ひな祭り発祥地、福井県越前市か…歴史書「ホツマツタヱ」に原型儀式の記述
拡大する紙芝居を制作した子どもたち=福井県越前市小野谷町の北日野児童センター
ひな祭りの発祥の地は福井県越前市か―。縄文から弥生時代までの日本の国造りについて書かれた歴史書「ホツマツタヱ(秀真伝)」に、同市の日野山でひな祭りの原型の儀式が始まったと推測できる記述があるとして、郷土史を研究する同市北日野地区の「こしの歴史勉強会」が地域おこしに生かそうと活動している。歴史書は偽書との指摘もあるが、同会は「地域にとって魅力的な物語。伝承として生かしたい」と期待を込めて発信を目指す。
同会などによると、現存しているホツマツタヱは江戸時代の書物。研究者の間では偽書であるという考えが根強いものの、一部の歴史愛好家は古事記や日本書紀の原書の可能性があると指摘する。書物が見つかった滋賀県高島市では今年、日本ホツマツタヱ協会が設立されるなど愛好家による研究が続いている。
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北日野地区では、こしの歴史勉強会のメンバーがホツマツタヱの存在を知って調べたところ越前市にまつわる記述があることを知り、今年から本格的に研究を開始した。
ホツマツタヱには「こしくにの ひなるのたけの かんみやに」という記述がある。同会や日本ホツマツタヱ協会によると、こしくには「越の国」、ひなるのたけは日野山の旧名「雛ケ岳」、かんみやは「神の宮」で日野神社と推測できるという。
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その後に3月3日や桃の花、お神酒といった記述があることから、ひな祭りの原型が日野山で生まれたと読み解けるとしている。また、男神と女神による婚姻の儀式が初めて同神社で営まれたこともうかがえるという。
子どもたちに地域の歴史を知ってもらおうと、同勉強会、北日野公民館、北日野児童センターが紙芝居を制作。北日野小児童も参画しており、今月11日には読み聞かせの練習をした。同校で開かれる「きたひのまつり」、11月2日にたけふ菊人形の会場で披露し、地域の伝承を広める考えだ。
同勉強会の久保るり子会長はホツマツタヱについて、旧武生市史にも日野神社の由緒として取り上げられているとし「真贋(がん)がどうというのではなく、素晴らしい伝承としてまちづりに生かしていきたい」と話している。
ホツマツタヱ 漢字が伝わる以前の日本にあったとされる「ヲシテ文字」という古代文字を使って五七調の和歌で記されている。天・地・人の3部構成で40巻あり、1992年に滋賀県高島市の日吉神社で江戸時代に製本された全巻が見つかった。しかし、江戸時代以前に書かれたホツマツタヱに関する書物や、ヲシテ文字を使って書かれた書物は見つかっていない。また、古事記や日本書紀は漢字が使われ8母音だが、ホツマツタヱは現代と同じ5母音を使っており、偽書であるという考えが根強い。