「知床旅情」は森繁久弥さんの心の叫び 「命に国境はない」海難映画に重ねた大戦の記憶 昭和35年
「知床旅情」は森繁久弥さんの心の叫び 「命に国境はない」海難映画に重ねた大戦の記憶 昭和35年

「知床旅情」は森繁久弥さんの心の叫び 「命に国境はない」海難映画に重ねた大戦の記憶 昭和35年

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「知床旅情」は森繁久弥さんの心の叫び 「命に国境はない」海難映画に重ねた大戦の記憶 昭和35年 2024年4月14日 07時21分 有料会員限定記事 0 あとで読む

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新規登録 ログインする Xで共有する Facebookで共有する 印刷する メールで送る リンクをコピーする Xで共有するX Facebookで共有するfacebook LINEで共有するLINE はてなブックマークで共有するはてなブックマーク <100年の残響 昭和のうた物語>(2) 名優・森繁久弥(1913~2009年)が、演技でなく言葉を詰まらせる。「海から戻らぬ漁師たちの名を岸壁で家族が叫ぶシーンでした。(主人公役の)森繁さんも息子の名を呼ぶはずが、声にならない。エキストラの皆さんも、もらい泣きしていました。忘れられない光景です」

旅館の前で「さらばラウスよ」を歌う森繁久弥さん(中)。草笛光子さんら映画の出演者も一緒に歌ったという(羅臼町郷土資料館提供)

 1960年に北海道・知床で撮影された映画「地の涯に生きるもの」。地元の羅臼村(現羅臼町)役場の職員としてロケに協力していた川端隆さんは、そう振り返る。  映画は、その前年の4月6日に起きた海難事故を終盤で描いている。羅臼沖を襲った風速30メートルの強風が漁船を相次いで転覆させ、80人以上が犠牲となった惨事だ。遭難者の無念の思いを後世に伝えようと森繁さんが私財をつぎ込み自主製作したこの作品には、事故の遺族も含め200人近い村人がエキストラとして参加した。「森繁さんは遺族からじっくり話を聞いていました。こみ上げるものがあったと思います」(川端さん)  数カ月に及んだロケを終え、協力してくれた地元の人々へのお礼としてつくった歌が「知床旅情」だ。  「知床の岬に はまなすの咲くころ…」で始まり、結びでは「忘れちゃいやだよ 気まぐれカラスさん 私を泣かすな 白いかもめを…」と別れを惜しむ。

宿の前に張り出された「さらばラウスよ」の歌詞(羅臼町郷土資料館提供)

 「知床を離れる朝です。宿の前で蝶(ちょう)ネクタイ姿でギターを弾き、歌を披露してくれました。村中が集まったかなという数の人が来て、聴き入っていました」と川端さんは回想する。  このときの曲名は「さらばラウスよ」で、後に「しれとこ旅情」としてレコーディングされた。ただ大きなヒットにはならず、日本中に知られるようになったのは1970年に加藤登紀子さんがリリースしてからだ。  きっかけをつくったのは、後に夫となる学生運動のリーダー藤本敏夫さん(1944~2002年)だった。「彼と初めて二人だけで過ごした夜、別れ際に歌ってくれたんです。京都のバーで森繁さんのレコードを聴いて、気に入って歌詞も覚えていた。彼への思い入れとともに、私の心にも...

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