要人乗艦で警報、画像チェック…米軍・自衛隊トマホーク訓練ルポ 「戦いでは容赦せず」
要人乗艦で警報、画像チェック…米軍・自衛隊トマホーク訓練ルポ 「戦いでは容赦せず」

要人乗艦で警報、画像チェック…米軍・自衛隊トマホーク訓練ルポ 「戦いでは容赦せず」

要人乗艦で警報、画像チェック…米軍・自衛隊トマホーク訓練ルポ 「戦いでは容赦せず」2024/3/31 16:22元の記事を見る
  • 政治
  • 政策

米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)のメインゲートから、米兵が運転するワンボックスカーで軍港に向かって数分間走ると、停泊中のミサイル駆逐艦マッキャンベルの艦体が見えてきた。マッキャンベルは米国製巡航ミサイル「トマホーク」を搭載できるイージス艦だ。自衛隊へのトマホーク導入に向け、3月28日に行われた艦上訓練を取材した。

「カン、カン、カン、ザ・ユナイテッド・ステイツ」

マッキャンベルで報道各社の取材に応じるエマニュエル駐日米大使 =28日(岡田美月撮影)

戦闘指揮所の隣室で待機していると、艦内に警報音が鳴り響いた。エマニュエル駐日米大使がマッキャンベルに到着した合図だった。

米海軍では訓練中に政府要人らが乗艦するとき、安全配慮のため、艦内にこうした警報音を鳴らして乗艦を知らせる。この日の訓練ではトマホークを実際に発射することはなかったが、乗艦する際に垂直発射装置(VLS)からミサイルが発射されたら大惨事につながりかねないためだ。

大使はハイタッチ

艦内の通路は狭く、すれ違うのがやっとだ。取材者は2グループに分けられ、指揮所に案内された。

指揮所の中は青白い電灯に照らされ、端末とモニターが所狭しと並ぶ。目の前では真剣な表情の自衛官が、娘ほど年齢の離れてみえる米兵からトマホークの運用に必要な操作を習っていた。

自衛官や米兵ら、数十人がすし詰め状態だ。海自だけでなく空自隊員の姿もある。一団の中でエマニュエル氏は興奮気味に訓練を見守っていた。架空の地図を基にしたトマホークの「攻撃」が成功したのか、エマニュエル氏と米兵がハイタッチする場面もあった。

ミサイルを発射する米海軍のイージス駆逐艦マッキャンベル(米海軍第7艦隊提供)

「操作は非常に複雑だ。日本の自衛官たちは実際の戦闘で使うボタンや操作卓を使ってリハーサルを行った」。マッキャンベルなどを率いる第15駆逐隊司令官、ハーツ大佐がそう説明してくれた。

「この写真は捨てて」

指揮所では写真や映像の撮影が許可された。ただしモニターの画面は機微な情報を含むため、被写体に入れないことが条件だった。

「これはOK。これは捨てて。これはOK。ん~、これは捨てて」

指揮所での取材を終えて隣室に移った後、撮影した画像や映像は米兵らの綿密なチェックを受けた。画面が一片でも写っていたら容赦なく削除の対象となる。記者が撮影した画像も10枚ほど削除を言い渡された。

米海軍ミサイル駆逐艦マッキャンベルの垂直発射装置(手前)=28日、神奈川県横須賀市(岡田美月撮影)

ほぼ垂直に設置されたはしごのような階段を上って甲板に出ると、垂直発射装置の真横でハーツ大佐らが待っていた。大佐は「訓練時間に十分ということはなく、何度も繰り返すことが重要だ」と強調した。

「RELENTLESS IN BATTLE」

米兵によると、艦艇にはそれぞれスローガンがあり、マッキャンベルの艦体には「戦いでは容赦しない」との言葉が描かれている。

自国や同盟国を守るためなら、敵国に対する反撃で決して容赦はしない-。こうした米側の決意に応えるかのように、岸田文雄政権は防衛力の抜本的な強化を掲げ、令和9年度に防衛費を国内総生産(GDP)比2%まで増額、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有にも踏み切った。トマホーク導入は、この反撃能力を十分かつ早期に獲得するための措置となる。

エマニュエル氏は岸田政権が講じてきた一連の安全保障政策について、「日米2国間関係とインド太平洋地域の共同安全保障に変革をもたらす措置だ」と述べ、強固な日米同盟をアピールした。(岡田美月)

📎📎📎📎📎📎📎📎📎📎
BOT