レゴ クリエイター 海賊船 31109をレビュー! パイレーツのミニフィグやサメも登場
レゴ クリエイター 海賊船 31109をレビュー! パイレーツのミニフィグやサメも登場- 2021年1月25日
- レゴ クリエイター
レゴ クリエイター 海賊船 31109をレビューする。レゴ クリエイターシリーズの海賊船は4体のミニフィグが付属し、海賊の帆船を組み立てることができる2020年発売のセット。海賊船、海賊たちの宿、不気味なガイコツ島の3つに組み替えられる3in1のメインモデルであり、大砲2門やブロックによるドクロの帆を有する本格的な海賊船だ。
レゴ(LEGO) クリエイター 海賊船 31109目次
- レゴ クリエイターシリーズに海賊船が登場! パイレーツのミニフィグも4体
- 海賊船を守るマーメイドの船首像! 人魚姫の名場面も再現できる
- 錨を上げろ! 砲門を開け! クリエイターの海賊船で冒険アドベンチャー
- 僕に板を歩かせないで・・・ クリエイターの海賊船には危険な“板歩きの刑”が
- 船尾楼甲板で舵を取ろう! 船長室の壁には海賊船最大の開閉ギミック
- クリエイターの海賊船はここが違う! ドクロの帆をブロックで表現
- サメ! 海鳥! 金銀財宝! 海賊の世界を彩る生き物たちと輝く宝石
- レゴ クリエイター 海賊船 31109の総評
レゴ クリエイターシリーズに海賊船が登場! パイレーツのミニフィグも4体
海賊船のパッケージの表。海の上を走る海賊船の全体像や他のクリエイターモデルがプリントされている。操舵輪のそばに立つ船長、板から今にも海に落とされそうな下っ端の海賊、落ち待ちのサメ、見張り台から望遠鏡で監視するガイコツなど、ミニフィグやキャラクターたちの動きも豊かだ。
パッケージの裏面。レゴ クリエイターシリーズとして組み替えられる3つのモデルが紹介されている。2つのモデルにおいては開閉ギミックも掲載。
3つのモデルは船、宿、島とバラエティに富んでおり、いずれも完成度が高い。このパッケージを眺めながめると、どのモデルから組み立てたものか悩んでしまう雰囲気だ。
ただ、なんだかんだメインモデルの海賊船が一番オススメだろうか。組み応えや生き物のクオリティにおいて最も満足感がある。帆の湾曲したパーツやロープパーツといった特徴的なパーツを無駄なくフル活用できる点もプラスポイントだ。
海賊船の箱を開封すると、中からパーツや組立説明書や小冊子が出てくる。組立説明書は3つのモデルを組み立てるために2冊構成。1冊は表紙を含めて328ページ、もう1冊は100ページだ。
328のほうでは海賊船と海賊たちの宿、100では不気味なガイコツ島を組み立て。つまり今回レビューする海賊船は328ページの分厚いほうに含まれる。海賊船に割かれたページ数は328のうち198ページ。パーツが一番多く使われるメインモデルだけあり、ページ数も一番多い。
小冊子はレゴランド・リゾートとレゴランド・ディスカバリー・センターのお得なキャンペーンについて書かれている。“おとな1名分の料金で、おとな1名+こども1名が楽しめる。”という内容だ。冊子内に記述されたプロモーションコードを提示することにより、子ども1名分の料金が無料になるらしい。
クリエイターの海賊船のピース数は全1260。1260というピース数は、1094ピースのレゴ パイレーツ・オブ・カリビアン アン王女の復讐号 4195を上回る。クリエイターの海賊船の船体サイズが、アン王女の復讐号より小さいにも関わらずだ。
このサイズとピース数が比例しない現象は、帆と船底の違いによってもたらされる。アン王女の復讐号において不織布だった帆はブロックに、大振りな成形パーツだった船底は細かいパーツの組み合わせによって表現。一枚の不織布だった帆には多いところで30個以上のブロック、7個だった船底には三桁以上のパーツが使われたためピース数が膨れ上がったのだ。
