母国ウクライナのために世界陸上連覇へ 女子走り高跳び・マフチフ「準備はできている」
母国ウクライナのために世界陸上連覇へ 女子走り高跳び・マフチフ「準備はできている」

母国ウクライナのために世界陸上連覇へ 女子走り高跳び・マフチフ「準備はできている」

母国ウクライナのために世界陸上連覇へ 女子走り高跳び・マフチフ「準備はできている」2025/9/17 19:20石原 颯
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ウクライナ侵略反応反応ウクライナのマフチフ(福島範和撮影)

いまなお戦禍に直面する母国へ、東京の地から勇気を届ける。陸上女子走り高跳びのヤロスラワ・マフチフ(ウクライナ)は「高く跳べると確信している。肉体的にも精神的にも、タイトルを防衛する準備はできている」。18日に予選が行われる世界選手権での2連覇、さらには自身の持つ世界記録更新を狙う。

23歳は若くして数々の栄光を手にしてきた。前回2023年ブダペスト大会で世界選手権初の金メダルに輝くと、昨夏のパリ五輪でも頂点に立った。五輪直前の昨年7月には2メートル10を跳び、世界記録を37年ぶりに更新して時代を動かした。

男子走り高跳び日本記録保持者の戸辺直人(JAL)は世界が新型コロナウイルスに翻弄される直前の20年初頭、エストニアの首都タリンで練習するマフチフの姿を目の当たりにした。当時18歳。ダイナミックな助走が目を引いた。「世界記録を狙うような選手になるのではないか」と予感したという。

マフチフは22年、ロシアの侵略を受け、ウクライナ国外に退避した。直後にベオグラードで行われた世界室内選手権で、戸辺はマフチフに声をかけた。

「Are you OK?」

マフチフは無言で首を横に振った。やるせない表情だったという。今年5月、マフチフは戸辺との対談で、当時のことをこう振り返っている。「いつ帰って来られるのかわからなかったけど、お父さんに『試合に出場してくれ』といわれた」。マフチフはこの大会で初めて世界一になった。

この頃から、マフチフはSNSで折に触れ、祖国のことを投稿するようになった。「今競技をやっているのはウクライナの人たちのため」と力を込める。背負うものが大きくなったが、素顔は「踊っている動画を撮るような本当に最近の若い子という感じ」と戸辺。来日した際は、銀座の鉄板焼き店で黒毛和牛をフォークとナイフではなく、箸を使って必死に食べていたという。

今季、マフチフは思うような跳躍ができていない。8月のダイヤモンドリーグファイナルでは2メートル02の2位で4連覇を逃した。それでも、「東京に来る前に大きな自信になった」と前を向く。予選翌日の19日は24歳の誕生日。年齢と同じように、記録も一つ積み重ねられるか。(石原颯)

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