で薬草を採らないといけない。

アメーリア

それはどこにありますか?

占い女(ウルリカ)忘却の薬草がある。真夜中に、死者を葬る場所に行き、自らの手で薬草を採らないといけない。「三重唱」Della città all’occaso

アメーリア

なんて恐ろしい。でも、今夜行きます。

リッカルド

(一人ではないぞ。私もついて行こう)

アメーリアは、占い女の家を出て行く。別の扉から、変装した集団が入ってくる。リッカルドが占い女の家に集まる約束をしていた人々だ。その中には、リッカルドに悪意を持つ者もいる。リッカルドは変装した集団に紛れ込み、今来た振り。

リッカルド

占い女よ。私は漁師だ。運命を占ってくれ。「舟歌・バルカローレ」Di’ tu se fedele

占い女(ウルリカ)お前はもうすぐ死ぬだろう。今日最初にお前の手を握った者が、殺すだろう。

リッカルド

冗談か、狂気なのか。誰がこの予言を嘘だと証明できるか?

ひとり遅れてやってきたレナートが、占い女の家に入ってくる。リッカルドは、レナートの手を握る。

リッカルド

ここにいたぞ。彼が証明するだろう。最も忠実な友の手だ!!

レナート

リッカルド!!(感激)

水夫(シルヴァーノ)(漁師がリッカルド総督であると気が付く)あの方だ。

人々大英帝国の子よ。この土地に愛された人よ。幸せに治めよ、あなたに栄光と健康がありますように。「合唱」O figlio d’Inghilterra

人々は予言を否定して、総督を讃える。讃える声の中に、リッカルドに悪意を向ける不穏な声も混じっている。

仮面舞踏会、オペラ:第2幕のあらすじ

前奏曲

アメーリアがひざまずいて祈りを捧げ、丘から降りてくる。

ボストン郊外の寂しい荒れ地

真夜中、アメーリアはひとり荒れ地にいる。

アメーリア

恐ろしい場所なの!気高いあの人の姿を忘れられる薬草をとらねば。「あの草を摘み取って」Ma dall’arido stelo divulsa

リッカルドが突然現れる。

リッカルド

私があなたと一緒にいる。あなたへの愛情がこの胸にある!

アメーリア

なぜここにいるの?私を一人にしてください。私は他人のものです。あなたの最も信頼する友の妻なのです。

リッカルド

残酷なひとよ、思い出させないでくれ。どれほどの夜、眠れず、この不幸と戦ってきただろうか。私の命は、世界はこの一言のためにある。愛していると言ってくれ。

アメーリア

…私はあなたを愛しています。私の心から、私を守ってください。

アメーリアが、誰かが近づいてくる気配に気がつく。

リッカルド

誰が来るのか?このような恐ろしい場所に。…レナート!!

アメーリア

私の夫!!

アメーリアは頭にヴェールを被る。レナートが二人のそばにやってくる。

リッカルド

お前がここに!

レナート

あなたをお守りするために来ました。暗殺者があなたを狙っています。脇道からひとりでお逃げください。ここはまかせて。

リッカルド

(アメーリアに小声で)私はあなたを救わなければ!

アメーリア

(リッカルドに小声で)ひとりで行ってください!

レナート

(アメーリアに)あなたも、この方を危険にさらしたくないでしょう。

アメーリア

(リッカルドに小声で)あなたが一人で去らないというなら、ここでヴェールを脱ぐ覚悟があります。一人で逃げてください。

リッカルド

友よ、難しい仕事を頼みたい。ヴェールを被ったまま、この女性を町まで連れて行ってくれ。顔も見ず、一言も語りかけずに。

レナート

誓いましょう。

リッカルドは、一人で去る。残された二人。

レナート

私についてきてください。どうして震えるのですか?あなたを忠実にエスコートします。友の言葉通りに。

アメーリア

(神よ!)

暗殺者たちがやってくる。暗殺者たちは、リッカルドを取り逃がしたことに気がつき、女性の顔を見ようとヴェールを取ろうとする。騒動の最中、アメーリアのヴェールが落ちてしまう。

レナート

アメーリア!

