メダカより小さいのにジェット機並の爆音を出す小魚!そのメカニズムとは?
爪サイズの体から銃声並みの爆音が出せる小魚!そのメカニズムを解明 / Credit: Ralf Britz et al., Scientific Reports(2021)CC BY 4.0 animals plants- 動物
- ミャンマー
- 魚類
2024.02.29 00:00:00 Thursday
自然はときに驚くべきスーパーパワーを持った生物を生み落とします。
ミャンマーの河川に分布する小さな魚「ダニオネラ・セレブラム(Danionella cerebrum)」は、人の爪ほどの大きさしかないにもかかわらず、140デシベル(dB)という爆音を出せるのです。
これは救急車のサイレンよりも大きく、一般的な拳銃が発する銃声やジェット機の音に匹敵します。
なぜそんなことが可能なのか今まで謎でしたが、独シャリテー – ベルリン医科大学(CUB)の研究は、小さな体から爆音が生じるメカニズムについて解明しています。
研究の詳細は2024年2月26日付で科学雑誌『PNAS』に掲載されています。
A 12 mm fish produces 140-decibel sound to communicate in turbid waters https://phys.org/news/2024-02-mm-fish-decibel-communicate-turbid.html One of world’s smallest fish found to make sound as loud as a gunshot https://www.theguardian.com/science/2024/feb/27/smallest-fish-sounds-loud-danionella-cerebrum Ultrafast sound production mechanism in one of the smallest vertebrates https://doi.org/10.1073/pnas.2314017121 伝説は隕石落下に伴う大津波だった!トンガ王国を襲った「赤い波」の伝説を科学が証明!ジャンクフードに依存してしまう理由を解明!脳が神経回路を変化させるもし月が消えたら地球はどうなるのか?かわいそう…優しすぎて絶滅した海獣「ステラーカイギュウ」動画一覧目次
1センチの体から銃声並みの爆音が出せる
ダニオネラ・セレブラム(Danionella cerebrum)はミャンマーの都市ヤンゴンの北にある河川で2021年に発見され、新種として記載されたばかりのコイ科魚類です。
大人になっても体長10〜13.5ミリほどしかなく、世界最小の魚類のひとつとなっています。
最大の特徴は体が半透明の薄い皮膚に覆われており、頭蓋骨の上部がないため、脳が直接に透けて見えることです。
そのため、魚を傷つけることなく体内の生体機能を観察でき、研究者たちは新たなモデル生物として大いに注目しています。
調査によると脳の体積はわずか0.6立方ミリメートルしかなく、これはあらゆる成魚の中でも最小クラスです。
ちなみに学名のセレブラム(cerebrum)は「大脳」を意味しています。
ダニオネラ・セレブラム(a:オス、b:メス) / Credit: Ralf Britz et al., Scientific Reports(2021)CC BY 4.0さらに研究者たちは本種の生態を調べる中で、彼らがこのサイズからは考えられない爆音を出せることに気づきました。
まるで電動ドライバーを使っているような「ギリ・ギリ・ブイーン」という連続的な音で、音量は140dB以上に達するといいます。
140dBといえば、救急車のサイレン(90〜120dB)よりも大きく、一般的な拳銃の銃声やジェットエンジンの近くにいるときの音量に匹敵します。
ちなみに人間が音に対して耳に痛みを感じ始めるのは130dBからなので、彼らの発する音を耳の間近でまともに聞くとかなり痛いと考えられます。
その実際の音がこちらです。音量に注意してご視聴ください。
研究者らは小さな体でこれほどの爆音を出す仕組みが分かりませんでしたが、今回ついにその謎の解明に成功しました。
次ページ音を出すメカニズムを解明
<
1
2
>
カテゴリー覧
自然
生物学 地球科学健康
医療 スポーツ 脳科学 心理学社会
教育・子ども 社会問題・社会哲学古代
歴史・考古学 古生物宇宙
宇宙テクノロジー
AI・人工知能 ロボット 交通 情報・通信 家電理化学
物理学 量子論 数学その他
サブカル・アート おもちゃ プロダクト人気記事ランキング
- TODAY
- WEEK
- MONTH
-
自制心が強い人は「ただ我慢強い人ではない」ことが明らかに
2026/04/03 千野 真吾 -
太平洋の深海で「新種の甲殻類」を24種発見
2026/04/02 千野 真吾 -
「火星のテラフォーミング」に新たな手法を提唱
2026/04/01 千野 真吾 -
ヒヨコも人間との触れ合いで「幸せ」を感じている
2026/04/01 矢黒尚人 -
古代ギリシアの哲学者エンペドクレスが残した「2000年前の詩」を発見
2026/04/02 千野 真吾 -
潰されるアルミ缶は破裂直前に「不思議なシマシマ」が現れると判明
2026/04/01 川勝康弘 -
科学は「正しければ広がる」わけではなかった――1200本の人気動画で見えたSNS別の勝ち筋
2026/04/02 川勝康弘 -
1万2000年前の「世界最古のサイコロ」を発見か
2026/04/03 千野 真吾
-
最新のペニス研究で「男性のGスポット」の意外な姿が発見された
2026/03/30 川勝康弘 -
新スキャン技術の試験中、古代エジプト都市の地下に「謎の構造物」を検出
2026/03/31 千野 真吾 -
3億年前の昆虫が巨大だったのは「酸素濃度」が原因ではなかった
2026/03/27 千野 真吾 -
地球外の金属で武器を作っていた「古代文明」を発見
2026/03/30 千野 真吾 -
廃墟で朽ち果てた「VHSテープ」を修復、そこに映っていたものとは?
2026/03/30 千野 真吾 -
ヒヨコも人間との触れ合いで「幸せ」を感じている
2026/04/01 矢黒尚人 -
ローマ闘技場の「女性」猛獣戦士の”初の姿”が報告される
2026/03/30 矢黒尚人 -
「火星のテラフォーミング」に新たな手法を提唱
2026/04/01 千野 真吾
-
左利きの人ほど「ある性格特性」が強くなる傾向
2026/03/05 千野 真吾 -
アレルギー性鼻炎の「くしゃみ」を抑えられる「飲み物」が明らかに
2026/03/25 千野 真吾 -
最新のペニス研究で「男性のGスポット」の意外な姿が発見された
2026/03/30 川勝康弘 -
火星でピラミッドを発見? NASAが撮影した謎の構造物の正体とは
2026/03/26 千野 真吾 -
3億年前の昆虫が巨大だったのは「酸素濃度」が原因ではなかった
2026/03/27 千野 真吾 -
”水かき”をもつ「絶滅危惧種」猫、タイで30年ぶりに再発見
2026/03/15 矢黒尚人 -
新スキャン技術の試験中、古代エジプト都市の地下に「謎の構造物」を検出
2026/03/31 千野 真吾 -
生涯独身でも「人生の最期」は不利じゃない、4万人研究で判明
2026/03/12 矢黒尚人