続・Close-Up Interview 米倉森
[1ページ目] Close-Up Interview 続・Close-Up Interview 米倉森 2024-08-30 2│つまりドバイはお金持ちということです 3│“中高生の目標に”を目標に 4│ドイツに憧れる未来の後輩のために世代トップクラスの実力を持つクラリネット奏者 米倉森。彼女の奏者としてのキャリアはドイツ時代が中心となり、従って今回のインタビューもそのドイツ時代の話を多く聞かせてもらった。その話は音楽に関わるだけ部分だけでなく、ドイツでの生活そのものにも及んだ。さながら留学紀行のような内容となったロング・インタビューの後半をお楽しみいただきたい。
米倉森
Mori Yonekura
秋田県立能代高校、武蔵野音楽大学卒業、ドイツ ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン修士課程を首席で修了。第4回チェコ国際クラリネットコンクール入選。これまでにクラリネットを安藤満里、山本正治、Prof.Martin Spangenberg、Prof.Ralf Forsterの各氏に、室内楽をProf.Shirley Brill、吉岡アカリの各氏に師事・WISH Wind Orchestraコンサートミストレス。2016年から2017年までブランデンブルク州立管弦楽団エバーズヴァルデ首席クラリネット奏者を務める。ドイツ・ベルリンにてベルリン交響楽団をはじめ様々なオーケストラで活躍。2018年ベルリン交響楽団日本ツアーに参加・これまでにドイツのみならずベルギー、スイス、ポーランド、チェコ、オーストリア、ドバイにてオーケストラ活動をする。2022年ドバイにて、ドバイ IN CLASSICA国際音楽祭にオーケストラメンバーとして参加。ギル・シャハム氏、ファジル・サイ氏らと共演する。ショスタコーヴィチ音楽学校にてクラリネット講師を務める。2022年9月末に10年間のドイツ生活を終え日本に帰国。
異国の地・ドイツ生活 ― ドイツ留学の中でいろいろあったというお話をお聞かせください。 米倉森(以下米倉) そうですね……いろいろと大変でした(笑)。ドイツにはクーラーがないんです。一般家庭も、カフェも、レストランも。ドイツのほうが日本より涼しいですが、それでも猛暑日になることはありますから、そうなるとみんなスーパーマーケットの牛乳コーナーとかで涼んでいるんです。暖房に関してはセントラルヒーティングが行き届いていて、建物内全体に管が繋がっているので、どこかで暖房をつけるとそのまま全館が暖かくなるんです。むしろ暑すぎるくらいですね。あ、でも外はものすごく寒いです。ドイツは高緯度なので、冬が長いです。雨も降らないから湿度も低いですし、ずっと天気が悪い秋みたいな空気です。 ― ドイツはなんとなく天気が悪い印象がありますね。 米倉 それ、よく日本人に言われますね。私の家族がドイツに来たときも「なんなのこの太陽、元気ないね」って言ってました。陽の光が弱いようで、朝カーテンを開けてもあまり明るくならないとも言われましたね。ただ、日照時間が短いというのはあって、それが原因でビタミンD不足になってしまうんです。だから大人から子どもまでみんなビタミンDのサプリメントを飲んでいます。私も飲んでいました。 ― 物価は、日本に比べるとどうでしたか? 米倉 私は安いと感じました。少なくともベルリンは安いですね。ミュンヘンに一年のうち二ヶ月ほど公演で出張していたんですね。『魔笛』や『カルミナ・ブラーナ』などの公演が必ずあるので。ミュンヘンは物価が高くて……食事ひとつとっても、ベルリンで8ユーロくらいで食べられるところが12、14ユーロとか。観光地だからというのはありますが、一応ベルリンも観光地なので、そういう意味では観光地に優しい街なのかもしれません、ベルリンは。 ― 留学生にも優しいですね。 米倉 絶対あります。だから間違いなくドイツ・ベルリンを留学先に選んで 良かったと思います。ドイツは医療費も基本的に無料です。保険料は高いですが、基本的に特に望まないと薬を処方されたりもせず、熱があるからと病院に行っても「リンゴを食べて寝てください」って言われたりとか(笑)。 次のページ: つまりドバイはお金持ちということです 1 | 2 | 3 | 4 次へ> <前の記事 Close-Up Interview 米倉森 次の記事> 私たちは、世界で一番すばらしい楽器を選び、演奏している仲間なのです The Clarinet79号の記事一覧へBOT