曲率・曲率半径の感覚的な意味と求め方
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曲率・曲率半径の感覚的な意味と求め方

曲率・曲率半径の感覚的な意味と求め方
  • レベル: ★ 最難関大受験対策
  • 微分

更新 2021/03/07

  • 曲率半径とは,曲線を「局所的に円の弧」とみなしたときの円の半径。

  • 曲率とは,曲率半径の逆数。

曲率・曲率半径について解説します。曲率半径を題材とした入試問題もときどき出題されます。

曲率について

  • 二階微分可能な曲線 y=f(a)y=f(a)y=f(a) は (a,f(a))(a,f(a))(a,f(a)) 付近で円に近似できます。その円を曲率円,半径を曲率半径と言います。曲率半径が大きいほどカーブはゆるいです。

  • 曲率は曲率半径の逆数です。曲線の(局所的な)曲がり具合を表します。曲率が大きいほどカーブは急です。

  • 直線の場合(曲がっていない場合)曲率は 000,曲率半径は ∞\infty∞ とみなせます。

  • このページでは,二階微分可能な曲線を考えます。y=∣x∣y=|x|y=∣x∣ の x=0x=0x=0 など,とがった点では円弧で近似できないので曲率は定義されません。

  • 曲率がどの点でも一定な曲線は円です。曲率の変化率が一定であるような曲線はクロソイド曲線と呼ばれるものです。→クロソイド曲線の性質とその証明

曲率半径を求める公式

曲率半径を求める公式1

y=f(x)y=f(x)y=f(x) の点 A(a,f(a))A(a,f(a))A(a,f(a)) における曲率半径は,

R=(1+f′(a)2)32∣f′′(a)∣R=\dfrac{(1+f'(a)^2)^{\frac{3}{2}}}{|f''(a)|}R=∣f′′(a)∣(1+f′(a)2)23​​

ただし,f′′(a)=0f''(a)=0f′′(a)=0 のときは曲率半径は ∞\infty∞ とみなす。

この公式は覚える必要は無いですが,導出の考え方は覚えておくとよいです。他にも導出方法はありますが,入試で題材にしやすい&曲率円の中心も求まる導出方法を解説します。

方針は比較的簡単で面白いですが,計算はけっこう大変です。

AAA における曲率円の中心を,「AAA における法線と AAA に近い点 BBB における法線の交点,の極限」と解釈します。

公式の証明の概略
  1. まずは A(a,f(a))A(a,f(a))A(a,f(a)) における法線の方程式を求める(→ 法線ベクトルの3通りの求め方と応用): (y−f(a))f′(a)=a−x(y-f(a))f'(a)=a-x(y−f(a))f′(a)=a−x

  2. 同様に B(b,f(b))B(b,f(b))B(b,f(b)) における法線の方程式も求まるので,二つの法線の交点の座標 C(xb, yb)C(x_b,\:y_b)C(xb​,yb​) を求める(詳細は省略)

  3. bbb を aaa に近づけていくと (xb,yb)(x_b,y_b)(xb​,yb​) は「AAA 付近で f(x)f(x)f(x) を円弧とみなしたときの円」の中心となる。 つまり,曲率円の中心は (lim⁡b→axb, lim⁡b→ayb)(\displaystyle\lim_{b\to a}x_b,\:\lim_{b\to a}y_b)(b→alim​xb​,b→alim​yb​) 実際に極限を計算すると, lim⁡b→ayb=1f′′(a)+f(a)+f′(a)2f′′(a)\displaystyle\lim_{b\to a}y_b=\dfrac{1}{f''(a)}+f(a)+\dfrac{f'(a)^2}{f''(a)}b→alim​yb​=f′′(a)1​+f(a)+f′′(a)f′(a)2​ lim⁡b→axb=a−f′(a)f′′(a)−f′(a)3f′′(a)\displaystyle\lim_{b\to a}x_b=a-\dfrac{f'(a)}{f''(a)}-\dfrac{f'(a)^3}{f''(a)}b→alim​xb​=a−f′′(a)f′(a)​−f′′(a)f′(a)3​

  4. 曲率円の中心と AAA の距離が曲率半径である。 R2=(lim⁡b→axb−a)2+(lim⁡b→ayb−f(a))2=(1+f′(a)2)3f′′(a)2R^2=(\displaystyle\lim_{b\to a}x_b-a)^2+(\lim_{b\to a}y_b-f(a))^2\\=\dfrac{(1+f'(a)^2)^3}{f''(a)^2}R2=(b→alim​xb​−a)2+(b→alim​yb​−f(a))2=f′′(a)2(1+f′(a)2)3​

