旭ダイヤモンドが一時ストップ高、経産相が社名言及で「ダイヤモンドウェハ」供給網の要衝に
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2026年2月19日 13:34

 2月18日、旭ダイヤモンド工業(6140)の株価が急伸。終値は前日比103円高(+9.02%)の1,245円となったが、取引時間中には制限値幅の上限となる1,442円まで買われ、年初来高値を大幅に更新する場面があった。出来高は3,176万株、売買代金も389億円を超える異例の大商いとなっている。

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 この急騰を誘発したのは、同日の赤沢経済産業大臣による記者会見での発言である。報道によれば、大臣は米国での人工ダイヤモンド製造プロジェクトに関し、旭ダイヤモンド工業が「製品の購入」に関心を示していると具体的に社名を挙げた。

 閣僚が特定の企業名を出して国策に関連するプロジェクトへの関与を明言するのは極めて異例であり、市場では同社を対米投融資案件の「本命」と位置づける動きが強まった。

 ここで注目すべきは、旭ダイヤモンド工業がプロジェクトにおける「購入者」として指名された点である。一見すると単なる顧客としての立場に見えるが、市場ではこれが同社のビジネスモデルを根底から変える「戦略的調達」であるとの受け止めが広がっている。

 旭ダイヤモンド工業は、長年培った超精密な「磨き・切り」の加工技術を有している。米国で製造される高品質なダイヤ原石を優先的に確保することで、次世代半導体基板としての「ダイヤモンドウェハ」を世界に先駆けて量産・供給するサプライチェーンの要所を押さえる格好となる。

 この「日米連携による素材確保と加工」というシナリオは、単発の受注ニュースとは異なり、今後の日米半導体政策の進展に合わせて続報が供給されやすい性質を持っており、テーマとしての持続性は高いとみる向きが多い。

 需給面と市場心理においても、大きな変化の兆しが見て取れる。

 今回の急騰において発行済株式数の半分超に相当する3,176万株超の出来高を記録したことは、これまでの短期投機筋の利確売りを飲み込み、新たな大口投資家や機関投資家が参画した「需給の大回転」を示唆している。

 根拠となるのは、一時ストップ高を付けた後に1,100円台まで押し戻されながらも、高い売買代金が維持された点だ。この推測を裏付けるには、今後数日間の調整局面で本日の安値である1,061円を割り込まずに推移できるか、あるいは5%ルールに基づく大量保有報告書が提出されるかを注視すべきである。

 また市場心理の観点からは、旭ダイヤモンド工業が「素材を買う側」に回ることで、製造コストの変動リスクを抑えつつ、高付加価値な「加工技術」という自社の強みに特化できるとの評価も浮上している。これは従来の工具メーカーという枠組みを超え、半導体サプライヤーへと変貌する「事業構造の転換」への期待だ。

 この期待が持続する条件は、同社が米国産ダイヤを用いた具体的な製品化スケジュールや、加工拠点の新設・拡張といった設備投資計画を早期に提示することである。もしこうした具体的な裏付けが遅れれば、期待先行の「思惑買い」が剥落するリスクも否定できない。

 今後の株価が再び上方向を目指すには、まず18日の長い上髭となった1,300円から1,400円台に滞留する戻り売り圧力を解消し、終値ベースで1,442円を明確に上抜けることが焦点となる。そのためには、経済産業省から発表される対米投融資の具体的な予算配分や実施期間が、同社の事業計画と整合する形で示されることが第一の関門となろう。

 加えて、2月10日の第3四半期決算で示された自社株消却などの株主還元姿勢が、今回の新事業への期待と相まって、PBR1倍割れ是正への強い動機として意識され続けるかが鍵を握る。

 一方で下押しリスクとしては、日米の政策協議が停滞し、材料が「出尽くし」と見なされて出来高が急減するシナリオが想定される。特に信用取引の買い残高が急増している可能性には注意が必要である。(記事:インベストメディアワークス・記事一覧を見る)

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