《手嶋龍一氏が警告》日米首脳会談で高市首相に迫られる重大決断「イラン攻撃を全面的に支持するのか?」支持表明なら日本のタンカーがイランから狙い撃ちされる大きなリスク
国際情報 2026.03.09 06:59 週刊ポスト 手嶋龍一氏が分析するイラン攻撃の深層- #1
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3月の日米首脳会談で高市早苗・首相が迫られる重大決断とは(トランプ大統領。写真/AFP=時事)
写真一覧米国とイスラエルは2月28日、共同でイラン全土の都市と軍事拠点1000か所以上を攻撃し、イランの最高指導者のハメネイ師を殺害した。トランプ米大統領は何を考え、どう動こうとしているのか。そしてそれは世界に、日本に何をもたらすのか。外交ジャーナリスト・作家の手嶋龍一氏が緊急レポートする。【前後編の後編】
“中東の核”が現実に使われる危険
ヒロシマ、ナガサキの惨劇を味わった日本は、“ネタニヤフの戦争”が内に秘めた危うさをもっと自覚していいだろう。とりわけ、“中東の核”が現実に使われる危険に備えるべきだと思う。
中東地域に核保有国は存在しないと日本では思われがちだ。だが、イスラエルが核保有国であることは公然の秘密だ。さらにサウジアラビアも、パキスタンが核開発する過程で膨大な資金を密かに提供し、その見返りに有事に核弾頭を引き取る権利を手にしたといわれる。この密約はインテリジェンス関係者の間では既に常識となっている。
産油国で豊富な資金を持つバーレーンやアラブ首長国連邦も核を調達している可能性を排除できない。そしてイランもウラン濃縮に手を染め、核保有に近づいていた。このように“中東の核”がテロ組織の手に渡る恐れも否定できない。今次の米国・イスラエル対イラン戦争がきっかけとなって核が使われるハードルは下がっている。
イランのウラン濃縮は60%の水準に達し、核兵器級の90%に引き上げるのはさして難しくない。核弾頭を装備するミサイルも北朝鮮などの技術支援を受け着々と進んでいた。イスラム革命防衛隊の強硬派やシーア派武装組織のテロリストが核弾頭に手を伸ばさないと誰が保証できるだろう。イスラエル国内や中東の米軍施設に小型核弾頭が持ち込まれる――そんな悪夢が現実とならないよう現下の戦争を早急に収めるよう努力すべきなのである。