注:なお,この記事では「関数を局所的に円弧で近似したときの円」が曲率円だと定義していますが,これは感覚的な表現で数学的に厳密ではありません。

納得出来ない人は,上記の1〜3で導出した円こそが曲率円の定義で,上記の4が曲率半径の定義だ! と理解してもOKです。

例題

具体的な計算例として,放物線の曲率半径を求めてみます。

例題

f(x)=x2f(x)=x^2f(x)=x2 の (a,a2)(a,a^2)(a,a2) における曲率半径を求めよ。

解答

f′(a)=2a, f′′(a)=2f'(a)=2a,\:f''(a)=2f′(a)=2a,f′′(a)=2 より,曲率半径は

R=(1+4a2)322R=\dfrac{(1+4a^2)^{\frac{3}{2}}}{2}R=2(1+4a2)23​​

つまり曲率半径は a2a^2a2 が大きいほど大きくなる。放物線は原点付近が最も急カーブで,離れるに連れてカーブが緩やかになる。

媒介変数表示で表された曲線の曲率半径

曲率半径を求める公式2

曲線 (x(t),y(t))(x(t),y(t))(x(t),y(t)) 上の点 (x(t0),y(t0))(x(t_0),y(t_0))(x(t0​),y(t0​)) における曲率半径は,

R=(x′2+y′2)32∣x′y′′−y′x′′∣R=\dfrac{(x'^2+y'^2)^{\frac{3}{2}}}{|x'y''-y'x''|}R=∣x′y′′−y′x′′∣(x′2+y′2)23​​

ただし,x′=dx(t)dt∣t=t0x'=\left.\dfrac{dx(t)}{dt}\right|_{t=t_0}x′=dtdx(t)​∣∣​t=t0​​,y′=dy(t)dt∣t=t0y'=\left.\dfrac{dy(t)}{dt}\right|_{t=t_0}y′=dtdy(t)​∣∣​t=t0​​,x′′=d2x(t)dt2∣t=t0x''=\left.\dfrac{d^2x(t)}{dt^2}\right|_{t=t_0}x′′=dt2d2x(t)​∣∣​t=t0​​,y′′=d2y(t)dt2∣t=t0y''=\left.\dfrac{d^2y(t)}{dt^2}\right|_{t=t_0}y′′=dt2d2y(t)​∣∣​t=t0​​ です。

y=f(x)y=f(x)y=f(x) 版の公式から導出します。(x′≠0x'\neq 0x′=0 という条件がつきますが)計算が楽です。

導出

y=f(x)y=f(x)y=f(x) 版の公式: R={1+(dydx)2}32∣d2ydx2∣R=\dfrac{\left\{1+\left(\frac{dy}{dx}\right)^2\right\}^{\frac{3}{2}}}{\left|\frac{d^2y}{dx^2}\right|}R=∣∣​dx2d2y​∣∣​{1+(dxdy​)2}23​​

に,dydx=dtdxdydt=y′x′\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{dt}{dx}\dfrac{dy}{dt}=\dfrac{y'}{x'}dxdy​=dxdt​dtdy​=x′y′​ および d2ydx2=ddx(y′x′)=dtdxddt(y′x′)=1x′x′y′′−y′x′′x′2\dfrac{d^2y}{dx^2}=\dfrac{d}{dx}\left(\dfrac{y'}{x'}\right)=\dfrac{dt}{dx}\dfrac{d}{dt}\left(\dfrac{y'}{x'}\right)=\dfrac{1}{x'}\dfrac{x'y''-y'x''}{x'^2}dx2d2y​=dxd​(x′y′​)=dxdt​dtd​(x′y′​)=x′1​x′2x′y′′−y′x′′​ を代入すると得る。

曲率と加速度ベクトル

重要な性質

曲率は,曲線上を速度1で進む物体の加速度ベクトルの大きさ(つまり,速度ベクトルを微分したものの大きさ)

大雑把な導出

時刻 sss における速度ベクトルを v(s)v(s)v(s) とする。

下図を見ると,Δs\Delta sΔs が小さい正の数のとき,

∣v(s+Δs)−v(s)∣≒Δθ≒ΔsR|v(s+\Delta s)-v(s)|\fallingdotseq\Delta\theta \fallingdotseq\dfrac{\Delta s}{R}∣v(s+Δs)−v(s)∣≒Δθ≒RΔs​

