カエデ(楓)の育て方(ただいま編集中のコンテンツがあります)
カエデ(楓)の育て方(ただいま編集中のコンテンツがあります)投稿日:2018/08/15 更新日:2022/01/26
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カエデ(楓、英語圏では一般にMaple)は、ムクロジ科(旧カエデ科)カエデ属 の落葉小高木の総称。
盆栽でカエデと言えば、「唐カエデ」や「宮様カエデ(台湾カエデ)」のように、葉が浅く3列しているカエデ属の仲間を差していて、形がカエルの手に似ていることから、呼び方を略してカエデと呼ばれるようになりました。
分類上はモミジもカエデの仲間で、葉の切れ込みの深さや数で呼び分けられています。
とても丈夫で芽吹きもよく、葉姿から冬の寒樹まで、四季を通じて眺めることができます。
芽摘みや葉刈りなど細かな手入れが必要ですが、その分枝作りに手応えがあり、実生からもよく太り気軽に始められることから、初心者から経験者まで人気の定番樹種です。
C o n t e n t s
- カエデの培養の基本(管理場所、灌水、施肥、病害虫)
- カエデの増やし方
- カエデの適期作業
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1. カエデの培養の基本
1-1. カエデの管理場所樹高の低い幼木のうちは周りの樹の陰になるため、少ない光でも生育できるのですが、本来は好光性の植物で、生長するに従って光の要求度も増してきます。
特にカエデのような広葉樹を盆栽に仕立てる場合は、重要とされるフトコロの枝や下枝が葉の陰になって弱りやすい状態になりがちです。日照が不足すると枝が間延びし軟弱になって、病害虫も付きやすくなってしまうので、日当たりと風通しのいい場所で管理するようにしてください。
よく陽に当てることで枝葉も締まり、環境変化や病害虫に対する抵抗力も強くなります。
ただし、「盆栽は自然の縮図」と言われるものの、実際には自然環境とは全く異なる環境にあり、鉢が小さいほど少しの環境変化や管理の過不足で影響を受けやすいものです。
強すぎる光に晒されると根や葉が傷み、観賞価値が下がるだけでなく、生育に悪影響を及ぼす危険があるので、夏の間は遮光が必要です。
春、新芽が伸び始めてから梅雨頃まではよく陽に当てて枝葉を充実させ、梅雨明けから夏の間は風通しのいい日除け(遮光率70~80%程度)の下で管理してください。
9月の上旬を過ぎれば日差しも和らいでくるので、日除けを外して綺麗な紅葉を促しましょう。
落葉樹は寒さにとても強い性質ですが、冬の乾燥した外気や積雪などで小枝が枯れてしまうことがあるので、冬の保護は必要です。
ムロ入れの時期は12月中旬頃(関東)。2~3度霜が降りて寒さに充分慣したら、風が吹き込まない棚下やムロに入れてください。通常の棚上管理に戻す(ムロ出し)のは、遅霜のおりる心配のなくなる3月いっぱい(関東)まで待ちましょう。
1-2. カエデの灌水葉面積の多いカエデは、光合成によって葉裏の気孔から蒸散される水分量も多いため、水切れを起こしやすいものです。
樹を丈夫に育てるためにはできるだけ乾かすことも大切なのですが、一度水切れで痛んだ根は根腐れを起こして葉やけや枝枯れの原因となるので、乾き過ぎには注意が必要です。
乾きの早さは鉢の大きさや植土の配合にもよりますが、春の芽出し頃からは1日1~2回、夏は1日2~3回、冬は2~3日に1回(ムロ内)を目安に、表土が乾いてきたらたっぷりと灌水してください。
特に夏場の水切れには注意し、夕方には積極的に葉水を与えてください。
葉刈り直後の水やりに注意カエデは、樹勢のいいものなら成長期の間に数回の葉刈りができますが、葉刈り直後は蒸散量も減って乾きが格段に遅くなるので、それまで通りの要領で水をやっていては過水状態になってしまいます。
