R&Bオヤジの旅
yomo2020年6月1日中国 Tweet皆さんこんにちは 蓬田(よもぎた)でございます!
5月22日、中国・北京の人民大会堂で、全人代(全国人民代表大会)が開幕しました。
コロナの影響で、当初予定されていたスケジュールからおよそ2カ月半遅れての開催です。
驚いたのは、開幕直前、北京の空が真っ暗になったことです。
まるで、全人代の行方、中国の行方を暗示するかのような不気味な天気となったのです!
いま中国とアメリカは、宣戦布告はしていないものの、戦争状態です。
そういう意味で、今回の全人代は注目です!
全人代の内容については、また機会を改めてご紹介したいと思います。
全人代国会に相当しない
さて、きょうは全人代とはどういうものか、少し書いてみたいと思います。
といいますのも、日本のマスコミはしばしば、全人代のことを「国会に相当」という表現をしています。
しかし、これは事実と異なります。
日本などの民主国家の国会と、中国の全人代はどう違うのか?
皆様のご参考になれば幸いです
代表は中国共産党が選んだ人物
全人代は、憲法において、年に1回開催が義務付けられています。
1998年以降は毎年3月5日に開いてきました。会期は10日間です。
全人代と並行して、全国政治協商会議も開催されます。
2つの会議を指して「両会」と呼ばれています。
全人代が国会と異なる点は、まず第一に、参加者の選ばれ方が違います。
民主国家の場合、国会議員は選挙のよって国民から選ばれた人物です。
一方、全人代の場合、参加する代表者は中国共産党が選んだ人物です。
国民は選挙で代表を選ぶことができません。
すでに決まったことを追認
全人代が国会に相当していない第2の理由は、実質的に「立法機関ではない」ことです。
全人代の会期は、例年およそ10日間しかありません。
今年は16日間ありますが、これは“異例の長期日程”です。
この短い日程で、国家主席の選出をはじめ、国務院(行政)、最高人民法院(司法)、国家中央軍事委員会という国家のトップ人事の決定、国家予算の承認、法律の制定、憲法改正まで、国政の最重要事項をこなしてしまいます。
当然、議論をしていてはスケジュール的に間に合いません!
それが可能なのは、会期以前に中国共産党がすでに決定しているからです。
全人代はそれを追認する機関に過ぎません。
実際は、全人代の代表が各案件に対して、投票で賛成・反対の意思表示をします。
近年は反対票、棄権票が増えています。
しか、全人代が形式的なものであることは変わっておりません。
全人代で法律を決めないとなると、どこが決めているのか?
それは全人代常務委員会です。
全人代が開催される10日間以外、常務委員会は全人代に代わって立法機能を行使します。
これは憲法の規定です。
全人代常務委員会の定員は約200名です。全人代代表の中から選ばれます。
現在の委員長は栗戦書(りつせんしょ)。2018年3月からこの職に就いています。
常務委員会が立法機関という意味で国会、委員長が国会議長に相当しているとはいえます。
どうしてマスコミは国会に相当と言うのか?
マスコミは「国会に相当」という表現を使います。
わたくしは不適切だと思います。
マスコミの人たち(特に外報部の人たち)は、全人代が国会に相当しないことを当然知っているはずです。
それでも使い続けるのは、何らかの意図があるのでしょう。
その意図は、国民のミスリードだと思います。
中国も、日本のような民主国家と同じように、選挙で選ばれた代表が議論をする議会が機能している、というイメージです。
でも、現実の姿は異なっています。
皆様の中国に対する理解に、少しでもご参考になれば幸いです