よって,lim⁡Δs→0∣v(s+Δs)−v(s)∣Δs=1R\displaystyle\lim_{\Delta s\to 0}\dfrac{|v(s+\Delta s)-v(s)|}{\Delta s}=\dfrac{1}{R}Δs→0lim​Δs∣v(s+Δs)−v(s)∣​=R1​

加速度の定義より,左辺は加速度ベクトルの大きさと一致する。

なお,上記の「重要な性質」を曲率の定義とすることも多いです。

上記の「重要な性質」から曲率半径を求める公式2を導出することもできます。合成関数の微分公式を使ってひたすら微分するだけです。

曲率半径を求める公式2の導出
  • 曲線の媒介変数表示を (x(t),y(t))(x(t),y(t))(x(t),y(t)) とする
  • sss を弧長パラメタとする(つまり,曲線上を速度 111 で進む物体の時刻 sss における位置が (x(s),y(s))(x(s),y(s))(x(s),y(s)) と表せる)
  • dsdt=(dxdt)2+(dydt)2=x′2+y′2\dfrac{ds}{dt}=\sqrt{\left(\dfrac{dx}{dt}\right)^2+\left(\dfrac{dy}{dt}\right)^2}=\sqrt{x'^2+y'^2}dtds​=(dtdx​)2+(dtdy​)2​=x′2+y′2​ に注意する。

速度ベクトルの xxx 成分は,dxds=dtdsdxdt=x′x′2+y′2\dfrac{dx}{ds}=\dfrac{dt}{ds}\dfrac{dx}{dt}=\dfrac{x'}{\sqrt{x'^2+y'^2}}dsdx​=dsdt​dtdx​=x′2+y′2​x′​

加速度ベクトルの xxx 成分は,d2xds2=dtdsddt(x′x′2+y′2)=1x′2+y′2x′′x′2+y′2−x′2x′x′′+2y′y′′2x′2+y′2x′2+y′2=x′′−x′′x′2+y′′y′x′x′2+y′2x′2+y′2=x′′y′2−x′y′y′′(x′2+y′2)2=y′(y′x′′−x′y′′)(x′2+y′2)2\dfrac{d^2x}{ds^2}=\dfrac{dt}{ds}\dfrac{d}{dt}\left(\dfrac{x'}{\sqrt{x'^2+y'^2}}\right)\\ =\dfrac{1}{\sqrt{x'^2+y'^2}}\dfrac{x''\sqrt{x'^2+y'^2}-x'\frac{2x'x''+2y'y''}{2\sqrt{x'^2+y'^2}}}{x'^2+y'^2}\\ =\dfrac{x''-\frac{x''x'^2+y''y'x'}{x'^2+y'^2}}{x'^2+y'^2}\\ =\dfrac{x''y'^2-x'y'y''}{(x'^2+y'^2)^2}\\ =\dfrac{y'(y'x''-x'y'')}{(x'^2+y'^2)^2}ds2d2x​=dsdt​dtd​(x′2+y′2​x′​)=x′2+y′2​1​x′2+y′2x′′x′2+y′2​−x′2x′2+y′2​2x′x′′+2y′y′′​​=x′2+y′2x′′−x′2+y′2x′′x′2+y′′y′x′​​=(x′2+y′2)2x′′y′2−x′y′y′′​=(x′2+y′2)2y′(y′x′′−x′y′′)​

対称性より yyy 成分は, d2yds2=x′(x′y′′−y′x′′)(x′2+y′2)2\dfrac{d^2y}{ds^2}=\dfrac{x'(x'y''-y'x'')}{(x'^2+y'^2)^2}ds2d2y​=(x′2+y′2)2x′(x′y′′−y′x′′)​

よって,重要な性質より

1R=(d2xds2)2+(d2yds2)2=∣x′y′′−y′x′′∣(x′2+y′2)32\dfrac{1}{R}=\sqrt{\left(\dfrac{d^2x}{ds^2}\right)^2+\left(\dfrac{d^2y}{ds^2}\right)^2}\\ =\dfrac{|x'y''-y'x''|}{(x'^2+y'^2)^{\frac{3}{2}}}R1​=(ds2d2x​)2+(ds2d2y​)2​=(x′2+y′2)23​∣x′y′′−y′x′′∣​

線路は曲率が急激に変化しないようになっているらしいです。

この記事の監修者

マスオ

東京大学大学院情報理工学系研究科修了/2014年にWebサイト『高校数学の美しい物語』を立ち上げ/著書累計 50,000部突破/「わかりやすいこと」と「ごまかさないこと」の両立を意識している。 →著者情報・書籍一覧を見る

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