水が多いと根腐れが起こり、次にでる新芽が縮れたりヤケたりして、せっかくの葉刈りの意味がなくなってしまうので、葉刈り後の灌水は控え目を心がけてください。土の表層が白く乾いてきた頃が頃合いですから、乾いてない場合は少し時間をおいてから水やりしましょう。
なんども書きますが、控え目の水やりというのは頻度のことであって、1回に与える水量のことではありません。少しの水で表面を濡らした状態は、水やりをした気になっただけで、実際には中まで水が浸透していないので注意してください。
水やりの際は、新鮮な水と空気が用土の中を通るイメージで、上からかけた水が鉢底穴から抜けるようにたっぷり与えてください。
1-3. カエデの施肥幹の肥大を目的とする養成木ではしっかり肥料をあげて樹勢をつける必要がありますが、もともと樹勢が強く芽吹きのいい樹ですから、完成に近づくに従って控え目にしていくようにしましょう。
葉刈りをして2番芽を何度も出させるものは、ある程度肥料を効かせて力を付けさせる必要がありますが、せっかく樹勢の落ち着いた完成木に肥料を与えすぎると余計に枝が徒長し、幹肌も若返ってよくありません。
特に春肥の与えすぎは、新梢に勢いが付きすぎて間延びの原因となるので控え目が基本。タイミングもやや遅めの4月に入ってからのスタートがよく、新芽が伸びて葉が開いてきたら、ごく少なめ(薄め)の肥料から置くようにしてください。
施肥期間は、成長期の4月~9月頃まで。施す肥料の肥効期間にもよりますが、30~40日に1回くらいの間隔で新しい肥料と交換すればいいでしょう。
梅雨~盛夏の間は一旦中止するか、葉刈りを予定しているものは薄い液肥を与えてください。1回に置く量を多くするよりも、成長期の間に少ない肥料を継続的に与えた方が樹勢を維持できます。
枝葉の充実を目的とする葉もの樹種の肥料は、伸長生長を助けるチッ素を主体として、リン酸やカリウムのバランスもよい油かす肥料が基本。秋肥(8月下旬~9月)は枝葉の充実期ですから、リン酸(骨粉や追肥用のリン酸)も少し強化して、休眠にむけた枝葉の充実を図ってください。
カエデの病害虫と対策カエデは丈夫で回復力も強いので、仮に病害虫が発生しても深刻化することはほぼありません。
稀にアブラムシやカイガラムシが新芽や幹についたり、テッポウムシ(カミキリムシ幼虫)が幹を浸食することがありますが、定期的な薬剤散布と培養環境を整えておけば被害にあうことはありません。
ただし新芽がやわらかいうちは薬害がでやすいものなので、葉が固まるまでは高濃度の農薬使用や、スミチオンやマラソンなどの浸透性の強いものは避けたほうが安心です。
テッポウムシの侵入を確認した場合は、侵入穴にスミチオンの10倍液を直接注入し、傷口は木工ボンドやカットパスターなどで塞いでおいてください。
カエデにつく病害虫の多くは、冬の間に培養場や組織上に卵や冬胞子の状態で潜伏し、春に活動を始めるため、活動前の防除がとても重要です。
落葉後~組織が肥厚している休眠期は、高濃度の農薬を使っても薬害がでにくいものですから、ムロ入れ前と2月上旬頃の最低2回は、石灰硫黄合剤(30~50倍)で消毒しておいてください。
石化硫黄合剤が使えない場合は、濃い目のスミチオン(500倍~1000倍)やGFオルトランCなどでも代用できます。詳細な濃度については商品の使用方法をよく読んで判断してください。
2. カエデの増やし方
実生の他、挿木や取木などで増やすことができます。
実生の場合は、 秋に熟した種子を採りまきするか、冷暗所で保存して春(2月上中旬)にまいてください。
モミジやカエデは低温発芽種子ですから、発芽率を高くするためには一定期間寒さに当てる必要があります。冷蔵庫保存もできるのですが、紛失やカビが生えることがあるので、砂や乾燥材を入れた瓶にいれて屋外の寒さに晒した方がいいと思います。播種前は1~2晩程水に浸けておいて(1日1回は流水にて新鮮な水に交換)、充分に水を吸わせてからまくことも発芽率UPのコツです。