クリエイターシリーズ特有の極力ブロックによって形を作り上げるというコンセプトによりパーツを細分化。最初から形ができているざっくりとした大型パーツやアイテムは用いられず、より細かい作りになっている。帆と船底はクリエイターシリーズのその特性が最も発揮された部分だ。
もちろん、ダイナミックなアン王女の復讐号も非常にかっこいい。いや、海賊船としてのかっこよさはアン王女の復讐号のほうが上だろう。しかしパーツが細かいクリエイターの海賊船にはまた違ったスタイリッシュさ、そして繊細さがある。
1260ピースは8つのパックに分かれて封入。その袋の多さからも大型モデルらしさが感じられる。この8つのうち、最初のパックは特に注目。なぜならこのセットに付属する全てのミニフィグが総出演するからだ。
他のセットでは大抵の場合、ミニフィグが最後のパックまで満遍なく散りばめられているもの。ミニフィグが少しずつ登場する楽しみを味わうためだ。しかしクリエイターの海賊船においては違う。ミニフィグが開幕から一気に4体も登場する。これはミニフィグよりも組み立てモデルのほうがメインであるクリエイターシリーズらしい部分だ。
クリエイターの海賊船にはミニフィグが4体付属。義足の赤ひげ船長、三角帽子の海賊、バンダナの海賊、そしてガイコツの4人だ。
赤ひげ船長のミニフィグは厚めの青いアウターを着て、肩から斜めにかけられたサム・ブラウン・ベルトや腰のプレーンベルトなどがプリント。肩にはネックパーツによる金色のエポレットを装着し、頭にはアクセサリーパーツによる白い羽飾りが付いた髑髏マーク入りの黒いトリコーンを被る。
レゴ アイデア 赤ひげ船長の海賊島 21322に登場する伝統的なファッションの赤ひげ船長とは義手の有無や服の色などが異なり、海賊船の船長としては目新しいデザイン。青い服に義足というスタイルはテレビアニメ『宝島』に登場するジョン・シルバーに近い雰囲気だろうか。新しいファッションの船長としてコレクション性の高いミニフィグだ。
赤ひげ船長はデフォルトとして松明とサーベルを持つ。おそらく彼は夜中でも海賊船を走らせる熱心な操縦者でもあるのだろう。もしかすると“疾風の赤ひげ”という異名を持っているかもしれない。ともあれ松明を片手に夜な夜な舵を取るのだ。
その最中、暗闇に乗じて船長の座を狙う小物はサーベルでバッサバッサと切り捨てる。そして時にはサーベルをクイーン・アン・ピストルに持ち替え、部下を板歩きの刑にいざなう。畏怖の念を抱かせ続けるため、赤ひげ船長はあらゆる非道な手でも打つだろう。
赤いバンダナをしたミニフィグは赤ひげ船長が率いる海賊一味のひとり。彼はラグビー日本代表ブレイブブロッサムのユニフォームを連想させる赤と白のボーダーのタンクトップを着て、ベルト代わりの紐を腰に巻き、茶色のズボンを穿く。手にはデフォルトで望遠鏡を持ち、ガンメタリックのピストルによって武装。
ヒゲがなく潤いが感じられる顔を見るかぎり若手、ガイコツを除くメンバーたちの中で最年少のパイレーツだろう。海賊としては顔がイケているほうだから、巷ではバンダナ王子と呼ばれることも。ただ、その弱そうな表情やオーラのせいか、パッケージにおいて“板歩きの刑”に。。。船長の座を狙うという無謀な野心を実行してしまったか、それとも船長のお宝をくすねたのがバレたか・・・。
いずれにしろ、なんとなくこのメンバーでは彼の暗い将来しか見えない。周りは髭を蓄えた厳つい海賊の荒くれ者ばかりだ。狡猾な海賊仲間に使い捨ての駒としていいように扱われるに決まっている。
おお、なんとかわいそうなことか! 確かに彼は下っ端感や小物感が漂い過ぎているのは否めない。しかしそんな彼だが親心としてはビッグになってもらいたい・・・そういうわけだから遊ぶときはぜひバンダナ王子も活躍させてあげよう。なにせ彼の口癖はこうだ。海賊王に俺はなる───
バンダナ王子はダブルフェイス仕様。海賊船のミニフィグにおいて唯一、ふたつの表情を持っている。片方の口角を上げてひょうきんに笑うA面の表情を180度回してみよう。歯を食いしばって目の下にシワが寄ったB面のビックリ顔にチェンジ可能だ。
