タンゴ音楽の歴史を知る│特徴と名曲を解説します!
アルゼンチンタンゴの音楽には、様々な楽しみ方があります。
踊ることはもちろん、聴く、というのもひとつの方法です。
では、タンゴ音楽をどんな風に楽しめばよいのか、いくつかの側面からご説明しますね。
アルゼンチンタンゴのステップは即興、自由と他の記事で解説したのと同じように、アルゼンチンタンゴの音楽もまた、とても自由なのです!
この記事の内容
- 1 タンゴという音楽の特徴と歴史
- 2 【タンゴ音楽有名曲】楽団によって、同じ曲もこんなに違う
- 3 タンゴ音楽「年表」
- 4 タンゴ音楽「豆知識」│日本でのタンゴ音楽の歴史
- 5 運営者ささやん一押しタンゴバンドは「トリオ・ロス・ファンダンゴス」
- 6 まとめ
タンゴという音楽の特徴と歴史
タンゴは基本的に2拍子です。
それが顕著に表れている曲が「la yumba(ラ・ジュンバ)」という曲です。
まずはこの曲を聴いてください。
音楽に詳しくない方にも、「2拍子だ!」とわかっていただけるかと思います。
楽譜を見ると4拍子表記されている曲も多くありますが、基本はこの2拍子をアレンジしたものです。
これを「4つ打ち」といって、1拍目・3拍目を強調し、2拍子のように扱うのが一般的です。
また、1小節・1拍目の音を正確な1拍目で打たず、直前の小節の最後に持ってくる「裏拍(うらはく)」がまれに表れることもタンゴの特徴です。
裏拍が特徴的な曲は、耳に、「ズ・チャッチャッチャッチャ/ズ・チャッチャッチャッチャ」と聞こえます。
これは、「ハバネラ(キューバ発祥)」の特徴です。
「カンドンベ(ウルグアイ発祥)」は打楽器によるリズミカルな点が特徴的で、実際タンゴはハバネラやカンドンベがミックスされて生まれたものです。
日本人は、裏拍を感じるのが苦手などと言われることがありますが、もしも音楽を聴くだけでなくダンスも楽しんでみたいという方は、この裏拍を感じられるまで音楽を聴きこむことをおすすめします。
スポンサーリンク【タンゴ音楽有名曲】楽団によって、同じ曲もこんなに違う
タンゴ音楽と聞いて、あなたは一番に何を思い浮かべるでしょうか?
きっと、「La cumparsita(ラ・クランパルシータ)」が一番に来る方も多いでしょう。
でも、この「La cumparsita」、楽団によってアレンジが違うのに気づいていましたか?
では、タンゴという音楽がどれだけ自由なのかを聴き比べてみましょう。
日本でも著名な楽団の音源を、動画サイトであるYouTubeで再生・視聴して楽しんでください!
フランシスコ・カナロ(Francisco Canaro)楽団フランシスコ・カナロは、そもそもタンゴのバイオリンやギター演奏者でしたが、のちに自分の楽団を立ち上げました。
アルゼンチンタンゴを世界のものにした立役者でもあります。
1920年代にはフランスのパリにまで演奏旅行に行き、現地で大成功を収めます。
それが新聞に取り上げられ、その見出しが「パリのカナロ」であったことから、それをそのまま流用した「パリのカナロ(Canaro en Paris)」という名曲も生まれたというエピソードの持ち主です。
動画の再生・視聴はこちらから
フランシスコ・カナロの他の楽曲に興味がある方は、次の商品もおすすめです。
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フアン・ダリエンソ(Juan D’arienzo)楽団
フアン・ダリエンソは、13歳でバイオリニストとしてプロ生活を始めたという変わった経歴の持ち主で、そもそもジャズバンドにいたとされています。
ちょうどその頃、不況やアルゼンチンの若者のタンゴ離れが進み始めていました。
ですが、聴くためでなく、踊るためのタンゴにとってとても重要な「リズム」「テンポ」に重きをおいた演奏で人気を博したことで知られています。
