裏コードとは?使い方をヒットソングを例に解説
裏コードとは?使い方をヒットソングを例に解説- 2023年10月22日
- ノンダイアトニックコード
「ジャジー」「複雑なコード進行だ」と感じる曲には、裏コードが使われているかもしれません。
今回は、おしゃれで大人的な楽曲でよくみられる「裏コード」を解説していきます。
えるるんJpopでも使われていて、最近のアーティストでいうと藤井風さんもよく使っているよ!裏コード含めたノンダイアトニックコードについての詳しい記事は『ノンダイアトニックコードとは』をご覧ください。 目次- 1 裏コードとは
- 2 セカンダリードミナントも裏コードにできる
- 3 裏コードのツーファイブ化
- 4 裏コードが使われている楽曲
- 5 裏コードのスケール・テンション
- 6 まとめ
裏コードとは
裏コードとは、トニックへと進行するドミナントセブンスの代わりになるコードで、近しい響きがします。『I(トニック)』に対する『V7(ドミナント)』の増4度上のコードが裏コードで、Iから見て半音上の『♭II7』のコードとなります。例えば、Cメジャーキーにおける『G7(V7)の裏コードは、『D♭7(♭II7)』です。
えるるん裏コードはド、ミナントセブンスの代わりに使えるから、例えば、『IIm7→V7→I』の進行を『IIm7→♭II7→I』に置き換えられるよ!ドミナントセブンスはとても緊張感があるコードでトニックに進もうとする力が働きます。同じように、裏コードにもトニックに進もうとする力があります。
以下で聴き比べてみましょう。どちらも自然にC(トニック)へと進行し、落ち着きを感じられています。
裏コード無し(IIm7→V7→C)
https://er-music.jp/theory/wp-content/uploads/2021/07/demo-score1.mp3裏コード有り(IIm7→♭II7→C)
https://er-music.jp/theory/wp-content/uploads/2021/07/demo-score2.mp3ドミナントセブンスの代わりになる理由
ドミナントセブンスには、トニックへ進もうとする力があります。これは、ドミナントセブンスの不安定な響きによるもので、構成音に含まれるトライトーンが関係しています。
裏コードは、ドミナントセブンスと同じトライトーンを持つので、同じコード(トニック)へ進もうとする力があるのです。
えるるんトライトーンは、「ファ」と「シ」の様に、増4度で離れた2音のこと!例えば、Cメジャーキーのドミナントは『G7』、G7の裏コードはD♭7となりますが、トライトーンである「ファ」と「シ」が共通しています。
キードミナントセブンス(構成音)裏コード(構成音)Cメジャー
G7(G,B,D,F)
D♭7(D♭,F,A♭,C♭)FメジャーC7(C,E,G,B♭)G♭7(G♭,B♭,D♭,F♭)
※『BとC♭』『EとF♭』は、異名同音で表現されています。
裏コードの特徴・聴こえ方裏コードを使うとどんな効果があるのでしょうか。またどの様に肥えるのでしょうか。
裏コードの特徴以下2つを紹介します。
- トニックへ半音で解決できる
- 大人っぽくジャジーなコード進行になる
G7からCへの進行に比べると解決した感覚は弱まりますが、トニックの半音上からアプローチすることとなるのでスムーズな進行になります。
Cトニックへ解決するDm7→G7→Cの進行を例に考えていましょう。ベースからDから半音で下行する進行になっていますね。
大人っぽくジャジーなコード進行になる裏コードは、特にジャズで頻繁に使われます。
大人っぽさのある楽曲は、クロマチックなアプローチや、テンションコードが重要です。G7とD♭7は全く違うコードですが、ある意味ではG7のテンションコード(ルート省略型)とも言えます。
それぞれの構成音を見てみましょう。
コード構成音G7ソ・シ・レ・ファD♭7レ♭・ファ・ラ・ド♭(シ)共通するシとファはトライトーンです。D♭7のレ♭は、G7から見た#11th、ラは9thです。そのため、G7(9,#11)に近しい響きがします。
こうしたテンション感もあって、奥行のあるジャジーなコードに聞こえます。
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セカンダリードミナントも裏コードにできる
セカンダリードミナントも裏コードにできます。
本来のトニック以外のコードを、一時的にトニックとみたてた際のドミナントを、セカンダリードミナントといいます。
例えば、Cメジャーキーで考えてみましょう。『A7→Dm』という進行は、『A7』がセカンダリードミナントになります。