しかし彼をビックリさせるときはよく考えたほうがいいかもしれない。バンダナ王子がビックリしたとき、それは彼に大きな危険が迫っているということだからだ。
プレゼントや誕生日サプライズによって驚いたとかそういうかわいい話ではない。彼がビックリする原因は4つ。サーベルを突きつけられる、銃を突きつけられる、板を歩かせられる、サメに食べられそうになるという場面のみだ。
顔をビックリさせなければ、おそらく不幸が訪れる確立を10パーセントほど下げることができるだろう。ただそれでもサメエンドは高確率。もし最善を尽くしてもバッドエンドを迎えてしまったら、彼の勇姿だけでも見守ってあげよう。バンダナ王子は逆さまに落ちてもトレードマークであるバンダナだけは外さない。その彼の誇り高き最後の勇姿を見届けるのだ。
三角帽子を被った海賊のミニフィグは赤ひげ船長の部下。船長のように青い服を羽織り、ラグビー日本代表のユニフォームを着る。デフォルトの装備はサーベル。
ヒゲの風格から察するに、彼の海賊歴は長い。パッケージにおいてバンダナ王子の処刑や錨の上げ下げといった重要な仕事を任されている様子から見て、船長からの信頼も厚いだろう。その活躍ぶりは前述のバンダナ王子とは対照的。海賊船の熟練したクルーとして欠かせない存在のようだ。
最後にレビューするミニフィグはガイコツ。目と口の空洞を表現した黒色以外は全身が真っ白となっていて、まるで骨だけのような姿だ。肉付きは悪く、皮膚も薄いように見受けられる。彼の健康状態がとても心配だ。そのシンプルすぎる容姿のせいで年齢すら分からない。ただパッケージにおいて望遠鏡片手に見張り台に立つ姿を見るに、どうやら海賊船の船員としてカウントされてはいるようである。
海賊船を守るマーメイドの船首像! 人魚姫の名場面も再現できる
ここからはミニフィグのレビューから海賊船のレビューに移ろう。レゴ クリエイター 海賊船 31109は海賊の黄金時代に存在した海賊船をモチーフにしたモデルだ。海賊船のサイズは高さ37センチ、長さ46センチ、幅19センチ。
レゴ パイレーツオブカリビアン サイレント・メアリー号 71042やレゴ インペリアル・フラッグシップ 10210よりも長さは短いものの、高さはなかなか迫力がある。
船長室を含む船尾もしっかりとボリュームがあり、大きな帆に“着られている”感を回避。小型船のような船底のコンパクトさをカバーし、帆とのバランスをとっている。
海賊船の船首から前方に伸びている黒い棒はバウスプリット。詳しくは分からないが、このバウスプリットには帆船のバランスをとる役割があるようだ。
前述のバウスプリットの上にある白いパーツはジブセイル。海賊船の推進力を得る役割を持つ三角形の帆だ。このジブセイルは帆船にシャープな印象を持たせり、スポーティな雰囲気を醸し出すことにも貢献。アン王女の復讐号やレゴ アイデア 赤ひげ船長の海賊島 21322のダークシャーク号においても張られている帆船に欠かせない帆である。
また今回の帆は、他のセットのジブセイルとは一味違う。それはジブセイルが不織布ではなくブロックを用いて表現されていることだ。これはジブセイルのみならず、クリエイターの海賊船に張られた全ての帆に共通する斬新な表現手法。不織布のようなしなやかさや風になびきそうな気配はないが、ブロックに置き換えられたことによってレゴらしさは非常に高まっている。
バウスプリットの下にある人型っぽいカラフルな物体は船首像。英語ではフィギュアヘッドと呼ばれるこれは、航海の無事を祈ったり船のシンボルとして取り付けられているようだ。
クリエイターの海賊船においては人魚の船首像を採用。赤で長い髪、水色で水着、緑で下半身の魚のヒレを表現しており、後述するサメのようになかなかクオリティの高い造形だ。この幸運のマーメイドがいるかぎり、海賊船の安全はバッチリ。いかなる大嵐や大砲の雨からも海賊船を守ってくれることだろう。
幸運のマーメイドは人工的な像であるはずだが、海賊船のそれはとても活きがいい。人魚の頭やヒレを動かすことができるのだ。頭を倒しヒレを前に出せば、まるで活きているような躍動感。もうそれは新鮮な海産物そのものだ。
