ハッブル宇宙望遠鏡が観測した“さそり座”の渦巻銀河「NGC 6000」
こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した渦巻銀河「NGC 6000」。
さそり座の方向、約1億200万光年先にあります。
黄色みを帯びた明るい中心部分を、青色の渦巻腕(渦状腕)が包み込むように穏やかに取り囲んでいる様子が捉えられています。
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した渦巻銀河「NGC 6000」(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Filippenko; Acknowledgement: M. H. Özsaraç)】色の違いは星の性質の違いに由来しています。中心部に多いのはより古く、より軽く、より低温の星々。渦巻腕の星々はより新しく、より重く、より高温の星々です。
NGC 6000では、近年2つの超新星が観測されています。2007年5月に発見された「SN 2007ch」と、2010年3月に発見された「SN 2010as」です。
ESA=ヨーロッパ宇宙機関によると、ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 6000の観測は、こうした超新星爆発が起きた場所を調査する取り組みの一環として実施されました。得られたデータは爆発した星の質量を絞り込んだり、伴星の有無を確かめたりする上で役立ちます。
また、画像の右側をよく見てみると、赤色と青色で交互に塗り分けたような破線が1本あることがわかります。これは、ハッブル宇宙望遠鏡の観測中にたまたま写り込んだ小惑星です。
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した渦巻銀河「NGC 6000」の右側を拡大したもの(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Filippenko; Acknowledgement: M. H. Özsaraç; Edit: sorae編集部(トリミング))】ハッブル宇宙望遠鏡は2種類のフィルターを切り替えながらNGC 6000を観測し、画像の作成時にはそれぞれ別々の色が割り当てられました。太陽系内を移動する小惑星は露光中に視野の中を大きく動いて見えますし、フィルターを切り替えるには少し時間がかかるため、このようにカラフルな破線として小惑星の動きが記録されたというわけです。
冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、ESAから2025年9月29日付で公開されています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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