日本とこんなに違う、フランスの「大人の」お正月の過ごし方
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日本とこんなに違う、フランスの「大人の」お正月の過ごし方 Posted on 2023/01/01 ルイヤール 聖子 ライター パリフランスのお正月は、家族と一緒に…というより、気の合う人とワイワイ楽しく過ごすことが多いようです。 日本ですと、正月行事に正月飾り、お年玉、おせちなど、この時期ならではの風習がたくさんありますね。 一方でクリスマスに重きを置くフランスでは、お正月の過ごし方が意外とあっさり・シンプルなものだったりします。 家族と一緒にお正月を過ごさないフランス人。 では、それぞれどんなことをして元旦を迎えるのでしょうか。 10代後半〜20代の若い方でしたら、やはり友達と集まって、花火を見に行ったりホームパーティーを開催したりと大いに盛り上がるようです。 ただ年齢が上がるにつれ、「もう少し緩やかに過ごしたい」と思うフランス人が多いというのもまた事実。 そこで、子供たちが巣立ち、時間に余裕のできた大人のフランス人がどういったお正月を過ごしているのか、覗いてみたいと思います。
子供たちがそれぞれ友人と過ごしている間、大人たちもそれぞれの時間を過ごします。 夫婦やカップルであれば基本はパートナーと一緒に。 でもそれだけではないようです。 例えば、近所でひとり暮らしをされている高齢の方を招いたり、友人カップルを招いたりと近しい仲間うちが集まることも。 場所はやはり誰かの自宅で、アペロタイムからしっかりと時間を取って、年が切り替わる瞬間を皆で待ちます。
※特別な日はアペロにも特別なサラミが登場。
アペロとは夕食前の食前酒・おつまみを楽しむひと時のことですが、普段から長めのアペロが、クリスマスや年末年始にはさらに長くなります。(1時間→2時間といった具合に) 一通りのおしゃべりを楽しんだ後は、いつもと同じように前菜のメニューに移っていきます。 ※これは元日ではなく、31日大晦日夜の内容です。
※アペロメニューのひとつ、乾燥デーツとブルーチーズを生ハムで巻いたもの
「日本では年越しにお蕎麦を食べますが、フランスでは何か特別なものを食べるのですか?」と訊いたところ、「だいたいクリスマスのメニューと似ている」と返ってきました。 ということで、前菜には主に生牡蠣、フォアグラ、エスカルゴ、スモークサーモンなどが用意されます。
メインにはターキー、ジビエ料理、シャポン(去勢済みの雄鶏)、プーラード(一度も卵を産んでいない雌鶏)など、フランス人もめったに食べない高級食材が並びます。 ただ、豚肉だけはフランスで安く手に入るため、めでたい席では絶対に出さないのだそう。
※プーラード(Poularde)。ジャガイモとニンニクを添えてオーブンで焼きます
デザートはクリスマス・ケーキほど特別なものは用意しないとのことですが、年末になるとシュトーレンやヌガーの登場回数が増えるのは確かです。
※ヌガー。クリスマス・マーケットでもよく売られている、フランスの伝統的なお菓子
さて、日本には年末年始の特別番組があります。 これはフランスにもあって、伝統的に皆が観ているものは、なんとあの「ムーラン・ルージュ」のTVショーなのだそうです。 若い人はもう観ないかもしれませんが、大晦日と言えばムーラン・ルージュ、という具合で一つの風物詩にもなっているのだとか。 食後はそんな番組を観たり、再び歓談をしたり、音楽をかけて踊ったりしながら深夜0時を待ちます。
※フランスのTV番組表
年が切り替わると、花火が打ち上げられたり、車のクラクションがあちこちから聞こえるようになります。 大人たちは無理せず眠くなったらお開き、となりますが、0時過ぎにシャンパンを再び開けることもあります。 そして元日は家族や友人に電話をかけたりして新年の挨拶を行います。 またフランスにも「今年の抱負」を作成する習慣があるようです。 これは1月の第一週が終わるまでに作成されるもので、自分自身と少なくとも1つ以上の約束を取り交わします。 なお、例としては、1、運動をする、2、本を読む、3、健康的な食事を心がける、4、禁煙、など、大人の層では健康に関する抱負を述べる人が多いようです。
フランス人の仕事始めは早く、今年は1月2日から早速オフィスに向かわなければいけません。 そうした事情もあるのか、年末年始は意外にもあっさり・シンプルです。 大晦日は御馳走を食べるけれども、元日の食事はその残り物で…という家庭も少なくない。 楽しいバカンスが終わってしまって、1月1日の夜にはもう「明日から仕事をしなければならない」とブルーになっている人も見られます。 というように、フランスのお正月には少し「クリスマスの延長」な雰囲気があります。 いわゆる日本のお正月とは全く異なっていて、あくまでも「新しい年がやってくる」というイベント的な要素がありました。
Posted by ルイヤール 聖子
ルイヤール 聖子
▷記事一覧2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。 猫と香りとアルザスの白ワインが好き。
・フランスのコスメショップで発見、“あなた次第”の美容文化 ・物価高で新しい意味を持つフランスのフリーマーケット。蚤の市にも負けない熱気! ・夏、パリの噴水アートを探して