人魚の加護は海賊たちに強い安心感を与える。海賊船を守るだけでなく、船員の精神面にもいい影響をもたらしてくれるのだ。その頼もしさを感じているうちに船首像を崇めるようになり、もはや自らがマーメイドになるべきだと感じる者も現れるだろう。しかしここの鉄の規則には男子船首像になるべからずというのがある。これは船長の強い意向が反映されたものだ。船首像への憧れを抱く者たちにとり、この厄介な規則は常に悩みの種である。
このようにリアルな人魚を見て思い出すのはディズニーアニメ『リトル・マーメイド』と日本のアニメ映画『東映まんがまつり アンデルセン童話 にんぎょ姫』。その中でも後者の『アンデルセン童話 にんぎょ姫』はクリエイターの海賊船で再現できるかもしれない。
船首像を人魚姫に、サメをイルカに見立てて向かい合わせてみよう。すると人魚姫のマリーナとイルカの少年のわんぱくフリッツの切ない別れの名場面が蘇るようだ。
錨を上げろ! 砲門を開け! クリエイターの海賊船で冒険アドベンチャー
海賊船の艦首にはキャプスタンがある。キャプスタンは海賊船の錨を巻き上げる装置。4つの持ち手と回転ギミックを備え、持ち手のひとつには錨鎖が繋がっている。
キャプスタンから伸びる錨鎖は海賊船の隙間を通って錨と接続。
キャプスタンを回せば錨鎖が巻き取られ、
両爪タイプのストックレスアンカーが引き揚げられていく。この錨の巻き揚げギミックはレゴの多くの帆船モデルに採用されている定番のギミックだ。
海賊船の船体の側面には2門の砲門がある。
砲門を塞ぐ赤い砲門扉には開閉ギミックを搭載。砲門を開け!といった場面ではこの砲門扉をオープンし、大砲を露出させる。
海賊船の大砲にはレゴ パイレーツ・オブ・カリビアン サイレント・メアリー号 71042のようなデフォルメされた砲身ではなく、大型の武器アイテムを採用。古くは南海の勇者シリーズから登場し、アン王女の復讐号やダークシャーク号にも受け継がれた本格的な大砲である。
その大砲の金属感がある鈍い光り具合と重量感があるサイズは、伝統を感じさせるとともにクリエイターの海賊船であっても他の帆船に火力において劣ることがないと示すものだ。
前述の大砲が設置された側面の反対側にも砲身を出すための砲門がある。ただその砲門からは砲身が覗いていない。向こう側の大砲が見えるだけである。大砲が2門しか付属しないため、全ての窓に大砲を配備することができないからだ。敵が反対側からも現れたときは、大砲を移動するか海賊船自体を素早く急旋回させる必要があるだろう。そのときこそ海賊たちの練度や海賊船の機動力が試されるときだ。
前述までの大砲は船体内部に並べられている。真上にある甲板が取り除けられているから、その大砲の様子を鑑賞することが可能。側面からだけでなく、上からも大砲の迫力を楽しむことができる仕組みだ。
ただ、以前レビューした空中戦艦バウンティ号と違い、取り外し可能な甲板によって覆われていないのは少し残念な部分だろうか。帆や船底がハイクオリティであることを考えれば、ついでに甲板の取り外しギミックを実装しない手はなかったように思える。とはいえ、手間がかからず内部を見られるというのも、鑑賞性においてメリットがあることは確かだ。
大砲を艦砲として活用する際には、大砲を船体に固定する。発射時の反動や船の揺れによって大砲が移動してしまうのを防ぐためだ。海賊船の内部にはそのためのポッチが2つ用意されている。大砲はこの2つのポッチによって適度な固定性と発射時の安定性を確保。それでいてガッチリとはまりすぎていないため、船体からの取り外しも容易だ。
大砲には車輪が取り付けられており、自走性も備える。固定砲台としてだけでなく、個別運用も可能なのだ。例えば海賊船の甲板に載せて臨機応変に攻撃したり、上陸した陸地で運用したり・・・様々な場所や場面において活躍する高い汎用性がある。
さらに大砲には車輪の回転ギミックによる機動力の他、砲身が上下に可動する定番ギミックも搭載。これにより、甲板から海に向かって砲撃するというアクロバティックな活用方法も。敵は船だけでなく海の中にもいるから、こういう使い方をするシーンも訪れるだろう。
