(古典)漢文の句法一覧!重要句法の意味と覚え方を徹底解説
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古典を勉強していく際には「古文」と「漢文」を学んでいくこととなります。
その際、この2つの中でも勉強の仕方は違ってきます。
古文を学ぶ際には古文単語を覚えるということが重要となるのですが、漢文を学ぶ際には「句法」を覚えることが重要となるのです。
そこでここでは漢文の中でも重要な句法の意味や覚え方について紹介していきたいと思います。
目次漢文の句法とはどういったものか
漢文でいう「句法」とは決まった意味で使われる漢字の組み合わせだと考えておけば良いでしょう。
まずは句法の基本的な知識について紹介します。
漢文における句法とはなぜ古文では単語を覚えることが重視されたのに漢文では句法が優先されるのかということですが、これは漢文が「漢字」で成り立っていることが関係しています。
古文で使用されるひらがななどは、その一文字だけで意味を表すことができません。
そのために文字をいくつも組み合わせて一つの単語を作っているのです。
ただ、漢文は漢字で成り立っています。
漢字はその一文字に意味が存在している「表意文字」ですので、単語として覚えることをしなくても漢字を見れば意味がわかるというようになっているのです。
そのため、単語の意味を特別に覚えていかなくてもある程度理解することができるのです。
句法の重要性とは「句法」はこういった漢字の中でも「読み方と意味が決まっている」という文脈を意味づけるポイントとなるものです。
たとえばよく出てくるものでいうと「使」という漢字の後に人名、動詞と続く場合は「人に何かをさせる」という「使役」という意味になります。
こういった特殊な意味を持たせる漢字は文章の意味自体を大きく変化させることがあります。
これが漢文でいう「句法」というもので、この句法を学ぶことによって漢文を適切に現代語訳していくことができるのです。
基本の句法を覚えよう!
漢文の句法には多くの種類があるのですが、基本となるのは「否定」「使役」「受け身」「疑問・反語」です。
これらを覚えておけば句法の基本はマスターできるといえます。
ここではそれらの基本の句法を順に紹介していきます。
否定とは基本の漢字種類よく使われる漢字意味否定不、非、無、未動作、状態などを打ち消す、否定するこれらは否定の中でももっともよく使われるものとなっており、見かけることも多いでしょう。
それぞれの使い方
漢字読み方訳し方不~ず(打ち消しの助動詞「ず」)~しない非~にあらず(に・・・断定の助動詞 ず・・・打ち消しの助動詞)~ではない無~なし(形容詞の「なし」)~ない、~しない未いまだ~せず(打ち消しの助動詞「ず」まだ~ないというのが基本の句法となります。
どれも頻出のものをなっており、これらの漢字が出てきたらスムーズに「否定」だと判断できるようにしておく必要があります。
そのほかの表現には、「不可能」「禁止」「二重否定」などがあります。
これらについても簡単に紹介しておきます。
「不可能」を表す言葉漢字読み方訳し方不可~すべからず(可能の助動詞「べし」、 打ち消しの助動詞「ず」)~することができない、 ~してはいけない不能~することあたわず~することができない不得~することをえず~することができないとなります。
どれも「~できない」という不可能の意味となっています。
「禁止」を表す言葉漢字読み方訳し方勿~することなかれ~してはいけないこちらは与謝野晶子の「君、死にたもうことなかれ(弟よ、死んではいけない)」という言葉が有名ですのでイメージしやすいかもしれません。
二重否定を表す言葉二重否定とはその名前の通り、否定を2つ重ねた表現です。
否定を意味する言葉が2つあり、その2つが続けて読まれる場合に二重否定となります。
二重否定には以下の9つのパターンがあります。
