高音質なUSB DACの自作方法|VICS USB Audio キット(PCM2704)活用
高音質なUSB DACの自作方法|VICS USB Audio キット(PCM2704)活用

高音質なUSB DACの自作方法|VICS USB Audio キット(PCM2704)活用

はじめに

メインアンプを作り、スピーカーを作り、サウンドカードを改造したりとしているうちに、また何か作りたくなってきた。 もう病気だ。 お金がかかって仕方が無い。

今回はサウンドカードが物足りなかったので、USB接続のDAC(Digital Analog Converter)を作ってみることにした。

丁度良い具合にVICSからUSBオーディオキットが出ているのを見つけたので、これを作ってみることに。

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VICS USBオーディオ(PCM2704)キット

PCM2704データシート(PDF)

このキットの特徴は

・USB DAC ICにTI/バーブラウン社製PCM2704を使用。 ・USB1.1対応 ・サンプリングレート:32,44.1,48KHz対応 ・16bit デルタシグマDAC ・THD+N:0.006%(RL>10kΩ) ・SNR:98dB ・Dynamic Range:98dB ・Windows標準装備のドライバを使用(USB Audio Class Device) ・基板サイズ40×70mm

といった感じだ。

現在使っているSoundBlaster Digital Music LX 改 に勝るものが作れるだろうか。

Sound Blaster Digital Music LX 改造|コンデンサ交換で音質向上USBサウンドカード Sound Blaster Digital Music LX の改造。全てのコンデンサーをOS-CON、Nichicon MUSE ESに変更し音質アップblog.bnikka.com

使用部品

とてつもなく足が細かいPCM2704は基盤に実装済みで一安心。 こんなに細かい足をハンダ付けなんて私の技術では不可能です。

オリジナルキットではコンデンサなどは汎用品が使われている。 どうせ後で交換したくなるだろうと考え、最初から変更することにした。 変更内容は以下。

部品記号 規格 部品種類 用途 規格 部品種類 メーカー 価格 備考 R1,R13,R16 4.7kΩ 金属皮膜抵抗 1% 1/4W R1:LEDの電圧調節 R13,R16:オペアンプの帰還抵抗 → 4.7kΩ 金属皮膜プレート抵抗 1% 1/2W ニッコーオム ¥42×1 R1は削除 R2,R3 1.5kΩ 金属皮膜抵抗 1% 1/4W R2:3pin(DT)をLV TTL-levelに調節 R3:9pin(D+)をTTL-levelに調節 → 1.5kΩ 金属皮膜プレート抵抗 1% 1/2W ニッコーオム ¥42×2 R4,R5,R6,R7,R8,R11,R17 22Ω 金属皮膜抵抗 1% 1/4W R4,R5:ダンピング抵抗 R6:C9とでV++電源のLPF形成 R7,R8:C7,C8とでLPF? R11,R17:ダンピング抵抗 → 22Ω 金属皮膜プレート抵抗 1% 1/2W ニッコーオム ¥42×5 R6,R11,R17は削除 (R11,R17は電線路における反射を防ぐため通常あった方が良い) R9 1MΩ 金属皮膜抵抗 1% 1/4W クロック生成用 → 削除 R10,R18 20kΩ 金属皮膜抵抗 1% 1/4W カップリングC14,C15とで出力のHPFを形成 → 削除 R12,R15 10kΩ 金属皮膜抵抗 1% 1/4W オペアンプのゲイン決定 → 10kΩ 金属皮膜プレート抵抗 1% 1/2W ニッコーオム ¥42×2 R14,R19 470kΩ 金属皮膜抵抗 1% 1/4W オペアンプの入力抵抗決定 → 470kΩ 金属皮膜プレート抵抗 1% 1/2W ニッコーオム ¥42×2 Y1 12MHz 水晶発信子 PCM2704に12MHzのクロック供給 → 水晶発信器に変更 LED1 赤 LED パワーインディケーター → 削除 U2 オペアンプOPA2340PA 出力ゲイン調節オペアンプ → NJM2114Dに変更 C1,C10 22pF 積層セラミックコンデンサ 50V 水晶発信子のノイズ吸収 → 削除 C7,C8 0.022uF 積層セラミックコンデンサ 50V R7,R8とでLPF? → 0.022uF メタライズドポリエステルコンデンサMKT1826 100V ERO ¥136×2 C3,C5 0.1uF 積層セラミックコンデンサ 50V 10pin(Vbus)の高周波ノイズ吸収 → そのまま使用 C2,C4,C9,C11,C13 1uF 積層セラミックコンデンサ 50V ICの高周波ノイズ吸収 → そのまま使用 C12 47uF 汎用電解コンデンサ 単電源用のVccp/2供給用のデカップリングコンデンサ → 100uF OS-CON SA 20V SANYO ¥231 C14,C15 2.2uF 汎用電解コンデンサ カップリングコンデンサ → 削除 L1 100uH インダクタ USBバスパワーのためのLPF → 削除 CN1 USBコネクタ → そのまま使用

