豊昇龍、大逆転優勝1歩届かず 師匠の「もっと早く稽古場に降りろ」言葉に行動改め次場所反撃へ
豊昇龍、大逆転優勝1歩届かず 師匠の「もっと早く稽古場に降りろ」言葉に行動改め次場所反撃へ

豊昇龍、大逆転優勝1歩届かず 師匠の「もっと早く稽古場に降りろ」言葉に行動改め次場所反撃へ

激しくぶつかり合う豊昇龍(左)と大の里(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

横綱昇進2場所目の大の里(25=二所ノ関)が、2場所ぶり通算5度目、横綱として初優勝を飾った。横綱豊昇龍(26=立浪)との本割は、押し出しで敗れて13勝2敗で並んだ。09年秋場所の朝青龍と白鵬(優勝は朝青龍)以来、16年ぶりとなった横綱同士による優勝決定戦にもつれたが、寄り倒して雪辱した。本割前まで不戦勝1つを除き1勝6敗だった“天敵”豊昇龍を退ける優勝だった。

   ◇   ◇   ◇

豊昇龍は場内アナウンスを聞くと唇をかんだ。「行司軍配通り-」。大逆転優勝は文字通り、あと1歩届かなかった。優勝決定戦は立った直後、左上手を取りに左に動いた。狙い通りに上手を引いた。だが大の里に体を預けられ後退。投げを打ちながら、土俵下まで飛んだ。その際に大の里の左足が返ったのではないかと物言いがついたが、左足は残っていた。悔しさを隠さず、支度部屋では報道陣に「×」印をつくって取材に応じず。付け人に「テレビ消して」と言い、表彰式の様子を視界から消した。

本割はもろ手突きから一方的に押し出し「大の里キラー」ぶりを発揮した。ただ体は悲鳴を上げていた。実は初日直前にぎっくり腰を発症し、13日目の取組後には再び腰痛に苦しんでいた。結果、前日14日目の関脇若隆景戦は、立ち合い変化で勝った。取組後の「今日は勝ちにいった」というコメントも相まり、取り口に苦言を呈するファンが続出。八角理事長(元横綱北勝海)が「今日来たお客さんに申し訳ない」と、異例の謝意を示すほどだった。

横綱とは-。豊昇龍は初場所後に昇進して以来、苦しめられてきた。先場所まで昇進後3場所で金星を8個も配給し、2度の途中休場。「昇進は時期尚早だった」との声が、相撲協会内外にあふれた。悩みがピークに達していた8月5日、師匠の立浪親方(元小結旭豊)に、ピシャリと言われた。「もっと早く稽古場に降りろ。そういうのは成績を残してからにしろ」。稽古に遅れて参加し、マイペース調整するのが、叔父の元朝青龍や元白鵬、元照ノ富士ら、自身が見てきたベテランになってからの横綱像。知らずにマネし、気付かされ「分かりました」と即答した。翌日から途中合流した夏巡業では、春巡業よりも連日、30分以上も早く、土俵周りに来て、四股などで汗を流していた。

立浪親方は言葉の意図を明かした。「横綱らしく振る舞う。変にそういう意識が強くあったのだと思う。そうじゃなくて、少しでも長く基礎をやることの方が大事。それからは早く来るようになった」。巡業から戻った部屋の稽古も、従来よりも30分程度、早い時間に来るようになった。

「成績を残してから」と言った「成績」について同親方は言った。「もちろん優勝ですよ」。厳しい声掛けも豊昇龍の伸びしろを信じているからこそ。この日、悔しさを隠さなかった豊昇龍の反撃ののろしは、すでに上がっている。【高田文太】

【大相撲秋場所全取組結果】はこちら>>

前のページ 1 2 次のページ
📎📎📎📎📎📎📎📎📎📎
BOT