YouTubeなどの動画サイトでも、Juan D’arienzoと検索すると、当時のテレビ番組で演奏している姿が見られ、現地の人たちがどれだけ熱狂していたのかがわかります。
動画の再生・視聴はこちらから
フアン・ダリエンソの他の曲も聞いてみたい!という方は、次のCDがいいですよ。
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ディ・サルリ(Carlos Di Sarli)楽団
ディ・サルリは、ピアニスト。
25歳の時に自身のタンゴ楽団を結成しました。
ディ・サルリ楽団の演奏の特徴は、タンゴ音楽で顕著なキレと、なめらかさの絶妙なミックスでロマンティックといっていいでしょう。
ディ・サルリの曲は、日本人にも多く好まれているのか、あちらこちらのミロンガでもよく使われています。
ドラマティックなタンゴを聞きたいなら、ディ・サルリもおすすめです。
動画の再生・視聴はこちらから
オズバルド・プグリエーセ(Osvaldo Pugliese)楽団タンゴ演奏家の子として産まれたオズバルド・プグリエーセは、緩急の目立つ艶っぽい演奏を得意としました。
タンゴの基本である愛憎という感情を味わうには、おすすめの楽団です。
自身の作曲した「レクエルド(Recuerdo)」は他の作曲家も嫉妬するほどの作品であることも有名です。
動画の再生・視聴はこちらから
スポンサーリンクタンゴ音楽「年表」
タンゴの音楽は、アルゼンチンが好景気に沸いた時代、世界中から移民が押し寄せたことによって生まれました。
様々な国から多くのジャンルの音楽が持ち込まれ、適度にミックスされることで「タンゴ」が確立されたのです。
それについては、「タンゴというダンスに興味がある方へ…タンゴの成り立ちを解説」でも少しご説明しましたので、お時間があれば読んでみてください。
タンゴというダンスに興味がある方へ…タンゴの成り立ちを解説「タンゴとアルゼンチンタンゴとは違うもの?」と感じていらっしゃいますか?アルゼンチンタンゴはどのように生まれたのでしょうか。ペアダンスの起こりとされるアルゼンチンタンゴの歴史や、アルゼンチンタンゴの楽しみ方について解説します。タンゴの教科書.com2018.12.08では、年表でタンゴという音楽の歴史を見てみましょう。
年代 アルゼンチン 日本 1900年代~ タンゴの原型ができる。楽器編成は、バイオリン・フルート・ギター・バンドネオンが基本。
1920年代~ いわゆる「古典タンゴ」が確立された。レコード会社(オデオンやビクトル)が楽団をスカウト、レコードを発売。
蓄音機やレコード盤を購入できるようになる。富裕層を中心に「第一次タンゴブーム」が起きるが、第二次世界大戦勃発で海外の音楽を聴くことが難しくなる。
1940年代~ カルロス・ディ・サルリなど特定の楽団にフォーカスが当たる「モダン・タンゴ時代」に突入。伝統的タンゴに、新しい楽器を取り入れる、楽団の抱える人数が多くなるといった変遷をたどる。
「第二次タンゴブーム」到来。日本でもタンゴ楽団が結成されるようになり、NHKラジオでもタンゴ番組が放送された。
1960年代~ アストル・ピアソラ台頭。一方で現地ではタンゴ人気は低迷。
日本のダンスブームに乗り、「オルケスタ・ティピカ・東京」や「坂本政一とオルケスタ・ティピカ・ポルテニア」などの楽団がダンスホールで演奏するように。 1980年代~ 楽器の電子化の流れがやってくる。 小松亮太など、日本人演奏家(多くはタンゴ演奏家二世)が台頭。コミュニティFMを中心に、タンゴ音楽番組が復活しはじめる。
2000年前後 タンゴ黄金期の演奏家や作曲家が次々と死去。華やかな時代の音楽を良い音質で再現しようとする動きが現れる。
第三次タンゴブーム到来。「オルケスタ・アウロラ」、「ミユキタンゴ」、「トリオ・ロス・ファンダンゴス」など、ミロンガでの演奏を中心とするタンゴバンドも人気が高まる。
