「今度は戦争に踏み込む」大沢たかおが語る、映画「沈黙の艦隊 北極海大海戦」の深化
「今度は戦争に踏み込む」大沢たかおが語る、映画「沈黙の艦隊 北極海大海戦」の深化2025/9/26 07:30石井 健- エンタメ
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俳優、大沢たかおが異彩を放っている。「キングダム」シリーズでは筋骨隆々の肉体を作り上げ「最強」の王騎将軍を演じてSNSを沸かせ、CMでも「無敵」キャラで存在感を示す。26日公開の映画「沈黙の艦隊 北極海大海戦」(吉野耕平監督)では、主演に加えプロデューサーも兼任した。
戦争の真の恐怖
原作は、かわぐちかいじが昭和63年から平成8年まで「モーニング」(講談社)で連載した海洋アクション漫画。映画化により現代によみがえった。
物語の核心は海上自衛官、海江田四郎による反逆だ。日米が共同開発した核ミサイル搭載原潜を奪取し、独立国「やまと」建国を宣言する。
安保政策に鋭く切り込む作品性から、2年の国会でも議論の俎上に載った。
映像化は松橋真三プロデューサーが提案。「キングダム」「国宝」などの仕掛け人でもある。大沢は電車移動中に相談を受けたが、2人とも「キングダム」の撮影で多忙を極め企画は立ち消えた。しかし米アマゾンMGMスタジオの参画で復活を果たした。
大沢は独自人脈を駆使して防衛省・海自の撮影協力を取り付けるなど、製作面でも汗を流した。第1作は令和5年9月に封切られ話題を呼んだ。
続く6年2月配信のドラマ「シーズン1 東京湾大海戦」も好評で、満を持しての第2弾映画化となった。
「第1作は誰も命を落としていない。『戦いたくない』が前提だったが、今回は戦争に踏み込みます」と大沢。高度な視覚効果を駆使した戦闘シーンもあり、「戦争の真の恐怖を見せたかった」と語る。
別次元の仕上がり
俳優、大沢たかお(石井健撮影)大沢が演じる主人公、海江田像も一段と掘り下げられた。第1作では謎めいていたが、「彼自身も〝兵器と化して〟戦わざるを得ない存在」であることを浮き彫りにする。
平和の意味を根本から問い直し、正義の概念を解体し、善悪の境界線上で揺れ動く人間を描く。前作を踏まえながらも全く別次元の仕上がりで、「5年前でも10年後でも作れない。まさに今作るべき作品」と強調する。
意外な方面からの脚光も話題となった。今年5月には王騎将軍の画像の表情を「育児に忙しい母親」に重ねた大喜利がSNSで盛り上がり、「大沢たかお祭り」現象を巻き起こしたのだ。
デビューから30年がたつが、「成長していない。変わらない。昔と同じように迷い、緊張し、不安がある」と率直に明かす。
「僕の場合、そういったものがなくなったら俳優としての魅力はほぼゼロ。これで、いいのでしょう。先のことを決めるのも苦手なので、未来のことは未知のままで頑張ります」
(石井健)
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