その他の部品(ケースや端子etc)

ケース タカチ UC9-5-12DD ¥1610 RCA端子 金メッキRCAジャック(赤黒) ¥399 ACアダプタ 9V 2.5A 24W スイッチングACアダプタ ¥600 DCプラグ MJ-10 ¥30 ブラケットLED CTL701R 三成電器 ¥168 スイッチ DQ-11 3pin ¥105 抵抗 酸化金属皮膜抵抗 62Ω(LED電圧調節用) ¥21

 

クロックの改良

キットオリジナルの水晶発振子は”12AKSS5DT”と書いてある。 どれだけ検索してもヒットせず、精度もどこのメーカーかも分からない。 そこまで精度は高そうではないので、交換することにした。

オーディオICにとってクロックは命だ。 サンプリングレートなども、このクロックから作られるからだ。 精度の高いものを選べば、輪郭がしっかりした高音質が期待できる。

12MHzのクリスタルオシレータをずいぶん探した。 結局、見た目が最も精度の高そうな若松通商で売られている水晶発信器にした。

TCXOは温度保障付き発振器だ。 KSSとあるので、京セラキンセキ製だろう。 ただ、データシートが見当たらないので精度等は分からない。 このあたりが非常に怪しいがTCXOのものは高精度のものが揃っているので、恐らく高精度だろう。

裏側はこんな感じ。 高精度な臭いがぷんぷんする。

回路は以下のようにした。

1pin : 使用しない 7pin : GND 8pin : クロック出力 14pin : 5V電源

14pinと7pinの間になるべく足が短くなるように22pFのコンデンサを挿入する。 これは、発振器が発する高周波ノイズを除去するためだ。 高周波特性の良い積層セラミックコンデンサが安価で良い。 この積セラにはキットについてくるものを使用した。

330Ωの抵抗はダンピング抵抗だ。 高周波の反射を防ぎ、それにより低在波が生じるのを防ぐために入れている。 22Ω〜300Ω程度が良いようだ。

また、5V電源のリップル除去用に220uFのOS-CONをデカップリングコンデンサとして挿入した。 これでクリスタルオシレータの電源の揺れが抑えられる。

水晶発振器 12MHz TCXO 京セラキンセキ ¥525 330Ω抵抗 プレート抵抗 1/2W 1% ニッコーム ニッコーオム ¥42 22pFコンデンサ 積層セラミックコンデンサ(キット付属) 220uFコンデンサ OS-CON SA 10V SANYO ¥231

ユニバーサル基板を小さくカットし、プレート抵抗とGND線によりキットの基板に固定している。 案外簡単にクロック周りを変更できた。

PCM2704をセルフモードで駆動

PCM2704のデータシートを見ると、USBバスパワーよりもセルフパワーの方がノイズレベルが低く、ダイナミックレンジなども特性が良いことが見て取れる。 これはセルフモードにするしかないだろう。

しかし、セルフモードにするには問題点が2つある。

1:PCM2704の細い足にハンダ付けしなければならない 2:プリント基板のパターンカットが必要

ということだ。 あの表面実装用のPCM2704の足にハンダ付けをするのは困難を極める。 それに、パターンカットをすると元に戻せなくなってしまう。

バスパワーをUSB経由ではなく、スイッチングレギュレータで供給しようかと非常に迷ったが、結局トライしてみることにした。

抵抗やコンデンサの余ったリード線を折り曲げ、下図のように金ヤスリで平らにした。

これをPCM2704の4pin(PSEL)と21pin(HOST)にハンダ付けする。 データシートでは21pinのHOSTはUSB bus power の5Vに繋げるように書かれているが、どちらでも良い。

