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このページの目次- スプレーツールで吹き付けるようにオブジェクトを複製
- スプレーツールの使い方
- 削除モードについて
- まとめ
スプレーツールで吹き付けるようにオブジェクトを複製
まだ紹介していないスプレーツールについて紹介します。 スプレーツールは、スプレーで吹き付けるようにオブジェクトを複製することができるツールです。 複製元となるのは、スプレーツールに切り替える前に選択していたオブジェクトです。
単純な複製だけでなく、クローンとして吹き付けることも、1つのパスとして吹き付けることもできます。 また、消しゴムで消すようにスプレー済みのオブジェクトを消すこともできます。
スプレーツールの使い方では、スプレーツールを使ってみましょう。 まずは、複製元となるオブジェクトを作成し、選択しておきます。
1. 星形を作成して選択する上図のように星形を作成して選択します。 上図では選択ツールで選択していますが、別に星形ツールのままでも大丈夫です。
複製元にするオブジェクトが選択されていれば、どのツールが選択されていても問題ありません。では、スプレーツールに切り替えましょう。
2. スプレーツールを選択上図のように画面左部にあるツールボックスからスプレーツールを選択します(またはキーボードのA(またはSHIFT+F3キー)を押します)。
"Air brush" から連想して覚えましょう。 3. マウスカーソルを中心としたオレンジ色の円が表示される上図のようにマウスカーソルを中心としたオレンジ色の円が表示されます。 この円はスプレーが吹き付けられる範囲を表しています。
では、実際に吹き付けてみましょう。 スプレーツールに関する設定は変更していませんので、標準設定で吹き付けることになります。 スプレーを吹き付けるようにマウスの左ボタン()でドラッグします。
4. 吹き付けるようにドラッグ上図のように吹き付けるようにドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。
5. 星形が複製される上図のように星形が複製されます。 どの星形も複製元と同じ大きさと傾きであることがわかります。 このように、標準設定では同じ大きさと傾きで複製されます。
ではここで選択中の星形、つまり複製元の星形のフィルの色を変えてみましょう。 ただし、スプレーツールでオブジェクトを吹き付けた後は、スプレーツールのままでは色は変えられません。 選択ツールに切り替える必要があります。
Inkscape 1.0系までは、スプレー後にスプレーツールを選択したまま色を変えることができました。 Inkscape 1.1からは、スプレーを行うと複製元オブジェクトの選択が解除されます。 そのため、選択ツールに切り替える必要があります。なお、画面左部にあるツールボックスの選択ツールボタン()は押さないでください。 キーボードのS(またはF1キー)も押さないでください。
これまで選択ツールに切り替える方法として、ツールボックスの選択ツールボタン()で選択する方法、キーボードのS(またはF1キー)を押す方法について説明してきました。 実は、それらの方法以外にも選択ツールに切り替える便利な方法があります。 それは、キーボードのスペースキーを押す、という方法です。 キーボードのスペースキーで選択ツールに切り替えた場合は、再度スペースキーを押すと元のツールに戻ります。
当然ですが、テキストツールでテキストを入力中はスペースキーを押しても選択ツールには切り替わりません。 その場合は、Escキーで入力を終えてからスペースキーを押す必要があります。 スペースキーを押したままマウスを動かすとキャンバスがスクロールします。 選択ツールに切り替える場合は、マウスは動かさずにスペースキーのみ押してください。では、キーボードのスペースキーを押して選択ツールに切り替えてください。
6. 選択ツールに切り替わっている上図のように画面左部にあるツールボックスの選択ツールが選択されています。 このように、キーボードのスペースキーを押すことで選択ツールに切り替えることができます。
選択ツールに切り替えたので、選択中のオブジェクトの色を変えることができます。 画面下部のカラーパレットからフィルを赤色に変えましょう。
7. 色をクリック上図のようにカラーパレットの赤色を、マウスの左ボタン()でクリックします。
8. 複製先の星形のフィルも赤色になる上図のように複製先の星形のフィルも赤色になりました。 これは、クローンとして複製されたためです。 スプレーツールでは、標準設定で吹き付けるとクローンとして複製されます。
では、どれでもいいので複製先の星形を選択してください。
9. 複製先の星形を選択する上図のように複製先の星形を選択します。 選択したら、画面下部の通知エリアに注目してみましょう。
10. 通知エリア上図のように "クローン 星形 ..." と表示されています。 クローンとして複製されたことが確認できました。
では、引き続きスプレーツールで遊んでみましょう。 まずは、最初の星形を再び選択しましょう。
