CECOTの文明
CECOTの文明株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから三橋貴明のツイッターはこちら人気ブログランキングに参加しています。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ジョン・ミアシャイマー教授の思想とは?ロシア・中国をどう見ている?[三橋TV第1110回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/QCdtcDw8_Do
エルサルバドルの「史上最悪」の刑務所、CECOT(テロリスト監禁センター)。(内戦中の国などを除き)世界最悪の殺人発生率だったエルサルバドル。MS13や、Barrio18というギャング組織が街を支配し、子供たちは学校にも行けない。サッカー場は、麻薬の取引場。「犯罪」という災厄により、共同体としての秩序が崩壊した世界。
2019年にナジブ・ブケレが大統領に当選。ブケレ大統領は、ギャング組織対策として、国家に非常事態宣言を発令。一部の憲法を停止し、令状なしでギャングを逮捕可能とし、警察官にギャング逮捕のノルマを課し、2023年に4万人を収容できるテロリスト監禁センター(CECOT)を設立しました。
ほとんど「人口の1%」に相当する人数のギャング(※冤罪含む)を逮捕し、CECOTに収容していきます。
三橋TVなどで、繰り返し、
「CECOTは史上最悪の刑務所」
と、解説していますが、正直、CECOTに収監されるくらいならば、ロシアの黒イルカ刑務所や、アメリカのADXフローレンス刑務所の方がマシです。両刑務所は、確かに地獄ですが、少なくとも「何かはある」のです。それに対し、CECOTは「何もない」。
一つの牢獄に、100人近くが収容され、「何もない」状況で今後、数十年を過ごすことになる。
Youtubeなどで動画が出ていますが、受刑者は丸刈りにされ、全員が同じ白いTシャツと白パンツを与えられる。食事は、武器にさせないために、スプーンやフォークは禁止。プラスチックの容器から手づかみで食べる。食事のメニューは、トルティーヤ、豆、ライス、パスタなどで、意図的に肉を入れない。動画を見れば分かりますが、CECOTの囚人はみな体型が「タプタプ」しています。たんぱく質を与えられないためでしょう。食事のメニューは毎日同じ。心身ともに脱獄の気力を奪うようなメニューというわけですね。
家族との面会は認められておらず、差し入れを受け取る権利もありません。一日30分の運動の時間のみ、牢獄から出られる。
牢獄内は、24時間強烈な電灯で照らされ、マットレスや枕等は与えられない。天井を見ると、鉄線の網状になっており、その向こうで看守が常にライフルで狙っている。
CECOTに収容されたギャングたちには、社会復帰は求められていません。当然、CECOTに矯正教育プログラムはない。家族を含め、外部との接触も一切認められていない。単に、社会から隔離し、一生をCECOTで費やさせるのが目的なのです。
数十人を殺害したギャングたちを、
「なぜ、死刑にしないのか!?」
と、思われたかも知れませんが、人数が多すぎます。何しろ、人口の1%に近い若者(※主に)がギャング化したのです。日本でいえば、100万人のギャングです。死刑にするには、人数が多すぎる。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
経世史論最新号「【皇統論:第八十三回】正平一統 【歴史時事:第八十三回】多からなる一」がリリースになりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『ギャングからの解放、中南米「エルサルモデル」に傾斜 巨大監獄相次ぐ - 日本経済新聞
中南米最大の刑務所「テロリスト拘禁センター(CECOT)」への投獄を軸に力ずくで犯罪を抑え込む中米エルサルバドルの手法に、中南米の首脳が相次いで興味を示している。デザインまで模倣した刑務所の建設を始めた中米コスタリカに続き、右派への政権交代が決まった南米チリも関心を隠さない。(後略)』
ナジブ・ブケレは、人類の文明を変えてしまった。
「こうした方が良いかも知れない。でもなあ・・・・、さすがにそれは・・・・」
と、リベラリズム的な制御が働いていた「監禁して鍵をかけておけ」を実践してしまったのです。それが「治安面」では、確かに途轍もない成功をおさめてしまった。
一応、言っておきますが、善悪の話はしていない。CECOT発足以降、エルサルバドルの殺人率は、百分の一以下に落ちた。信じがたい話ですが、エルサルバドルの殺人率は「世界最悪」から、「西半球ではカナダに次いで低い」水準にまで落ちたのです。
もっとも、そもそもCECOTを建設せざるを得なくなったのは、なぜなのか? 冷戦、内戦、ゲリラ、テロ、グローバリズム、移民(※MS13はロスアンゼルスで発足した)、政治腐敗、賄賂、極端な格差社会等々、現在の地球を覆っている「思想」により、CECOTが建設されるに至ったのです。
ついには、アメリカまでもが「エルサルバドル人ギャングはCECOTに送る」を実践し、不法移民の流入に歯止めをかけようとしている。リベラリストは、その無力というよりは「無意味」が故に、政治力をすっかり失った。
これが、人類の文明です。わたくしの想像力では「限界」と言っても良い、最悪の刑務所CECOTが建設され、各国がエルサルバドルに倣い、アメリカまでもが不法移民をCECOTに送り込むようになってしまった。
これが、人類の文明です。我々は、CECOTの文明の時代を生きている。
「現実を見よう」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
◆関連ブログ日本経済復活の会のホームページはこちらです。
◆三橋貴明関連情報新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。