クリエイターの海賊船には大砲に使う予備の砲弾とそれを詰める樽が用意されている。船内の大砲のそばに置いてある砲弾とは別の、上陸用といった感じだろうか。大砲は発射ギミックによってこの砲弾を実際に飛ばせるが、撃ったあとに結構パーツがなくなる。だからその時のバックアップも兼ねて潤沢に準備されている意味合いもあるだろう。
僕に板を歩かせないで・・・ クリエイターの海賊船には危険な“板歩きの刑”が
ウォーク・ザ・プランク───
クリエイターの海賊船には海賊たちが絶対に行きたくない場所がある。それは“板歩きの刑”の舞台となる“板”だ。今まさにバンダナ王子が歩いている場所がそれである。
ひとたびその板の上に立つようなことになれば、絶体絶命。そこにいる者は武装した海賊に退路を塞がれ、先へ進んでも助けが来る見込みのない海が広がるのみ。いや、ただの海ではない。飢えたサメが待ち受けるデンジャラスな海である。まさに詰みだ。
この状況を脱することができる者がいるとすれば、SF映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』において同じく板を歩かされながらも助かったルーク・スカイウォーカーのようなジェダイだけだろう。フォースを使えない者にとってはとても厳しい事態である。
そして案の定、“板歩きの刑”に抗えるものはいなかった。落下していく先には大きく口を開けて海から顔を出すサメ・・・バンダナ王子は獲物を待つサメの口の中にダイブしていくのだった。
船尾楼甲板で舵を取ろう! 船長室の壁には海賊船最大の開閉ギミック
海賊船の左舷後方には階段がある。階段は四段で、上り切ると船尾楼甲板にある操舵室にアクセスできる。
船尾楼甲板の操舵室はクリエイターの海賊船を操縦するための場所だ。甲板は傾斜しており、海賊船全体や海を一望できる構造。そこに操舵輪およびステアリングホイールが設置され、操舵手が舵を切るようになっている。
操舵輪は海賊船の進行方向を操作する重要な設備。レゴにおいても車のハンドルのように回すことができ、実際に舵を切って遊ぶことが可能だ。
海賊船の舵を切るのは、もちろん赤ひげ船長。船長は航海士としても一流で、巧みな舵取りによって海賊船を操船する。時には座礁したり転覆させたりもするが、船長の操縦技術に対する信頼に一点の曇りもない。
クリエイターの海賊船は前述の操舵室を含めて船尾楼が充実。下からのアングルで船尾楼を見上げると、そびえ立つ感がなかなかすごい。まるで3階建ての建物が船に取り付けられているような雰囲気だ。
その船尾楼には最も部屋と呼ぶにふさわしい部分がある。建物のように密閉度が高く、気安く入れないようなオーラを醸し出す部屋・・・そう、船長室だ。
船長室の三方は鮮やかな赤い窓枠と金色のラチス面格子によって囲まれ、とても煌びやか。さすが船長室だけあって格調の高さがうかがわれる。おそらく多くの私財を投じて豪華にしたのだろう。
この船長室はその高級感や居心地の良さから、船長の座を狙う海賊たちにとって憧れだ。たやすく立ち入れるものでないことが分かっているからこそ、渇望してしまう。それがリッチな部屋の魔力である。
しかしレゴのユーザーにとっては海賊たちよりも簡単に船長室に立ち入れる。船長室にアクセスするその方法は2つ。ひとつは先述の階段付近にあるポートサイド寄りの出入り口を使う。そしてもうひとつは・・・このセット最大のギミックを発動し、隠された出入り口を開放することである。
船長室の両側面、窓の下にある黒いつまみを掴んで引いてみよう。すると側面がドアのように開いていき、中の船長室が姿を表す。その姿は階段側の出入り口から見るよりも広々としており、机や椅子のある内部の様子もより把握しやすくなった。
さらに、大きく開く開閉ギミックによってミニフィグを配置するときの操作性も格段にアップ。隠し要素のような面白みはもちろんのこと、ユーザビリティの面からいっても嬉しいギミックだ。