まず翼(羽根の部分)を取り、指の第一関節分くらいの深さに埋め、春まで乾かないように水やりをします。浅めに埋めて網伏せしてもよい苗ができます。
冬の間は屋外の棚下など、風の当たらない場所に置いて、発芽してきたら徐々に日なたに慣してください。
挿木や取木は、葉が固まり気温と湿度の高まる6月頃もよいのですが、春先の芽出し前(2月中下旬~3月上旬)の方が根張りのいいものができやすいです。
高温多湿の時期は根の勢いが強すぎて、最初に伸びた根に力が集中し片根になりやすい傾向がありますが、気温が低い春先は、カルス(未分化の細胞塊)がゆっくり形成されるので根数も多く準備されやすいようです。
3. カエデの適期作業
3-1. 植替え(2月中旬~3月上旬)カエデは根の成長が早く根詰まりしやすいので、若木や小さいものは毎年植え替えが必要です。完成樹でも2年に1回を基本にしてください。
作業の最適期は芽が動く前の2月中旬~3月上旬頃。春に植替えができなかったものは、6月頃に葉刈りを伴わせて行う事もできます。
肥大を目的とする養成木では、やや深めの鉢にいれて肥培したほうがいいのですが、根作りの支障となる走り根はできるだけ早いうちに整理してください。
特にカエデは四方八方に伸びた根張りも見所の1つなので、太くて長い根は短く切り、細根が多くでるようにしましょう。
整理する根量は全体の1/2~2/3が目安。発根がいいので、かなり深く切り込んでも大丈夫です。上根はできるだけ傷付けないようにして、鉢周りや底根をしっかり切込み、根が薄く広がるように整理してください。
細かい枝が解れて全体に優しい姿の葉もの樹種は、重たい印象の鉢と合わせるとバランスがうまくとれません。
深い鉢や強い絵柄の鉢よりも、落ち着いた色味の浅い長方鉢や楕円鉢のほうがよく合いますから、仕立て段階が進むに従って徐々に浅い鉢に植えるようにしましょう。
3-2. 芽摘み(4月中旬~9月上中旬頃)カエデの芽摘みの目的には、芽数を増やす他に、強い芽の力を抑え、弱い芽にも力をまわして樹勢の平均化を図る狙いがあります。
幹の肥大を目的とした段階では、十分な太さになるまで枝を伸ばしっぱなしにしますが、基本の幹枝の骨格ができたものは芽摘みを繰り返し行って小枝作りをしてください。
芽摘みの適期は養成木と完成木で少し異なりますが、カエデの新芽は伸びても第1節間が短いままなので、モミジのように新芽を早々に摘む必要はありません。
一般的には新梢の葉が2~3対開く頃の4月中旬頃からで、養成木や枝太りを期待するものは、5月~6月頃まで伸ばして充分に力がついてから、1~2節で摘むようにしてください。
あまり枝を太らせたくないものや、維持の段階の完成木の場合は早めに摘むのがよく、樹冠から飛び出してきたものから1芽の位置で摘んでおきましょう。
芽摘み後しばらくすると、2番芽が一箇所から対に2本伸びてきます(枝によっては片方だけの場合もあります)。基本は2叉となるように枝を作りますが、内向きに付く芽や不要な芽は早めに整理してください。
この作業を9月頃まで2~3回繰り返し行って、細かい枝を作っていきます。
3-3. 葉刈り葉刈りには強い芽の力を抑制し、フトコロの小さな芽(葉)を保護する狙いがあります。芽吹きが旺盛なカエデは、樹勢が乗っていれば9月頃まで3~4回の葉刈りが可能です。
カエデは枝の強弱が葉の大小で現れるので、弱い枝の小さい葉は残し、全体の力が平均的になるようにしてください。
枝が充実してくれば強い部分だけの抑制や、外周の大きい葉だけを部分的に葉刈りしてください。
3-4. 剪定(5月~8月、12月)新芽が固まってきた5月~8月の葉刈りの時期に合わせて徒長枝を短く切り詰めます。
全体の剪定は12月に落葉して寒樹姿になったときに不要枝や樹冠から飛び出している枝を切り戻してください。
3-5. 針金かけ針金かけの最適期は休眠期の間ですが、新芽の開く時期と夏場以外は針金をかけることができます。
枝の太りが早く、かけた針金がすぐ食い込むので、癖がついてなければかけ直しが必要です。