隣の足にくっつかないように慎重に行わなければならない。 予想していたよりはすんなりハンダ付けをすることができた。

パターンカットは、カッターナイフでC2から4pin(PSEL)へ出ている銅線を断ち切るだけだ。 一箇所だけで良い。 一応、テスターなどで絶縁を確認した方が良い。 きちんと絶縁できていないと厄介なことになる。

ここまで作業が完了したら、いよいよPCM2704に3.3Vを供給。 供給しなければならないpinは次のpinたち。

3.3Vの供給先

接続pin 配線場所 7pin(VDD) C2の足(■) 13pin(VCCL) C4の足(●) 16pin(VCCR) C13の足(●) 20pin(VCCP) C11の足(■)

また、

4pin(PSEL)をGNDに落とす21pin(HOST)をUSBバスパワーの5Vに接続(この5VとGND間に1MΩの抵抗を挿入)

とすればセルフパワーの完成だ。

簡単に回路に表すとこんな感じ。

実際に配線するとこんな感じになった。

これでセルフパワーで駆動できる。 この改造は確実に音質アップだ。

オペアンプを正負5Vで駆動

キットに標準で付いてくるTI/バーブラウン製のOPA2340は片電源動作対応と珍しいオペアンプだ。 OPA2340データシート

普通のオペアンプは、正負電源を用意してあげるか、単電源でも動作するように入力電圧をV+/2のゲタをはかせてあげる必要がある。 オペアンプは真空管に対応する音を決定する大切な素子だ。 ここを交換することで、好みの音に近づけることができる。

なので、この改造をすることで、オペアンプ選択の幅が広がり、音の選択の幅も広がる訳だ。

低音寄りの音がすると評判の良いNJM2114Dに交換してみることにした。

オペアンプは差し替えができるように8pinの丸穴ICソケットを設けてある。

オペアンプの4pinにマイナス電源が、8pinにプラス電源がくるように配線する。 該当するICソケットの足(4pinと8pin)を折っておいてプリント基板に当たらないようにし、ケーブルでソケットの足(4pinと8pin)にハンダ付けすることで正負電源を供給するようにしている。

上図の黒いケーブルが4pinに繋がる-5V電源を供給している。

また、ゲインを大きく調節するときは、オペアンプの前段にハイパスフィルターを通して直流成分をカットしてあげる必要がある。 PCM2704の出力は単電源用に+0.3〜+3V程度にバイアスされているので、ゲインを大きくすると、オペアンプの許容電圧を超えてしまう恐れがあるからだ。

片方の信号経路だけ回路にするとこんな感じ。

非反転増幅器になっている。

増幅率は A = 1 + R2/R1 となる。 R3はオペアンプの入力抵抗を決める抵抗で、キット通り470kΩで問題ない。 C1とR’でHPF(High Pass Filter)を形成する。 カットオフ周波数は 1/(2πC1R’) [Hz] だ。

本来、入力が0VできちんとOFFSETがとれていたら、出力にカップリングコンデンサは必要無くなる。 これが正負両電源の強みだ。

しかし、PCM2704は出力がバイアスされているので、カップリングコンデンサは必要になる。

オペアンプ用の負電源作成(チャージポンプ方式)

オペアンプを使う時に悩ませられるのは負電圧をどう作るかだ。 大きく分けて3種類くらいあるだろうか。

1:GNDが共通ではない電源を2つ用意する 2:DC-DCコンバータで負電圧を作る 3:チャージポンプ方式で負電圧を作成する

オペアンプはそこまで大きな電流を必要としないので、今回は正電源から負電源を作れて仕上がりもコンパクトに済むチャージポンプ方式を試してみることにした。 チャージポンプ(ChargePump)方式とは、コンデンサに蓄えられた電荷をスイッチにより繋ぎ替えて負電圧を作成するものだ。 チャージポンプICたるものがあるので、これを利用すると簡単に仕上がる。

チャージポンプICは ・ブーストモードがない7660系 (ICL7660/7662,JRC7660など) ・ブーストモードがある1044系 (LTC1044/1044A/1144,MAX1044など) が一般的のようだ。

ブーストモードがあると、スイッチング周波数を可聴帯域外の20kHz以上にまで高めることができる。 オーディオ用にはブーストモードがあるものを選んだほうが良い。

スイッチング電源が9Vなので、耐圧は一応10V以上ある方が安心だ。 ということで、ブーストモードありで耐圧15VのLTC1144にすることにした。

外部クロックも利用できるので、多出力クリスタルオシレータ EX03も一緒に買ったのだが、どうやら100kHz以上の高周波ではきちんと動作しないようだ。外部クロックを入れみたが上手く動かなかった。ブーストモードで駆動するのが良いみたいだ。

