手妻師 藤山新太郎のブログ
シルクマジック
14日に秋葉原でマジックの指導を致します。高橋司さんと、トランプマン中島さんが主催している催しで、1月14日、2月11日、3月11日と、3回に分けて指導します。
今回はシルクマジックを特集してご指導します。私はかつて、ビデオでシルク20、続シルク20と、シルクをまとめた指導ビデオを出しました。私が30歳になったころのことですので、もう40年前のことです。未だにそのビデオを持っている方がたくさんいて、役に立っていると仰って下さるので、嬉しく思います。
以前台湾に行った時も、いきなり私のシルク20のビデオを出される現地の人がいて、「昔からファンだったんです。サインください」。と言われて、嬉しく思いました。
シルクマジックはマジックの中でも花形マジックだったのですが、最近はステージマジックが徐々に衰退をして、それに連れて、演じる人も少なくなり、きっちりとシルクマジックを学ぼうという人は少なくなったように思います。
かつて、マジシャンが、スーツケースに道具を詰めて、仕事を回っていた頃には、荷物のかさばらないマジックをたくさん知っていることが絶対条件だった時代があります。その時代にシルクまじっくはとても有り難い種目だったのです。
その頃(昭和30~40年代)のマジックの先生は、例えば、「ロープマジックで10分以上出来なければ、プロにはなれない」。とか。「シルクマジックを10種類以上覚えないと仕事にはならない」。等々、昔の先生方は当たり前のように、マジックで生きて行くためにはシルクを覚えなければいけない。などと、マジックの習得に、ロープとシルクの必要性を語っていたのです。
子供だった私は、言われるままにシルク、ロープを習い始めました。そうした時代、シルクの学ぶべき必須項目をあげて行くと、
1,サムチップ、握り拳の中に小さなシルクハンカチを押し込んで、消えたり出たり する。最もポピュラーなシルクマジック。
2,変色ハンカチ、握り拳の中に入れたハンカチの色が変わって出てくる。
3,ダイイングシルク、紙筒の中に入れたシルクが色が変わって飛び出してくる。
4,20世紀シルク、二枚の繋がったシルクをグラスに入れ、別のシルクを握り拳の中で消します。すると、グラスに入れたシルクの間から消えたシルクが出現します。
5,シルク切り、シルクを紙で巻いて、紙の中央を鋏で切ります。紙と共に切れたシルクの両端を持って、一振りすると、切れたシルクがつながります。
6,6枚シルク、欧米でシンパセティックシルクと呼ばれる作品で、3枚の縦一列に結ばれたシルクが、いつの間にかばらばらにほどけ、何も結ばれていない方の3枚のシルクがつながっています。
7,大きくなるハンカチ、数枚の小さなハンカチを手の中で揉んでいると、90㎝大の大きなハンカチになります。
8、ロープとハンカチ、ロープの演技の途中からシルクがロープに結ばれてでてきます。そのシルクがロープから外れたり、また繋がったり、いろいろに変化します。
9,シルクボール、天海師が得意にしていたハンドリングで、両手を裏表改めているうちにシルクが出現し、徐々に増えて行き、3枚になります。
10、リンキングシルク、両端を結んで話にしたシルク、3枚が、繋がったり外れたり、
と言ったところでしょうか。このうち、1,2,4,6,7,8、は今もよく演じられます。シルクボールはカズ片山さんが得意で演じています。極めてスライハンドの要素が濃く、いいハンドリングです。
更に、シルクは、プロダクション用具を使うことによって派手にたくさんのシルクを出すことができますので、大概の取りネタには必ずと言っていいほどシルクを使いました。タンバリン、ピラミッド、日本蒸籠、メリケンハット、など、取り出し物の一つとして、随分使われました。
何しろシルクは畳むと小さくなりますし、たくさん持って行ってもかさばることがありませんから、マジシャンにとってはシルクは大変便利に使われたわけです。
さてそのシルクアクトですが、一つ一つ丁寧に解説して行くと、どれも面白い工夫があって、皆さんに伝えたいことはたくさんあります。然し、なるべく基本に沿って、そのシルクの成り立ちから、丁寧に指導をして行こうと考えています。
基本的な考え方として、シルクは小さく畳めて便利ではありますが、そのことはお客様も承知していて、たくさん出したとしても、「あれは狭いところにたくさん押し込んでおいて出しているのだろう」。と推測を立てています。
当然そのまま幾らたくさんシルクを出しても、その効果は知れています。そこで、シルクの中から固形物を出したり、液体を出したりすることで一つのクライマックスを作り上げるわけです。
つまり、シルクマジックの多くは、結論に持って行くために導入とか、結末手前の盛り上げに役に立つ演技なわけです。いわば芝居の中では名脇役の役者なのです。そのため、シルクマジックをたくさん知っておくことは、手順作りにとても役に立つことになります。結末を迎える前に軽いマジックが一つ足されるわけですから、演技に厚みが付きますし、シルクマジックのお陰でミスディレクション(お客様の興味を別の方向に誘導すること)を作為を感じられないように作ることもできます。
今回はその辺をいろいろ、旧作新作を交えてシルクの特性を解説しながら、ご指導しようと思います。シルクマジックに興味があって、少しつっこんで覚えたい人がありましたら、是非この機会にご参加ください。
続く