赤ひげ船長の船長室は内装やギミックだけでなく外観のデザインも凝る。窓周辺に丸や四角のパーツをあしらい、装飾性が高められているのだ。
また船長室の後方にある両開きの窓にも開閉ギミックを搭載。先述のように壁が開くことはないが、金のラチス面格子が外側に開かれる。両開きのラチス面格子は側面の固定窓より高い位置にあるから、眺めもさらにいい。側面ほど開放的にならないのも、敵が多い船長にとっては安心かもしれない。この窓を開いて通ってきた海を見渡しながら、自身の海賊人生を回顧する。それもドラマチックだ。
あのとき板送りにしたバンダナ王子はどうなっただろうか、あのとき隙を見て背後からサーベルでグッサリとやった先代の船長は俺を恨んでいるだろうか、昨日食べたサメのフカヒレはもう消化されただろうか・・・広い海を眺めていると、そういった華々しい海賊人生が思い起こされる。
甲板に上げたのは、船長室から取り出した机。机は2×4とコンパクトだが、航海用海図や拡大鏡や金色のグラスが置かれている。航海図には大陸や海や方位が描かれ、海賊船の航海をサポート。この航路図を見ながら海賊船を進めれば、危険な岩礁や潮の流れを避けて安全に航海できるだろう。
航路を吟味する必要があって、海図を詳細に見るときにはそばに置かれた拡大鏡が便利。この透明パーツは実際に拡大することはできないが、海図の一部を拡大しながら航海プランを練っている雰囲気は演出できる。
そして航路に煮詰まったり、危険水域を切り抜けて無事を祝う場合などはグラスの出番だ。金色のグラスにはもちろん大人のグレープジュースが注がれている。気分転換やご褒美にピッタリのドリンクだ。これを飲めば頭はスカッとするし、最高にハイな気分にもなれる。
クリエイターの海賊船はここが違う! ドクロの帆をブロックで表現
船尾楼の両側にはランプが設置。このランプの灯りにより、夜間でも操舵室や後方の海をほんのりと照らす。夜の航海を重視する船長にとって必需品ともいえる設備だ。しかしランプが照らすのはそれだけではない。ときには骸骨の姿も浮かび上がらせるという。
このランプは灯りで人目を引きつけるだけでなく、そばに骸骨が出没することでも有名なスポット。人々の噂によるとその骸骨は、かつてここの船員だったらしい。日の丸カラーの赤いバンダナを頭に巻き、大ファンのラグビー日本代表ユニフォームを着た若い海賊だという話しだ。
けれどその海賊は板を歩かされてしまった。バレないと思ったのだろうか。船長の戦利品である金貨100枚と宝石10個を懐に入れ、それを問い詰められるとサーベルを振り回しながら船長に踊りかかった。結果は前述の通りだ。彼はサメの餌食になり、天に召されたはずだが・・・
船長になるという夢を果たせなかったことが未練になったのだろう。成仏しきれず、骸骨となってこの海賊船に再び現れた。それからというものランプ付近や見張り台といった高いところばかり出没するらしい。おそらくもっとスポットライトを浴びたい、自分に注目してほしい、そう願う彼の気持ちが反映されているのではないか。その気持ちが骸骨を目立ちやすい高所に向かわせているのだろう。本人が語ることのない今となっては確かなことは不明だが、少なくとも人々はそう考えている。
たが、この話しには実はまだ続きがあった。生前バンダナ王子と呼ばれていた彼のバンダナとユニフォームが、彼が海に落ちる寸前に忽然と消えたというのだ。そしてそれらは未だ見つかっていないという。人々は口々に噂した。バンダナとユニフォームは新しい持ち主に受け継がれた、と・・・
海賊船の船尾、先述のバウスプリットから最も離れた場所には黒い旗がある。何かをモチーフにしているのかは分からないが、スタイリッシュな形状の旗だ。
船尾楼の下、海賊船の末尾には“舵”がある。操舵輪によって操作され、海賊船の進行方向を調節するための装置だ。この舵は実際に左右に動かすことができるギミックを搭載。操舵輪の回転に合わせ舵を動かして遊ぶことを可能にする。
クリエイターの海賊船は帆がブロックによって表現されているのが特徴。その特徴を最も表しているのが、ガイコツの顔がついた帆だ。