これがLTC1144を用いて負電圧を作る回路だ。(ブーストモードはON) チャージするコンデンサは10uF以上のものを使用する。 なるべく低ESRのOS-CONなどが良い。

また、これも高周波ノイズを発生させるICなので、3pinと8pinの間に0.1uF程度の高周波吸収用の積セラコンなどを足を短くして挿入しておく。

この出力の-9Vを負電源スイッチングレギュレータに繋げば、オペアンプ用の負電源を作ることができる。

チャージポンプIC LTC1144CN8 15V → ±15V ¥300 100uFコンデンサ SANYO OS-CON SA 20V ¥231×2

(上図では外部クロック用のEX03とその出力抵抗が載っているが、動作しなかったので回路は繋がっていない)

3.3V、5V、-5Vの作成(スイッチングレギュレータ)

・PCM2704のセルフパワー電源用の3.3V ・水晶発振器の電源とオペアンプのV+用に+5V ・オペアンプのV-用に-5V

の計3種類の電源が必要だ。 オーディオ用の電源なので、電圧の振れが小さい低ノイズの電源である必要がある。

スイッチングレギュレータを用いるとリップル含有率の小さい電源が作れる。

3.3V、5V、-5V用に3つのレギュレータを用意した。

IN GND OUT IN GND OUT GND IN OUT ↑注意 3.3V 三端子レギュレータ TA48033 ¥84ヒートシンクには両面テープで固定。 5V 三端子レギュレータ 7805 ¥63パッケージはGNDになっている。 -5V 三端子レギュレータ 7905 ¥637805とはGNDとINの位置が異なるので注意が必要。 パッケージはINの電圧になるので、絶縁されたモールドパッケージを買うと良い。

正電源用の78xx系統は次のように配線する。

C1、C2はリップル除去用に挿入する。

C1:3300uF (MUSE FW 25V) C2:6800uF (ELNA RJJ 10V) ← 3.3V用 3300uF (MUSE FW 25V) ← 5V用

としたが、C1もC2も100uF程度で十分だ。

負電源用の79xx系統は次のように配線する。 C1、C2の電解コンデンサの向きに注意が必要だ。

C1:チャージポンプ出力のOS-CON 100uFがこれと兼用 C2:3300uF (MUSE FW 25V)

電流はあまり流れないので、ヒートシンクを取り付けなくても大丈夫だが、夏場のことを考えると付けておいた方が良い。 TO220用のヒートシンクが使える。

ケースの加工

TA2020-20 D級アンプを作った時と同じケースだ。

高音質デジタルアンプの自作方法|TA2020-20|20万円のアンプを1万円で超えるTripath社TA2020-20というICを使った自作デジタルアンプ。回路図を含む作例の紹介や、ブラックゲート等のコンデンサの音質紹介、ポップノイズ対策の改造例等を紹介しますblog.bnikka.com

ビンバイスとシャーシリーマーと金ヤスリで穴あけをした。

 

だんだんアルミ加工が上手くなってきたような気がする。 なかなか綺麗に仕上がった。

完成

TA2020-20デジタルアンプと同じケースということで、ほとんど同じ外観だ。 それにしてもこのケースは素敵だ。 タカチ様さまさまです。 自作と思えない重厚感を放ってくれる。

USB DACということで、配線も至ってシンプル。

と思いきや中はむちゃくちゃだ。 電源の平滑コンデンサとスイッチングレギュレータのヒートシンクが大きく場所をとる。 USBバスパワーにすれば、非常にコンパクトにまとまりそうだ。

音を鳴らしてみる

PCM2704はWindows標準装備のドライバで動作する。 USB Audio Class Deviceだ。

いよいよスイッチON。 LEDが光り、奇跡的に一発で音が鳴った。 ちょっと感動。

比較対象は、SoundBlaster Digital Music LX 改だ。 SoundBlasterの倍近い1万円以上を費やし、倍以上の体積を占めるPCM2704。

