いつ使ってもおかしくない、ロシアの核と化学兵器の恐るべき手軽さ
2022.04.14- #ロシア
- #戦争
- #ウクライナ
もはや通常兵器との垣根はなくなった
赤木 昭夫
評論家
プロフィール- メール
- コピー
2022年2月24日、ロシア軍が北と東と東南からウクライナへ侵攻すると、いきなり3日後の27日には、プーチンが核攻撃即応態勢(アラート)を発令した。
そして3月10日の夜には、ウクライナ大統領のゼレンスキーが「ロシアの毒ガス攻撃は本当だ」と、あらためてテレビで国民に警戒を呼びかけた。
マリウポリ by Gettyimagesこの戦争はこれまでと質が異なる。通常兵器だけでなく、ロシア軍が、使う兵器の段階を核と化学兵器へ、短期間のうちにエスカレートさせる危険性を否定できなくなった。
使える兵器・小型戦術核
軍事の分野は、非人道的で冷酷な計算に徹している。だから、核の威力を示す際に、とりあえず放射能の影響を度外視する。直ちに現れず当面の作戦に関係しないためだ。爆発に伴う高熱と爆風による即死ないし同等の重大被害の発生範囲、これを尺度にして効果を測る。その円の直径は、高性能火薬16キロトン(1万6000トン)相当だった広島の場合、約8キロメートルとされる。
米国の軍事専門家の間では、ロシアの小型戦術核の威力は、10ないし100キロトンと推定されてきた。保有数として、1500発以上が挙げられる。だが、2022年3月29日付けのワシントン・ポスト紙は、5キロトンと解説した。異論がなく、米国防省お膝元の数値なので、これからの具体例には5キロトンが引用されるだろう。
その影響円の直径は約4キロメートルと計算される。火球が三次元方向に成長するため、円の直径は威力の立方根に比例し、大型にくらべ小型のほうが相対的に大きくなる。
-AD-威力の大小は、米軍方式と同じであれば、発射前にダイヤルで指定する。原理的には、核融合反応を弱めるか、逆に強めるかで調節する。つまり、核融合反応の初期に弾体を砕き、反応を途中で止めてしまうか、それとも反応を促進するため重水素と三重水素のガスを追加する。さらにそれぞれの度合いも選択できると思われる。
ちなみに、米軍の戦術核のB61では、威力を0.3、1.5、10、50キロトンの4段階に切り替えられる。威力が可変であるのは、作戦の目的に微妙に対応させるためだ。それによって小型戦術核は、使いやすく、使える兵器になった。
関連記事
- プーチンが狙う「日本の大都市」の名前…核ミサイル爆撃で起こる「ヤバすぎる現実」
- ここにきて「プーチンの暗殺」が現実味を帯びてきた…引退した「凄腕のスナイパー」参戦のワケ
- プーチンが「暗殺」されたら即発射か…ロシア「核報復システム」の危ない実態
- 記事をシェア
- 記事をポスト
- 記事をシェア
関連タグ
- #ロシア
- #戦争
- #ウクライナ