漢字 読み方訳し方無不~せざるなし~しないこと(もの)はない莫非~にあらざるなし~でないこと(もの)はない非不~せざるにあらず~しないのではない非無~なきにあらず~がないのではない不可不~せざるべからず~しないわけにはいかない不敢不あえて~せずんばあらず~せずにはいられない未嘗不いまだかつて~せずんばあらず今まで~しなかったことはない無~無~として…なきはなしどんな~でも…ないものはない無~不~として…せざるはなしどんな~でも…しないものはないとなっています。
二重否定は、結局のところ「肯定」になりますね。たとえば、「~しないことはない」というのは、つまりは「~する」という意味になります。
使役とは基本の漢字種類よく使われる漢字意味使役使、令ある人がほかの人に何かをさせるほかに「教」「遣」などの漢字もありますが、あまり使われることはありません。
それぞれの使い方
漢字読み方訳し方使、令~をして…せしむ~に…させるというのが基本的な使い方となります。
上記のような漢字を使う以外にも使役の意味を含んだ動詞を使うことで使役の意味の文章にする場合もあります。
主なものには以下のようなものがあります。
漢字読み方訳し方命~にめいじて…せしむ~に命令して…させる勧~にすすめて…せしむ~に勧めて…させる召~をめして…せしむ~を呼び出して…させる率~をひきいて…せしむ~を率いて…させるこれらも合わせて覚えておきましょう。
受け身とは基本の漢字種類よく使われる漢字意味受け身見、被ほかの人、ものから動作や作用を受ける一般的には受け身を表す言葉である「る、らる」と読む言葉を使うことが多いのですが、稀に置き字を用いたり、受け身の意味となる漢字を使うという場合もあります。
それぞれの使い方
漢字読み方訳し方見、被~る、~らる、~せらる~れる、~られる為~所…~の…するところとなる~に…される動作を行う動作主については前置詞の「於」を前に置いて使います。
稀に「見」「被」を使わずに前置詞だけで受け身の意味になる場合もあります。
疑問とは「疑問」は相手側に問いただす場合、自分自身に問いかける場合などがあります。
疑問には大きく、「文末に疑問の助字を使う」「疑問詞を使う」「両方を使う」という3つのパターンがあります。
文末に疑問の助字を使う場合漢字読み方訳し方乎、哉、也~か、~や~かとなっており、他に「与」「邪」「耶」などが使われる場合もあります。
疑問詞を使う場合漢字読み方訳し方何「理由」なんぞ~(や)、 「事物」なにをか~(や)どうして~か なにを~か安「場所」いづくにか~(や) 「理由」いづくんぞ~(や)どこに(どこで)~か どうして~か孰「人物」たれか~(や) 「比較・選択」いづれか~(や)だれが~か どちらが~か誰たれか~(や)だれが~か何為なんすれぞ~(や)どうして~か幾何~いくばくぞ~どれほどか何以なにをもって~かどうやって~か、 どうして~か何処いづれのところよりか~(する)どこから~(する)か何時いづれのときにか~(する)いつ~(する)か何許~いづこ~どこ何故なんのゆえに~(する)どうして~(する)反語とは反語はその会話主が何か事柄について確信を持った意見がありながら、あえて疑問の形式で相手に問うたり、自分自身に問うたりすることで、その意見をさらに強調するという表現方法です。
そのため、見た目には疑問の形式のようになることが多くなっています。
形としては疑問詞を使う形式が多くなっています。
疑問詞を使う表現漢字読み方訳し方何「原因・理由」なんぞ~ん(や) 「事物」なにをか~ん(や)どうして~か、いや~ない なにを~か、いやなにも~ない安「場所」いづくにか~ん(や) 「原因・理由」いづくんぞ~ん(や)どこで~か、いやどこでも~ない どうして~か、いや~ない誰たれか~ん(や)だれが~しようか、いやだれもしない何為なんすれぞ~ん(や)どうして~か、いや~ない何以なにをもって~ん(や)どうやって~か、いや~ない何必なんぞかならずしも~ん(や)どうして~する必要があるだろうか、 いや~ない如何いかんぞ~ん(や)どうして~か、いや~ないまとめ
漢文では全体的に覚えなければならない量はそれほど多くはないのですが、この「句法」については非常に重要度の高いものとなっています。
まずは優先してこれらの句法を覚えておくと良いでしょう。