ZCTと高圧ケーブルのシールドアースの関係
ZCTと高圧ケーブルのシールドアースの関係

ZCTと高圧ケーブルのシールドアースの関係

どうもじんでんです。今回はZCTと高圧ケーブルのシールドアースの関係ついての記事です。これを理解していないと、地絡事故時に地絡継電器の不動作などに繋がります。

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  1. 高圧ケーブルのシールドとは?
  2. シールドの接地方式の種類
    1. 片端接地
    2. 両端接地
  3. ZCTとは?
  4. ZCTとシールドの接地線の関係
    1. 高圧ケーブルの地絡時の電流の流れ
    2. なぜ注意が必要か?
    3. 解決法
  5. ZCTの設置場所と保護範囲
    1. 例1
    2. 例2
    3. 例3
  6. まとめ

高圧ケーブルのシールドとは?

高圧ケーブルには「遮蔽層」と呼ばれるものがあります。これを「シールド」とも呼びます。この記事では一般的なシールドで統一します。シールドの役割や目的は次の事が挙げられます。

  • 絶縁体に加わる電界の方向を均一にして耐電圧特性を向上する
  • 介在物に電界が加わる事でtanδが大きくなるのを防止する
  • ケーブル終端接続部で接地する事で感電防止になる
  • 相間の短絡事故を防止する
  • 地絡時の電流の帰路となる

この様に色々な役割がありますが、今回の内容で大事なのは最後の「地絡時の電流の帰路となる」です。

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シールドの接地方式の種類

高圧ケーブルのシールドは接地する事となっています。その接地方式は2種類あります。

  • 片端接地
  • 両端接地

それぞれについて解説します。

片端接地

一般的な接地方式です。基本的にはこの方式を採用します。

高圧ケーブルの片側のみを接地します。もう片側は接地されない様に、絶縁テープなどで絶縁しておく必要があります。

両端接地

高圧ケーブルの両端を接地する方式です。高圧ケーブルの亘長が長い場合に採用されます。高圧ケーブルの亘長が長いと、非接地側に誘導電圧が発生して危険になります。これを防ぐ為に両端接地をします。

この方式を採用すると、次の問題が発生します。

  • 地絡電流が分流するので、地絡継電器の検出精度が低下する
  • 両端に電位差が発生すると電流が流れる
  • 上記の電流により地絡継電器の誤動作やシールドの焼損に繋がる

これらの理由より、基本は片端接地が採用されます。両端接地を採用する場合は、慎重に検討する必要があります。

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ZCTとは?

ZCTは地絡電流を検知する機器です。

これについて詳しくはこちらの記事をご覧下さい。

零相変流器(ZCT)ってなに?どうもじんでんです。今回は零相変流器(ZCT)について記事にしてみました。理解されずに、間違って設置されているのを発見した事もあります。そのような事がないように、わかりやすく説明できればと思います。零相変流器(ZCT)とは?零相変流器はZC...jinden-tool.com2022.03.31

ZCTとシールドの接地線の関係

ZCTは地絡電流を検知する機器と説明しました。その為に、三相を一括でZCTに通す必要があります。

高圧回路では短絡などの危険がある為に、電線は相間を離隔して設置してあります。この為にZCTの設置は容易ではありません。

しかしこれを解決するのは、ZCTを高圧ケーブル部に設置する事です。高圧ケーブルならば相間の絶縁が保たれるので、安全にZCTを通す事ができます。

しかし高圧ケーブルの構造から注意して設置しないと、思った通りの地絡電流の検知ができない場合があります。

高圧ケーブルの地絡時の電流の流れ

通常は地絡が発生すると、地絡点から電流が大地に流れます。これによりZCTに流れる、行き帰りの電流のバランスが崩れて地絡電流を検知します。

しかし高圧ケーブルで地絡が発生すると、少し特殊な流れになります。

高圧ケーブルの絶縁物が劣化して地絡したとします。そうするとシールドが接地されているので、地絡電流はシールドを通って大地に流れます。

次の画像がそのイメージ図です。

なぜ注意が必要か?

まず高圧ケーブルを片側接地して、ZCTを設置した回路を次の図に表します。

この状態で高圧ケーブルにて、地絡が発生した場合の電流の流れを考えてみましょう。

お気づきの方もいるかもしれませんが、地絡電流がZCTに往復していますよね。これではZCTからみれば±0で、地絡電流が検知できません。

これが注意が必要になる理由です。

解決法

先程の地絡電流を検知できない問題を解決する方法があります。

それはシールドの接地線をZCTに通してから、接地する事です。

イメージ図は次の通りです。

これにより電流の行き帰りで打ち消されても、シールドの接地線の分で地絡電流を検知できます。

また、この時にZCTの向きに注意が必要です。シールドの接地線のケーブル側が「K」、接地側が「L」になる様に設置しましょう。

ZCTの設置場所と保護範囲

高圧ケーブルにZCTを設置する場合は、シールドの接地線を通す必要があると説明しました。しかしこれは絶対という訳ではなく、保護範囲が変わるので注意が必要ということになります。

またZCTの設置場所によっても、先程の処置が必要かどうかが変わります。

シールドの接地線をZCTに通すのは、その高圧ケーブルを保護範囲に入れるか入れないかの違いになります。通すと保護範囲内、通さないと保護範囲外となります。

いくつかの例を挙げます。

例1

メイン受電所からサブ受電所への送り回路の地絡保護を、メイン受電所でする場合。

このように設置すれば、高圧ケーブル以降の地絡を検知して保護することができます。

仮にシールドの接地線をZCTに通さないと、高圧ケーブルの地絡は検知できません。その為に高圧ケーブルが地絡すると上位の地絡保護が動作します。

例2

サブ変電所で地絡保護をする場合で、シールドの接地がメイン受電所の場合。

この場合はサブ変電所の地絡保護がしたいので、高圧ケーブルの保護は必要ありません。なのでシールドの接地線の処置は必要ありません。

例3

サブ変電所で地絡保護をする場合で、シールドの接地がサブ受電所の場合。

この場合は少し特殊なパターンです。ZCTに通さずに設置すると地絡電流はシールド分しかないので、高圧ケーブルの地絡でも検知してしまいます。また検知して遮断器を開放しても、地絡点は上位の為に除去できずに上位の保護装置が動作します。このような動作をすると、事故調査時に混乱を招く為あまりよろしくないですね。

これを解消するためには、画像のようにZCTにシールドの接地線を通すことです。しかし通常とは逆で、シールド接地線の「高圧ケーブル側がL」「接地側がK」となるように設置します。シールド接地線で、シールドに流れる地絡電流をキャンセルしているイメージです。

また上記のようなことをしなくても、シールドをメイン受電所側で接地すれば例2と同じになり解決できます。可能ならこの方法を採用すべきです。

まとめ

  • 高圧ケーブルのシールドは、地絡電流の帰路となる
  • 高圧回路においてZCTは高圧ケーブル部に設置される
  • 普通に設置するとシールドに流れる地絡電流で打ち消され検知できない
  • 検知する為にシールドの接地線をZCTに通す
  • 「通す」「通さない」で保護範囲が変わる

ZCTへの高圧ケーブルのシールド接地線の施工は、よく間違いがあります。特に竣工検査や取替工事の時には注意して確認が必要です。間違えると保護範囲が変わり、思った通りに地絡継電器が動作しません。間違いがないように理解しておきましょう。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

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