時代の変遷を理解しつつ、様々な楽団の音楽を聴いてみたいという方には、次のようなCDをおすすめします。
楽団ごとのイメージの聞き分けや、タンゴダンスを始めたい方にとっての「基礎知識」となってくれるはずです。
3枚組CDシリーズ アルティメットエディション タンゴ・ベスト60 3ULT-010【CD/DVD】
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タンゴ音楽「豆知識」│日本でのタンゴ音楽の歴史
日本のタンゴ音楽は、外国のものを一切禁止した戦争という荒波を乗り越え、今でも生き続けています。
LP盤の「古き良き時代」の音楽を聴かせるタンゴ喫茶「ミロンガ・ヌオーバ(東京神保町)」も健在です。
また、面白いところでは、戦後初めてラジオ放送された「紅白歌合戦(当時の呼称は紅白音楽合試合)」で、「ポエマ」というタンゴ曲(ワルツ)を水の江瀧子という歌手が歌いました。
私たち世代が知っているよりもはるかに古くから、日本にはタンゴを聞きたいと思っていた人が多かったのですね。
日本とタンゴの歴史│Luna del viejo castillo(古いお城の月)って…Miguel Caló(ミゲル・カロ)作曲の「Luna del viejo castillo」という曲、皆さんもよくご存じの曲をベースにタンゴ風にアレンジされています。
まずは、その曲を聴いてみましょう。
動画の再生・視聴はこちらから
あれ、どこかで聞いたことがありますね。
そう、「荒城の月(滝廉太郎作曲)」の「タンゴ版」なのです。
びっくりしませんか?
日本とタンゴの歴史│Tanguera(タンゴ好きのお嬢さん)って…この曲もまた、「荒城の月」と思われるフレーズの表れる一曲です。
日本人でもタンゴ好きが一定数いる理由がわかるような気がしませんか?
もしかすると、タンゴ音楽の持つ哀愁は、日本人好みなのかもしれません。
動画の再生・視聴はこちらから
スポンサーリンク運営者ささやん一押しタンゴバンドは「トリオ・ロス・ファンダンゴス」
このサイトの運営者、ささやんは、「トリオ・ロス・ファンダンゴス」が大好きです。
ミロンガ専門を標榜しているタンゴバンドだけあって、踊れない人でもついつい手拍子を打ってしまうダイナミックな演奏を聴かせてくれます。
たった3人で、現地タンゴ黄金期の名曲も迫力たっぷりで聞かせてくれるのです。
10人はいないと完成しないと思っていた曲、「Este es el rey(これが王様だ)」を初めてライブで聴いたとき、その力強さに涙が止まりませんでした。
残念なことにこの曲の動画はありませんが、彼らの演奏の様子は動画で視聴できます。
過去のライブの動画がアップされていますが、ステージ前半/後半の間と演奏中にミロンガタイムが設けられていたこともあります。
聴く人、踊る人、どちらも楽しめるライブでした。
※この動画のなかに、こっそりと踊っているささやんがいます。
「まだ踊れない」
「踊るより聞く方がいい」
そんなどちらの要望にもご機嫌な音楽で応えてくれるのが、トリオ・ロス・ファンダンゴスです。
「TRIO LOS FANDANGOS」
九州を中心に活動している彼らですが、関西や関東へのライブ遠征も定期的に行っていますので、是非一度、トリオ・ロス・ファンダンゴスの演奏を聴いてみてはいかがでしょう?
スポンサーリンクまとめ
アルゼンチンタンゴの音楽には、同じ曲でも様々なアレンジがあることを知っていただけたのではないでしょうか?
また、タンゴ音楽の歴史もある程度把握していただけたことと思います。
最近では、ドラマのテーマ曲(例として「家売るオンナ」)やCMでも、タンゴに分類してもよい音楽が多用されています。
タンゴ風、ではなく、「このまま踊れるんじゃないか」と感じられる曲も多く、これからのタンゴミュージックシーンを見守っていきたいと感じる最近です。