セカンダリードミナントを裏コードにすると、『A7』の増4度上、あるいは『Dm』の半音上の『E♭7』になります。
コード進行は『E♭7→Dm』となります。
ドミナント(セカンダリードミナント含む)と裏コードの一覧表
トニックドミナント裏コードC(I)G7(V7)D♭7(♭II7)Dm(IIm)A7(VI7)E♭7(♭III7)Em(IIIm)B7(VII7)F7(IV7)F(IV)C7(I7)G♭7(♭V7)G(V)D7(II7)A♭7(♭VI7)Am(VIm)E7(III7)B♭7(♭VII7)裏コードのツーファイブ化
ここまでご覧になられた方は、『Dm→G7→C』のようなツーファイブ進行を、『Dm→D♭7→C』のように裏コードを織り交ぜた進行は納得できるかと思います。
次は、さらに発展させて、「裏コードをV7とした際のツーファイブ進行」を作ってみましょう。
https://er-music.jp/theory/wp-content/uploads/2021/07/IIm-subV7.mp3※通常の進行から順番に再生されます。
『Dm7→D♭7→CM7』の進行が、さらに『A♭m7→D♭7→CM7』になりました。
裏コードが使われている楽曲
裏コードが使われる楽曲をいくつか紹介していきます。実際に曲で聴いて雰囲気を感じ取っていきましょう。
裏コードが使われている楽曲例- エイリアンズ/KIRINJI
- きらり/藤井
少し古い曲ですが、絶妙に配置された裏コードが、少し怪しげな世界観の演出に一役買っています。
イントロ7〜8小節目のE9が裏コードです。D#m7の半音上のコードで、Aメロの1小節目でD#m7に解決します。
https://er-music.jp/theory/wp-content/uploads/2021/07/aliens_subV7.mp3エイリアンズのコード分析へきらり/藤井風藤井風さんの『きらり』という楽曲でも裏コードが使われていますので確認していきましょう。
Aメロの『F#m7→F7→Em7』のF7がまさに裏コードです。Emに進むセカンダリードミナント『B7』の裏コードととらえることができます。
https://er-music.jp/theory/wp-content/uploads/2021/07/kirari_subV7.mp3きらりのコード分析へ裏コードが使われた楽曲をもっと知りたい方は『裏コードが使われた楽曲のコード分析』をご覧ください。裏コードのスケール・テンション
裏コードは、通常のドミナントにはない、ノンダイアトニックな響きが重要になります。
そのため、テンションを決める際も元のスケールから考えず、単にコードトーンの全音上を使用可能テンションとするのが一般的です。
この考えによって、裏コードのテンションは9th、#11th、13thとなります。
また、このテンションを含むリディアン♭7がよく使われます。
ただし、このテンションの付け方は、あくまでも裏コードのノンダイアトニックな響きを強めるためのものです。
単純に#9や♭9などを扱う場合もあります。
まとめ
一見難しそうに見える『裏コード』ですが、使ってみるのは非常に簡単で、行きたいコードの半音上のセブンスコード(♭II7)を裏コードととらえることができます。
コード進行を分析するうえでも、よくわからないセブンスコードが出てきたら、次に半音下に進んでいないか疑ってみましょう!
裏コードは半音上からアプローチすることができるコードですが、パッシングディミニッシュを使えば半音下からもアプローチすることもできます。是非ご活用ください。
【Q&A】記事のおさらい
裏コードとは?裏コードとは、ドミナントセブンスの代わりとなるコードで、同じトニックへ解決できます。 ドミナントセブンスの増4度上のセブンスコードが裏コードに当たります。詳しくは『裏コードとは』をご覧ください。 G7の裏コードは?G7の増4度上である、D♭7が裏コードに当たります。また、トニックであるCの「半音上のセブンスコード」と考えることもでき、こちらもD♭7であると分かります。詳しくは『裏コードとは』をご覧ください。セカンダリードミナントも裏コードにできる?セカンダリードミナントも裏コードにできます。例えば、Dm7へを想定したセカンダリードミナントをA7をE♭7にできます。詳しくは『裏コードの使い方』をご覧ください。音楽理論が学べるおすすめ本 amazonベストセラー Amazonで見る 楽天市場で見る 都内専門学校でも使用 Amazonで見る 楽天市場で見るKindle Unlimitedなら『コード理論大全』も1ヶ月無料で読める!!