反逆者たち(サミュエル、トム)見たか、夜中にこんなところで奥さんと恋人のようにお楽しみか。奇妙な事件だな。町ではどんなうわさが飛び交うやら。

レナート

(暗殺者たちに)明日の朝、私の家に来てくれ。

暗殺者たちは去り、二人が残される

レナート

私は誓いました。門の所まで送ると、さあ一緒に行きましょう。

アメーリア

(死の鐘のように、夫の声が響く…)

仮面舞踏会、オペラ:第3幕のあらすじ

第1場

レナートの書斎

レナートの書斎にはリッカルドの肖像画が飾られている。

レナート

死んで罪を償え。血は流されなくてはならない。

アメーリア

一瞬、あの方を愛しました。ですが、あなたの名を汚してはいません。

レナート

弁解はいらない。お前は死ぬのだ。

アメーリア

わかりました。死にましょう。最後に息子に会わせてください。

レナート

お前の恥を隠すように暗闇で息子に会うがいい。

アメーリアは部屋を出ていく。レナートはリッカルドの肖像画を見る。

レナート

お前の血が必要だ!裏切り者よ!お前は忠実な友の信頼を裏切った。「お前こそ心を汚すもの」Eri tu che macchiavi

歌詞と対訳

「お前こそ心を汚すもの」Eri tu che macchiavi|仮面舞踏会

あわせて読みたい 仮面舞踏会|歌詞|Eri tu che macchiavi quell’anima 仮面舞踏会 第3幕 信頼していたリッカルドと愛する妻のアメーリアの心が通じていたことがわかり、怒りに震えるレナート。自宅に飾ってあったリッカルドの肖像画をにら…

暗殺者たちが、書斎に入ってくる。

レナート

お前たちの企みは知っている。リッカルドを殺したいのだろう。私も仲間に加えてくれ。一人息子の命を掛けてもいい、君らの仲間だ。

暗殺者たちとレナートは仲間になる。「誰がリッカルドを殺すか?」と話し合う。公平に、壺の中に名前を入れ、くじをひくことにした。アメーリアが部屋に来る。レナートはアメーリアにくじをひかせる。アメーリアがレナートの名前が書かれたくじを引いた。

オスカルがレナートの使いとしてやってくる。

小姓(オスカル)みなさんを舞踏会に招待します。

レナート

リッカルドは参加するのか?

小姓(オスカル)もちろんです。仮面舞踏会ですよ。

仮装すれば襲撃がたやすいと、暗殺の決行を決める。アメーリアは暗殺をどうやって知らせようか悩む。

第2場

リッカルドの書斎

リッカルドは書類を書いている。リッカルドは、昨夜の密会がレナートにばれたことを知らない。

リッカルド

アメーリアは、無事に家にいるだろう。名誉と義務感が、私たちの間に深い溝を作ってくれた。レナートは、イングランドに戻そう。妻も一緒に。大西洋が、私とアメーリアを遠く離してくれる。なぜだろう。不吉な予感が心をよぎる。彼女との再会が、命取りの望みになるかもしれない。「永遠に君を失えば」Ma se m’è forza perderti

歌詞と対訳

「永遠に君を失えば」Ma se m’è forza perderti|仮面舞踏会

あわせて読みたい 仮面舞踏会|歌詞|Forse la soglia attinse 仮面舞踏会 第3幕 リッカルドは、永遠にアメーリアに会わないように、レナートを祖国のイギリスに栄転させることを決意した。書類を書きながら歌うのが、「永遠に君を…

小姓が見知らぬ女性から手紙をもらったと言い、部屋に入ってくる。「リッカルドの命を狙っている者がいる」と手紙に書かれている。

リッカルド

舞踏会に出なければ、臆病者と思われる。さあ、楽しもうじゃないか。

第3場

豪華な舞踏会

仮面をつけ、華やかに着飾った人々。

レナート

リッカルドはどのような変装をしている?

小姓(オスカル)彼は衣装を秘密にしたがっている。だから、言わないよ。

レナート

私は彼に重要な用事がある。

小姓(オスカル)(小声で)胸にピンクのリボンをつけた、黒いマントを着ているよ。

仮面で顔を隠した、アメーリアとリッカルドが話す。

アメーリア

逃げて下さい。

リッカルド

あなたが先ほどの手紙を?あなたの名前を明かして下さい。

アメーリア

いいえ!それはできません。

リッカルド

隠しても無駄だよ、アメーリア。

アメーリア

愛しています。どうかご自分を守ってください。

リッカルド

あなたが私を愛してくれるなら、私の運命など気にしない。私はあなたを救いたいのだ。明日、レナートと旅立ちなさい。イングランドに帰るのだ。最後の別れだ。さようなら。

アメーリア

さようなら。

レナートがふたりの間に割って入り、リッカルドを刺す。

レナート

私からの別れも受け取れ!

リッカルドが倒れ、騒然となる。皆にレナートが取り囲まれる。

リッカルド

レナートを捕らえないでくれ!!(レナートに)アメーリアは汚れていない。新たな任地に妻と赴任するのだ。私はアメーリアを愛していたが、お前の名誉も、彼女の誇りも傷つけるつもりはなかった。暗殺に関わった者すべてを許す。

オペラ
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