剣道の試合の流れと礼法を動画付きで解説、礼法の動作にはこんな意味があった
剣道の試合の流れと礼法を動画付きで解説、礼法の動作にはこんな意味があった

剣道の試合の流れと礼法を動画付きで解説、礼法の動作にはこんな意味があった

剣道の試合の流れに関してまとめています。開始時に何をどうして、終わったらどうすればいいのか? 動画とともに解説をしていきます。

なお、剣道は定められた部位への一定条件を満たす打突によって勝敗を争う競技ですが、そこには伝統の武道ならではの作法や礼法が込められています。

特に試合開始前後に行う一連の「礼」には、古式ゆかしい相手への尊重の念の示し方が伝承されており、武士道精神の発現として貴重な文化遺産としての側面ももっています。

そこで、単にやり方を知って終わりにするのではなく、剣道の試合の流れを中心に各礼法の意味するところと、独特のルールについてもお伝したいと思います。

目次
  1. 剣道の試合の流れはこうなっている
    1. 試合開始の流れ
    2. 試合終了後の流れ
  2. 相互の礼から帯刀動作
  3. 古来の礼法、蹲踞礼
  4. ガッツポーズは厳禁
  5. 打ったあとも気を緩めない(残心)
  6. まとめ

剣道の試合の流れはこうなっている

実際に試合を見たら分かるとおり、試合開始時と試合終了時のは大きく次の流れになっています。

試合開始の流れ

全日本剣道選手権大会の動画から開始を抜粋

  1. 向かい合う
  2. 礼をする(15度頭を下げる目礼)

  3. 3歩前に出る
  4. 蹲踞(そんきょ)する
  5. 審判の「始め」の声とともに立ち上がる
  6. 立ち上がったら試合開始

なお、大会の最初の試合の場合と決勝戦の場合には、向かい合ってお互いに礼をする前に正面に向かって礼をします。

試合終了後の流れ

全日本剣道選手権大会の動画から終了の箇所を抜粋

  1. 勝敗が決まる
  2. 試合開始の際に蹲踞(そんきょ)した位置に戻る
  3. 蹲踞(そんきょ)する
  4. 竹刀を納める
  5. 立ち上がる
  6. 後ろに下がる
  7. 礼をする(15度頭を下げる目礼)
  8. 退場する

なお、決勝戦の場合には向かい合ってお互いに礼をした後に、正面に向かっても礼をします。2日以上にわたって大会が開催されるときは、1日の最終試合の場合もお互いに向かい合って礼をした後に正面に向かって礼をします。

相互の礼から帯刀動作

では、各動作についしてより詳しく見ていきます。

「礼に始まり礼に終わる」と言うように、武道である剣道はまず初めにお互いの礼を取り交わすことから始めます。

しかし、このときの礼はこれから剣を交える相手に対する、いわば臨戦態勢の礼に当たりますので、深々とは行いません。相手から目を離さないようにして、約15度といった浅い角度で行います。目を合わせたまま礼をしますので目礼になります。

これは正面や神前に対する約30度という深い礼とは性格の異なるもので、決闘に赴く剣士ならではの礼法です。

また、礼を交わした後には左手に提げていた竹刀を腰の辺りまで引き上げてから、その姿勢で前へと進み出ます。これを「帯刀姿勢」といい、つまり刀を腰に差して臨戦態勢を整えた、という状態を表現しているのです。

慣れてしまえば当然のように身につく動作ではありますが、武士道に根ざした深い意味を理解して、厳かな気持ちで行ってほしい礼法と動作です。

古来の礼法、蹲踞礼

相互の礼を交わし帯刀姿勢で三歩進み、竹刀を抜き合わせながらしゃがみこむという独特な作法があります。これは「蹲踞礼」という古式の作法を踏襲するものであり、文化遺産的にも非常に貴重な動作であるといえます。

古来、日本では自身を低い位置に置くことで相手を敬うという文化があり、蹲踞もその風習を伝えるものです。

また、低い位置に沈み込みながら臍下丹田に気を下ろし、気力を充実させて勝負に臨むという意味もあります。古流武術ではこの蹲踞礼はめずらしいものではありませんが、現代武道においては相撲道や日本拳法など、一部の武道でしか見ることのできない礼法となっています。

剣道での蹲踞礼のもつ意味を十分に理解して、形式的な動作にしてしまわないような心がけが必要です。

ガッツポーズは厳禁

剣道の試合では、定められた部位に「気・剣・体」が一致した打突を加え、「一本」を取得することで勝敗が競われます。

多くの場合は三本勝負で、先に二本を先取したほうの勝ちとなります。

「気・剣・体」とは「心・技・体」とも言い換えることができ、ただ竹刀が相手に強く当たっただけでは一本とはならず、充実した気勢と適正な姿勢を同時に満たしていることが必要とされます。

これが剣道における「一本」認定の難しいところであり、また独特の精神性の拠り所ともなっているのです。

例えば、自身の打突で旗が三本上がったのを見て思わずガッツポーズをしてしまったとします。この場合、即刻一本の取り消し、あるいは反則認定、また厳しい場合には退場を命じられる可能性もあるほどの厳罰対象となります。

これは禁則事項である「見苦しい引き揚げ」に該当するものとされ、絶対にしてはいけないことの一つとして周知されています。

通常のスポーツであれば何の問題もない、すがすがしい動作ではあるのですが、剣道では打った(斬った)後も気を緩めることなく、また相手への礼も尽くすという観点から禁止しています。

打ったあとも気を緩めない(残心)

そして、剣道の独自ルールとして打突後の所作にも厳格な定めがあります。必ず「残心」を行い、一分の隙も見せない気構えを示さなくてはなりません。先ほどもお伝えしたとおり、打った(斬った)後も気を緩めることなく振る舞う必要があります。

まとめ

剣道では一見、その意味が分かりにくい礼法やルールが存在していますが、それらはすべて古来の武士道に由来するものと考えてよいでしょう。

真剣を執っての立ち合いから徐々に、安全にお互い傷つくことなく剣技を磨きあえるように発達していったのが剣道です。

ルールの中には相手を尊重し、敬うためのものが多く含まれており、それは相手が自分自身を成長させてくれるかけがえのない存在であるためです。

このように、初心のうちから剣道の礼法やルールに込められた意味をよく理解し、日々の稽古に励んでいただきたいものです。

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