甲板の上をびっしりと覆う帆は、帆船を象徴する要素。帆が壮大に広がる光景は、大航海時代のロマンを感じさせる。パイレーツ・オブ・カリビアンやマスター・アンド・コマンダー、提督の艦隊のような帆船が登場する映画における海戦や冒険アドベンチャーの熱いシーンが思い出されるのだ。
その帆船を帆船たらしめるなくてはならない要素である帆は、クリエイターの海賊船においても再現。それも従来とは異なる、新しい表現方法によってだ。
海賊船の帆は甲板から垂直に伸びるマストと呼ばれる棒やマストとクロスする形で横に渡されたヤードという棒、帆柱の途中にあるトップという足場、マストとヤードによって広げられた帆によって構成されている。マストとヤードは従来通りテクニックパーツによって成り立つが、帆は新しい作り。ピラっとした本物に近い布ではなく、あえてレゴらしくポッチ感のあるブロックによって形作られているのだ。その新しい要素が凝縮されているのがドクロの帆である。
ドクロマークはシールやプリントパーツではなく、細かいポッチパーツとタイルパーツによって表現。そのためドクロの帆はこの海賊船の帆の中で使われたパーツが最も多く、布による帆とはまた違った組む楽しみを提供。カワダ ナノブロック 海賊船 NBM-011を連想させるこのドクロは、クリエイターの海賊船の顔であり最も象徴的な部分だ。
帆船といえば帆や大砲。さらにそれに加えて船体のあちこちにロープがまるでスパイダーマンの糸のように張り巡らされているのも特徴的だ。クリエイターの海賊船においてはそのロープがより史実に近い質感によって表現されている。
ロープは帆を取り付けたマストを両側から支える役割を持つ、シュラウドと呼ばれるもの。バンダナ王子が掴んでいるのがそれだ。これまでこのシュラウドは帆船や砦向けの大きな梯子パーツが使われることが多かった。固くて変形性の低い成形品の梯子である。これは弾力性を備えた現実のシュラウドとは相違があった。
しかし今回の海賊船はロープのように弾力と柔らかさを備えたパーツを採用。史実に近い性質と質感を獲得している。それに伴って従来のハシゴより取り付け方法も繊細になり、組み立ての難易度も上昇。マストの途中にあるトップと船体に1本ずつシュラウドを渡していく作業は、まるで帆船模型を作っているような細さだ。新開発されたこのレゴのシュラウドは、組み立てる楽しみを増幅させることに大きく貢献したといえる。
ただ、そんな新しいシュラウドにはひとつ欠点がある。それはラットラインと呼ばれる横のロープが省略されていることだ。以前の梯子パーツにはあった横の棒、つまりミニフィグが掴んだり足場にしていた部分が消え去っているのである。このことは海賊船のデザイン性においてそれほど影響をもたらさないものの、遊びの面については幅を狭める結果を招く。帆にポッチが加わってミニフィグの行動範囲が広がった中、シュラウドについては狭まったことは残念な点ではある。
しかしそれでも目新しさと組み立ての新たな楽しみを提供してくれたことを考慮すればポジティブな印象のほうが強い。ネガティブということでは決してないのは確かだ。
海賊船のデッキからマストを上っていくと、ポッチを備えた円形の足場が現れる。足場はトップと呼ばれる部分で、前述のシュラウドも繋がっている。史実の帆船においては船員がシュラウドを上ってアクセス。このトップを足場としながら帆を広げたり畳んだりといった作業を行うようだ。
前述のトップからマストをさらに上に行くと、今度は見張り台が現れる。その名の通り海賊船の最も高い場所から遠くを見通し、誰よりも早く問題を発見するための場所だ。
この見張り台の“たらい”に立つ者は、単眼鏡を手にできるだけ遠くが見えるような姿勢をとる。望遠鏡を片目で覗き込みながら身を乗り出すのだ。そのため見張り台には観察力があって高所恐怖症ではない人物が抜擢される。
この海賊船においては主にガイコツ、もしくはバンダナ王子が適任だ。見張り台に新旧のバンダナ王子を配置して、敵の船や新しい島や天候の変化をいち早く発見してもらおう。
