手術支援ロボット「ダビンチ」最新型導入、2台体制へ 福井大医学部附属病院 セーレンが購入費寄付
拡大する遠隔操作手術支援ロボット「ダビンチ」による手術の様子=福井県永平寺町の福井大医学部附属病院(同病院提供)
福井大医学部附属病院(福井県永平寺町)は、高性能な手術支援ロボット「ダビンチ」の最新型を導入し、4月から2台体制での運営をスタートする。高額な導入・維持コストから全国でも2台体制の病院は2%ほどで、身体負担が少ない手術の提供拡大や若手医師の育成が期待される。1月20日、購入費を支援するセーレン(本社福井市)と寄付覚書を締結した。
導入するのは米国製の「ダビンチXi」で、2013~24年に同病院で使われた旧型の「ダビンチSi」に比べ操作精度などが向上。手ぶれ補正機能や多関節アームの広い可動域による安定した操作ができ、高倍率のハイビジョン立体視など視認性も高い。傷が小さく出血が少ない高精度手術が可能で、患者の早期復帰や身体機能温存なども期待できるという。
13年のSi導入から、保険適用領域の拡大とともに同病院のダビンチ手術症例数は右肩上がりで推移。24年に1台目のXiを導入し、25年は大腸がんや前立腺がん、子宮がんなど200超の手術で活用された。同病院ではダビンチのほか、国産の手術支援ロボ1台を導入している。
身体的負担を軽減する手術ニーズが高まる一方、1台数億円の導入費に加え、消耗部品やメンテナンスなど高額な維持費が導入拡大の壁になっている。手術ができる全国約6千の医療機関のうち、ダビンチ2台体制をとる医療機関は100程度にとどまるという。
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セーレンが地域社会貢献活動の一環で、購入費2億4千万円の寄付を決めた。福井市の本社で寄付覚書締結式があり、川田達男CEOと藤枝重治病院長が覚書に署名。川田CEOは「住民が安心して高度医療を受けられる環境づくりに貢献していく」とあいさつ。藤枝病院長は「高齢化が進む福井で高度な先進医療を提供し続ける使命を果たしていきたい」と述べた。
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Xiはシミュレーターとして活用でき、若手医師の育成も期待されている。同病院では今後5年間で、症例数は年間400~500、ダビンチ手術を担える医師のライセンス取得者数を60人程度まで倍増させる計画。福井大医学部外科学1の五井孝憲教授は「外科医不足にもダビンチは大きな力になる。医師を養成する福井唯一の医学部として、日本の外科医療をリードするハイレベルな医師の育成につなげたい」と話した。