現在は複製先であるクローンが選択されています。 このクローンを新たな複製元としてスプレーツールで吹き付けることはもちろんできます。 ただし、クローンのクローンとなるため管理上わかりにくくなります。 11. 最初の星形を選択する上図のように最初の星形を選択します。 今回もこの星形を複製元にしてスプレーしてみます。
ではスプレーツールに戻しましょう。 キーボードのスペースキーを押してください。
12. スプレーツールに戻る上図のようにスプレーツールに戻ります。 このように、キーボードのスペースキーを押すことで選択ツールから元のツールに戻すことができます。
これでスプレーの準備が整いましたが、ここからは標準設定ではなく設定を変更してスプレーしてみましょう。 まずは、スプレーモードを変更してみましょう。
13. 4つのスプレーモード上図のように画面上部のツールコントロールに "モード:" の4つのボタンがあります。 これらのボタンでスプレーモードを変更することができ、現在はクローンモードが選択されています。 そのため、先ほどはクローンとして吹き付けられました。
ではここでスプレーモードを変えてみましょう。 まずは、削除モードに変更してみます。
14. ツールコントロールの[選択対象からスプレーしたアイテムを削除]ボタンを選択する上図のように[選択対象からスプレーしたアイテムを削除]ボタン()を選択します。
では、削除モードでスプレーしてみましょう。 スプレーを吹き付けるようにマウスの左ボタン()でドラッグします。
15. 吹き付けるようにドラッグ上図のように吹き付けるようにドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。
16. 複製先の星形が削除される上図のように複製先の星形が削除されます。 このように、削除モードではオブジェクトが削除されます。
削除モードについて補足しておきたいことがあります。 まず、削除されるのはオレンジ色の円の範囲内にあるものだけです。 円に入っていないものは削除されません。 また、削除されるのはスプレーツールで複製されたオブジェクトだけです。 オレンジ色の円の範囲内にあるオブジェクトが無条件に削除されるわけではありません。
ただし、スプレーされたオブジェクトであれば必ず削除されるわけではありません。 スプレーされた時のスプレーモードによって変化します。 詳細は後ほど紹介します。では次にコピーモードでスプレーしてみます。
17. ツールコントロールの[最初に選択したオブジェクトのコピーをスプレー]ボタンを選択する上図のように[最初に選択したオブジェクトのコピーをスプレー]ボタン()を選択します。
では、コピーモードでスプレーしてみましょう。 スプレーを吹き付けるようにマウスの左ボタン()でドラッグします。
18. 吹き付けるようにドラッグ上図のように吹き付けるようにドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。
19. 星形が複製される上図のように星形が複製されます。 期待通りの結果です。
ではここで複製元の星形のフィルの色を変えてみましょう。 画面下部のカラーパレットからフィルを黄色に変えてみます。
選択ツールに切り替えないと、オブジェクトの色を変えることはできません。 キーボードのスペースキーを押して選択ツールに切り替えましょう。 20. 色をクリック上図のようにカラーパレットの黄色を、マウスの左ボタン()でクリックします。
21. 複製先の星形のフィルは変化しない上図のように複製先の星形のフィルは変化しません。 このように、コピーモードではクローンではなく単純な複製として吹き付けられます。
ではスプレーツールに戻しましょう。 キーボードのスペースキーを押してください。
では続いて、単一パスモードについて説明します。
22. ツールコントロールの[単一パスでオブジェクトをスプレー]ボタンを選択する上図のように[単一パスでオブジェクトをスプレー]ボタン()を選択します。
では、単一パスモードでスプレーしてみましょう。 スプレーを吹き付けるようにマウスの左ボタン()でドラッグします。
23. 吹き付けるようにドラッグ上図のように吹き付けるようにドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。
24. 星形が複製される上図のように星形が複製されます。 見ればわかる通り、ストロークが交差していません。
ストロークが交差していないのは、1つのオブジェクトとして描かれたためです。 単一パスモードでは、このように1つのオブジェクトとして複製されます。
オブジェクトとしては1つとし、パスとしては分ける『サブパスモード』があればいいのですが今のところそのようなモードは搭載されていません。では次にツールコントロールの幅・量・回転・サイズ変動のパラメータで遊んでみましょう。
25. 最初の星形のみを選択する上図のように選択ツールに切り替えて最初の星形を選択します。
では引き続き、最初の星形を複製元にしてスプレーしてみます。 まずは、スプレーツールに切り替えましょう。
26. スプレーツールを選択する上図のようにスプレーツールを選択します。
さらに、モードをコピーモードに変更しましょう。
27. ツールコントロールの[最初に選択したオブジェクトのコピーをスプレー]ボタンを選択する上図のように[最初に選択したオブジェクトのコピーをスプレー]ボタン()を選択します。
