高級魚「ミナミマグロ」の違法操業で「漁獲枠半減」の処分に…かつて日本で行われた「悪質な漁業」が引き起こした「マグロの枯渇」
2026.01.23- #社会
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川本 大吾
時事通信社水産部長
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面積世界第6位(排他的経済水域)、しかも北からの親潮やリマン海流といった寒流、南からの黒潮や対馬海流の暖流が交錯、世界でも名だたる好漁場として高いポテンシャルを持つ日本の海。その恩恵にあずかり、わが国では古くから豊富な魚介類を獲り、食し、和食文化を形作ってきた。
その日本の魚食・漁業がいま、危機に瀕している。
1990年代前半まで世界一を誇っていた漁獲高もいまではベスト10圏外から転落、すでに漁業大国とは言えない現状になっている。
なぜこのような事態に陥っているのか?
日本の漁業を30年以上取材し続けているベテラン記者が、新刊『国産の魚はどこへ消えたか?』(講談社+α新書)でそのリアルを明らかにする。
『国産の魚はどこへ消えたか?』連載第43回
-AD-『“ワシントン条約”で日本に要求された「クロマグロの禁漁」…政府の激しい抵抗がもたらした「日本のマグロ漁の実態」』より続く。
日本周辺では獲れない高級魚「ミナミマグロ」
日本の和食文化がもてはやされ、マグロの利用は世界的に広がっていることから、持続的な利用を意識した漁業国の管理義務に対する意識は高まっており、今後も全面禁漁といった規制にまで及ぶことは考えにくい。その意味で、国際漁業管理機関における慎重な資源評価と、それに基づく管理策が重要な役割を担う。
マグロと名のつく大型魚は、「高度回遊性魚種」と呼ばれ、クロマグロを筆頭に、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロ(ビンチョウとも言われる)など、種類が多く、世界の海洋に分布している。
Photo by gettyimagesこの記事の全ての写真を見る(全5枚)クロマグロに次いで高級とされるミナミマグロは、主にインド洋で漁獲されることから、豊洲市場など魚市場では古くから「インドマグロ」と呼ばれている。日本周辺では獲れず、ほとんど冷凍物として、静岡県の焼津港や清水港で水揚げされ、首都圏など県外へ出荷されている。
水産庁によると、日本のマグロ供給量のうち、ミナミマグロのシェアは5%ほどと少ない年間1.6万トン(2022年)。日本近海のクロマグロとは違って、小型魚があまり流通していないこともあって、ほぼすべてが高級魚だ。
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