『泥棒洞窟実験』とは?【ゼロからわかる社会心理学実験】
スポンサーリンク
目次へ
GO
心理学実験:『泥棒洞窟実験』がゼロからわかるようにまとめました。
専門用語は極力使わず、以下のことが順にわかるようになっています。参考にして下さいませ。
このページでわかること- 基本事項
- 実験内容
- 実験結果
- 参考文献
▼YouTubeバージョン▼
スポンサーリンク
タッチ⇒移動する目次
『泥棒洞窟実験』とは?
まずは「『泥棒洞窟実験』とは?」の基本的なことです。
スポンサーリンク 『『集団間葛藤』のリアルを再現した心理学実験』『『泥棒洞窟実験』とは一言でいうと、『集団間葛藤』のリアルを再現した心理学実験のこと』をいいます。
『集団間葛藤』というのは、簡単にいうと以下のことです。
『集団間葛藤』とは『集団間の対立』のこと【集団間葛藤とは…】
集団間の対立のことで、自分がいる集団には肯定的な感情を抱く一方、他人がいる集団には否定的な感情を抱くこと
泥棒洞窟実験はこれらの人間心理を実験によって再現しました。
スポンサーリンク 社会心理学者:シェリフらが実施実験を実施したのは社会心理学者:シェリフ夫妻らです。
スポンサーリンク 1954年:オクラホマ州の”泥棒洞窟”と呼ばれるキャンプ場で行われた1954年:アメリカのオクラホマ州にある“泥棒洞窟”と呼ばれるキャンプ場で行われました。
これが泥棒洞窟実験と呼ばれる理由です。
実験の期間は3週間に渡りました。
スポンサーリンク 10代前半の少年たち20数名が参加実験に選ばれたのは、10代前半の少年たち20数名です。
少年たちの引率には大人が複数人付き添いましたが、その全員が、実験のために指導を受けたスタッフでした。
スポンサーリンク泥棒洞窟実験の流れ
実験内容の流れです。順に見ていきます。
スポンサーリンク 2つのグループに分けられた少年たちがキャンプ場へまず前提として、実験に選ばれた少年たちは2つのグループに分けられます。
そのうえでキャンプ場(泥棒洞窟)に連れていかれました。
スポンサーリンク ※お互いの存在は知らされていないなお、この段階では、少年たちはお互いのグループの存在を知らされていません。
スポンサーリンク <第1段階>仲間意識の形成実験は3段階に渡って行われました。
まず第一段階は『仲間意識の形成』です。
少年たちはキャンプ場での共同生活を通じて、グループ内での仲間意識を強めます。
時にはハイキングなども行われ、少年たちは実験期間の3週間のうち、実に1週間ほどをかけ、“集団としての結束”を育んでいきました。
それぞれのグループの少年たちは、自分たちが所属するグループに、『イーグルズ』や『ラトラーズ』という名称も付けます。
グループへの愛着をより深めていきました。
ーーーーー
※グループ名の意味についての補足
イーグルズ(Eagles):ワシ
ラトラーズ(Rattlers):ガラガラヘビ
ーーーーー
その最中、少年たちは引率していた大人たちから、大きく次の2つのことを告げられます。
ここで少年たちに告げられたこと- 実は集団はここ以外にも、もう一つ存在する
- その集団とは近い内に競技を通じて対戦する
集団内でより仲間意識を強めていた少年たちは、このことを告げられたことで、まだ見ぬ相手集団に対して敵対心を持つようになっていました。
スポンサーリンク <第2段階>集団同士の対立第2段階は『集団同士の対立』です。
少年たちは野球や綱引きなどを通じ、集団同士で対戦しました。
対戦は盛り上がりを見せ、少年たちは相手集団に勝つために、集団内の個人の役割を明確化するなど、より勝利に執着するようになったといいます。
集団間の対戦で少年たちの敵対意識が助長された理由には、以下の例が指摘されています。
対戦で敵対心が助長された理由の例- 集団内で強まった仲間意識
- 相手に負けたくない本能
- 勝つともらえる賞品の存在
この第2段階に行われた少年たちへの調査によると、『ほとんどの少年が自分と同じ集団のメンバーを肯定的に評価していた一方、相手集団に対しては否定的に評価していた』ことが明らかとなっています。
つまり集団間葛藤が助長されていたということです。
スポンサーリンク <第3段階>集団間葛藤の解消最後の第3段階では、ここまで助長されてきた『集団間葛藤の解消』が試みられました。
スポンサーリンク ・失敗に終わった”集団同士の交流”そこでまず実施されたのは、“集団同士の交流”です。
食事や映画鑑賞などを集団同士が交わって行うことで、集団間の対立の修復が促されました。
しかし、結論からいうと、これらはすべて”逆効果”。
両グループの接触は、かえって事態を悪化させることが判明し、残飯の投げ合いや罵声などが飛び交う結果に終わりました。
・『上位目標』が集団間葛藤を解消したそこで実施されたのが、『上位目標』の導入です。
これは『お互いの集団が協力しないと達成できないような目標のこと』で、実験では次のことなどが実際に導入されています。
実験で実施された『上位目標』の例- 故障した飲料水貯蔵タンクの修理
- 立ち往生した水を運び上げるトラックをロープで引っ張り救出
どちらも水不足が絡んだ死活問題です。
そのため、少年たちは集団間で力を合わせ、これらの上位目標を達成しました。
すると対立した集団間で罵声などが減少。
実際にこれらの上位目標が達成された後に少年たちに実施された調査でも、『相手集団を肯定的に評価する少年たちが増えていた』ことが明らかとされています。
上位目標によって、集団間葛藤が解消された結果となりました。
スポンサーリンク泥棒洞窟実験の実験結果
実験結果のまとめです。わかりやすさを重視し、要点のみを取り上げています。
【結論】上位目標による集団同士の”協力”は、集団間葛藤を解消し得る集団間の対立(集団間葛藤)の解消には、集団同士が協力しないと達成できないような上位目標の導入が効果的だった
【実験後の調査結果】集団間の友好関係が改善上位目標を達成した後の調査によると、相手集団に対して好意的に評価する割合が飛躍的に向上していた
スポンサーリンク泥棒洞窟実験のまとめ
敵対している集団同士の対立の解消には、時に集団同士の交流ではなく、上位目標による協力の方が効果的となり得る。
このことは現実世界にも広く活かせる側面がありそうだ。
それでは。
参考文献ページをつくるにあたり、大いに参考とさせていただきました。
ありがとうございました。
>>徹底図解 社会心理学ー歴史に残る心理学実験から現代の学際的研究まで
>>社会心理学
・Sherif, M., Harvey, O. J., White, B. J., Hood, W. R., & Sherif, C. W.(1961)Intergroup conflict and cooperation: The Robbers Cave experiment. University of Oklahoma.
関連ページ▼心理学実験まとめ▼
2023年9月15日 【『心理学実験』の例】一覧まとめ【面白い&怖い5種類(+α)】
心理学実験