さらに、画面上部のツールコントロールの幅・量・回転・サイズ変動のパラメータを変更しましょう。
28. 幅・量・回転・サイズ変動のパラメータを変更する上図のように画面上部のツールコントロールの幅・量・回転・サイズ変動のパラメータを変更します。 各パラメータの設定値と意味は以下の通りです。
Inkscape 1.4系からは、"サイズ変動" から "尺度" という名称に変更されています。 パラメータ 設定値 意味 幅 15 スプレーされる範囲の大きさを設定する ※つまりオレンジ色の円の大きさ ※見えている領域に対しての相対的な大きさ 量 70 吹き付ける量を設定する 回転 100 ランダムな回転量をパーセントで指定する ※0%だと複製元と同じ(回転しない) ※25%だと複製元の-45度から+45度の範囲で回転する サイズ変動 25 ランダムなサイズの変動量をパーセントで設定する ※0%だと複製元と同じ大きさ ※25%だと複製元の75% ~ 125%の大きさになるでは上記設定でスプレーしてみましょう。 ただし、スプレー中に幅を変更してみます。 マウスの左ボタン()でドラッグしている最中にキーボードのカーソルキーの右(→)を押し続けます。
29. 吹き付けるようにドラッグ上図のように吹き付けるようにドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。
ドラッグ中は、キーボードのカーソルキーの右(→)を押し続けてください。 30. 星形が複製される上図のように星形が複製されます。 見て分かる通り、右側が幅が広くなっています。 このように、スプレー中にキーボードのカーソルキーの右(→)を押すことで幅を広くすることができます。
カーソルキーの左(←)を押すと幅が狭くなります。 また、Homeキーを押すと最小の幅に、Endキーを押すと最大の幅になります。 スプレー中にキーボードのカーソルキーの上下(↑↓)を押すことで量を増減させることもできます。また、複製先の星形は傾きや大きさが揃っていないこともわかります。 パラメータの回転とサイズ変動を 0 以外に設定したためです。
削除モードについて削除モードについての補足です。 すでに説明したように、削除されるのはオレンジ色の円の範囲内にあるものだけです。 円に入っていないものは削除されません。
また、削除されるのはスプレーツールで複製されたオブジェクトだけです。 オレンジ色の円の範囲内にあるオブジェクトが無条件に削除されるわけではありません。
次の記事へ長くなりましたので、そろそろ一区切りします。 続きは次の記事を参照ください。
まとめ
スプレーツールは、スプレーで吹き付けるようにオブジェクトを複製することができるツールです。 スプレーツールに切り替える前に選択していたオブジェクトが複製元になります。
操作/コマンド 説明 (または) A (または) SHIFT+F3キー スプレーツールを選択する (スプレーツール選択中)マウスの左ボタン()のドラッグ スプレーする ※ドラッグした線上に選択中のオブジェクトを複製するスプレーツールにはスプレーモードがあります。 スプレーモードを変更することで、単純に複製することはもちろん、クローンとして吹き付けることも、1つのパスとして吹き付けることもできます。 また、消しゴムで消すようにスプレー済みのオブジェクトを消すこともできます。
操作/コマンド 説明 スプレーモードをコピーモードに変更する スプレーモードをクローンモードに変更する スプレーモードを単一パスモードに変更する スプレーモードを削除モードに変更する各スプレーモードの意味は以下の通りです。
スプレーモード 説明 コピーモード 単純に複製する ※複製元と複製先は互いに独立したオブジェクトとなる ※複製先のオブジェクトもそれぞれ独立したオブジェクトとなる クローンモード クローンとして複製する ※複製元と複製先で形状とフィル/ストロークが連動する 単一パスモード 単一のパスとして複製する ※サブパスにはならず1オブジェクト1パスとなる 削除モード スプレーされたオブジェクトを削除するツールコントロールの各パラメータの意味は以下の通りです。
パラメータ 意味 幅 スプレーされる範囲の大きさを設定する ※つまりオレンジ色の円の大きさ ※見えている領域に対しての相対的な大きさ 量 吹き付ける量を設定する 回転 ランダムな回転量をパーセントで指定する ※25%だと複製元の-45度から+45度の回転量になる サイズ変動 ランダムなサイズの変動量をパーセントで設定する ※25%だと複製元の75% ~ 125%の大きさになるスプレー中はキーボードのカーソルキー(↑↓←→)でパラメータを調整することができます。
操作/コマンド 説明 (スプレー中に)カーソルキーの左右(←→) 幅を狭く・広くする (スプレー中に)Homeキー 幅を最小幅にする (スプレー中に)Endキー 幅を最大幅にする (スプレー中に)カーソルキーの上下(↑↓) 量を増減させるキーボードのスペースキーを押すことで、他のツールから選択ツールに切り替えることができます。 再度、スペースキーを押すと元のツールに戻ります。
操作/コマンド 説明 スペースキー 選択ツールを選択する / 元のツールに戻る