果たしてSoundBlasterの音を超えることができるのでしょうか。 倍くらいの音がしてくれてもおかしくはないだろう。

高音域 落ち着いた音だ。シャリシャリしない。ガラスが割れるような耳を劈く音は、きちんと突き刺すように迫ってくる。 中音域 SoundBlasterは中域が少し篭ったような感じだったが、その篭りがなくなった。うっとりするような音だ。 低音域 心地良い。優しい感じのする低音だが、しっかり響く。余裕のあるような鳴り方だ。 全体として SoundBlasterに比べて、包容力がある。SoundBlasterは良い音を出すことにやっきになっている感じがして少しばかりしんどかったが、PCM2704は安心してゆったりと聴いていられる。落ち着いた音なのに、篭った感じもない。

SoundBlasterを遥かに凌駕する音が鳴ってくれてとても嬉しい。 USBバスパワーではなく、きちんとレギュレータで電源供給をしてあげるのが、やはりオーディオには良いみたいだ。 あと、たぶん水晶発振器もあれで大丈夫だったみたい。

自分であれやこれやと回路を考えて音作りをするのは本当に楽しい。 また、音楽を聴くのも自然と楽しくなる。

音作りはけっこう良い趣味かもしれない。

バスブースト回路の追加

ソフトウェア側でイコライザを用いて好みの音にしていたのだが、ソフトウェアイコライザを使うとCPU負荷が大きくなってしまうので、いっそのことアナログ回路でイコライジングを実現してみることにした。

高音は抑えて低音を増強するのが好きなので、バスブースト回路を作ることにした。 以下のようなオペアンプを用いたLPF(Low Pass Filter)だ。

図:オペアンプを用いたバスブースト回路

非反転増幅回路にC1を加えただけだ。 上で書いたように、GainはC1が無い場合は A = 1 + R2/R1 になる。 C1が入ると少しややこしくなり、 という周波数に依存するようになる。つまり、周波数によってゲインを変化させることができる。 R1、R2、C1の値を変えると好みのバスブースト回路ができるわけだ。

予めソフトウェアイコライザで好みのイコライザセッティングをはっきりさせておいて、その周波数特性をExcelで計算してR1、R2、C1の値を決めた。

このExcelファイルのR1、R2、C1を変更するだけで周波数特性がグラフになるようにしてある。 因みに、私の好きな音は R1 = 12kΩ R2 = 15kΩ C1 = 0.022uF という設定だった。

なんとも愛想の無い特性だ。

定数も決まったので、部品調達。

オペアンプ NJM2114D JRC(新日本無線) ¥168 12kΩ リケノーム MA 1/2W 5% (理研) ¥78×2 15kΩ リケノーム RMG 金足 1/2W 2% (理研) ¥160×2 470kΩ ニッコーム 1/2W 1% (ニッコーオム) ¥42×2 0.022uF MKT1826 100V メタライズドフィルム (ERO) ¥136×2

リケノームが生産終了らしいのでリケノームを使っておくことにした。 少し高めの抵抗だが、後々プレミアが付くかもしれない。(などと考えてはほくそえむことができるので値段相応の価値はあるかもしれない)

RMGは金足だ。すごくリッチな感じがする。 オーディオ用カーボン抵抗。 にぎやかな良い音がするとネット検索によると好評のようだ。

RAは精度が5%と低く、ゲインを決定する抵抗には本来使うべきではない。 左右で違う音になってしまうからだ。 けれど、テスターで測定してほぼ同じ値の精鋭部隊2本を用いたので、問題ないだろう。

いざ小さなユニバーサル基板上に作ってみた。

なかなかコンパクトに収まった。 電解コンデンサはカップリング用のBlackGate NX 22uF ¥168×2だ。 PCM2704と第一弾オペアンプを出た出力は2VくらいのDCがあったので、カップリングコンデンサを入れることにした。 (このあと、BlackGate NXとオペアンプの間にR3を挿入していないことに気付き、急遽もう一本リケノームを投入することに)

VICSキットの出力にこのバスブースト回路を繋げることにした。 NJM2114Dを合計2つも通ることになった。

音を聴いた感想

すごい。イコライザでシュミレーションしたのと同じような音にすることにできた。 我ながらあっぱれ。 イコライザで出していた音に比べ、非常に重厚な音だ。 アナログ回路で実現したためにバスブーストしても波形の歪みが小さいためか、リケノームのお蔭か、BlackGate NXのためか、NJM2114Dを2つも通しているためなのかは分からない。 けれども、とても高級な重い音だ。 非常に満足。

その後、R1をALPSのVRにして低音の強さを変えれるようにした。

TA2020とほとんど同じ前面になった。 現在、二つ並べて置いている。

背面。 もう少し配置を考えればよかったなぁ。

 

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