サメ! 海鳥! 金銀財宝! 海賊の世界を彩る生き物たちと輝く宝石
クリエイターの海賊船では、海賊船らしく宝箱が積み込まれている。世界各地の島や船から奪った金銀財宝を収めたトレジャーボックスだ。宝箱にはレゴ定番の開閉ギミックを備えたアクセサリーパーツを使用。フタを開けると箱の中にはコインや色とりどりのクリスタルなどがぎっしり詰まっている。
今はひとつの宝箱に静かに収められたそのお宝たち。しかしそれらひとつひとつに様々な歴史や思い出を含んでいる。やったやられた、取った取られたというような暗い背景もだ。
ただ、宝石というものはそういった歴史によって輝きが増すこともある。コ・イ・ヌール・ダイヤモンドしかり、ホープ・ダイヤモンドしかりだ。その魔力を含んだ輝きはレゴの海賊たちをも魅了してきた。そして狂わせてきた。
この海賊船においても一線を越え、間違いを犯すものが後を絶たない。ほとんどの場合、いい結果はもたらさないのだが・・・。板の上の海賊たちはみな口を揃える。俺は盗っていない、いつの間にか懐に入っていたのだ、と。お宝たちはさらなる歴史、あるいは思い出を欲しているのかもしれない。
このセットは海賊船にとどまらず、海の世界を充実させてくれる生き物たちが登場するのも魅力。その一匹がサメである。
サメは先述の人魚の船首像のようにシンプルながらも雰囲気のある造形。さすがに以前レビューした深海生物のシャークほどリアリティはないが、適度な愛嬌も加えつつ迫力も備えている。体長にしてもミニフィグの2倍以上あり、サイズ感も充分。海賊船のおまけといってもデフォルメされすぎておらず、一つのモデルとして優秀だ。
さらにサメは顎、胸鰭、尾鰭という動いてほしいような箇所が的確に可動してくれる。そのツボを押さえた可動部により、喰いついたりヒレで打撃を加えるといった表現も可能。バランスの取れたデザインの他、モーションによっても楽しませてくれるのだ。
この本格的なサメがいることで、海賊の世界に危険というスパイスが加わる。そう、海賊船とサメはいつだってセットだ。お互いに切っても切れない関係にある。サメは海賊というエサが欲しいし、海賊たちのほうもサメという危険を必要としている。利害関係が一致した、まさに黄金のコンビだ。
クリエイターの海賊船にはまだ生き物がいる。海賊船の周りをうろちょろする愉快な海鳥だ。この海鳥は以前レビューしたビーチハウスに登場する鳥のような作り。前述のサメよりかなりデフォルメされており、まるでマスコットのような雰囲気だ。このように生き物の種類によってリアルにしたりかわいくしたりというメリハリがレゴの得意とするところ。そして面白みのある部分だ。
海鳥は暑苦しい海賊船において数少ない清涼剤でもある。その爽やかさとかわいらしさから、海賊たちにも人気で追い回されることも。しかしそれで捕まえられるような海鳥ではない。海鳥は今日も自由に、誰にも束縛されることなく海賊船を飛び回っている。
レゴ クリエイター 海賊船 31109の総評
レゴ クリエイター 海賊船 31109はミニフィグの多さも大きな魅力のひとつ。ミニフィグが付属したとしても大体2体までが多いレゴのクリエイターシリーズにおいて、ガイコツを含めると4体も付属する。しかも南海の勇者シリーズが終了してからというもの、入手する機会が少なくなった海賊たちのミニフィグだ。伝統的なタンクトップの海賊もいれば、義足の船長もいる。海賊のミニフィグを懐かしむことができるという意味でも最高のセットだ。
そしてもちろんメインの海賊船も素晴らしい。ブロックの帆、歴史のある大砲・・・全体のデザインとともに各要素も光る点がある。また帆の角度を変えられたり船長室の壁を開くことができるなど、動かせるギミックが多いのも楽しい要素だ。懐かしのミニフィグたちにレゴの現代的な組み方が取り入れられたスタイリッシュな海賊船・・・全てが噛み合った、南海ファンも必見のセットである。
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